知名度の壁を越えて、仲間とともに全国の舞台で勝利へ——名古屋大学フライングディスク部
名古屋大学フライングディスク部Bloomsは、2008年に設立されました。名古屋大学を拠点に、水・金・土曜日を中心に活動し、全日本大学アルティメット選手権大会の本戦に出場し、初戦で勝利することを目標にしています。アルティメットは大学から始める学生が多く、同部でも多くの部員が未経験から競技を始めています。コーチや監督がいない中で、練習方針や試合での戦略を学生同士で話し合いながら決めていることも特徴です。今回は、キャプテンのハニーフ・ウマルさんに、未経験から成長できる環境やチーム運営の工夫、応援してくださる方々への思いについて伺いました。

——名古屋大学フライングディスク部Bloomsについて教えてください。
活動日は主に水・金・土曜日で、授業期間中は水曜日と金曜日の15時30分から17時30分、土曜日は8時40分から13時までアルティメットの練習をしています。
部員は、1年生31名、2年生16名、3年生28名、4年生12名の計87名です。男女とも同じ部として活動していますが、大会は男女別で行われるため、練習は分かれて行うことが多いです。
目標は、全日本大学アルティメット選手権大会の本戦に出場し、初戦で勝利することです。大会には月1回から2か月に1回ほどの頻度で参加し、実戦経験を積んでいます。
現在のチームは、実戦経験のある4年生が少なく、3年生以下の部員が中心です。経験豊富な選手が多かった時期と比べると、まだチームとして成長している段階だと感じています。まずは本戦出場を確実にし、その先の勝利につなげたいと考えています。
——アルティメットはどのような競技ですか?
アルティメットは、7対7で行うチームスポーツです。縦長のコートの両端にエンドゾーンがあり、相手側のエンドゾーン内でディスクをキャッチすると得点になります。
ディスクを持っている選手は移動できません。ディスクを持っていない選手が動きながらパスを受け、パスをつないで前進します。競技のイメージとしては、バスケットボールとアメリカンフットボールを組み合わせたようなスポーツです。
アルティメットの魅力の一つは、経験者が少ないことです。大学から始める人が多いため、ほぼ同じスタートラインから競技に取り組めます。私自身も高校時代に体育の授業で少し経験した程度でした。高校ではスポーツをしていなかったため、大学では新しいスポーツに挑戦したいと思い、入部しました。

——アルティメットではどのような成長を実感できますか?
成長を実感しやすいのは、ディスクを投げる技術の向上です。アルティメットでは主にバックハンドとサイドスローを使います。特にサイドスローは難しく、最初は思うように投げられない人が多いです。
ただ、ほとんどの部員が同じような状態からスタートします。1〜2か月ほど練習を続けると、飛距離やコントロールが少しずつ向上します。変化が分かりやすいため、自分の成長を実感しやすい競技だと思います。
私たちは先輩の練習や試合を見て学ぶことも大切にしています。アルティメットを知らない状態で入部する人が多いため、まずはプレーを見ることで競技を理解することが重要です。学んだことを練習試合で試し、先輩から助言を受けながら身につけていきます。
——チームの特徴や強みを教えてください。
私たちの強みは、部員数の多さと男女のつながりの強さです。男子は約50名、女子は約30名が所属しており、大会の移動や合宿は一緒に行います。練習は分かれることが多いものの、部全体の一体感があります。
人数の多さは応援にも表れています。大会は静岡県富士市など遠方で開催されることが多く、名古屋から数時間かけて移動します。大会会場が遠方にあるため、家族や友人が応援へ来ることは多くありません。その分、試合に出ていない部員がコートの外から声援を送ってくれることは、選手にとって大きな力になっています。
遠征は負担もありますが、チームづくりの面では大切な機会です。部員同士が一緒に移動したり宿泊したりすることで、普段よりも多く話す時間が生まれます。大会が定期的にあるため、学年を超えて交流できる機会になっています。

——アルティメットに取り組む上で意識していることはありますか?
私たちは、戦略を重視して競技に取り組んでいます。アルティメットは接触のないスポーツなので、サッカーやバスケットボールとは異なる考え方や戦術が求められます。
練習前後には、話し合いの時間を設けています。オフェンスとディフェンスそれぞれのLINEグループで情報共有を行い、練習で見つかった課題について意見を出し合っています。
私たちにはコーチや監督がいないため、練習内容やチーム方針は自分たちで決めています。意見が分かれたときは話し合いを重ね、方向性をまとめています。この経験を通じて、話し合う力や意見をまとめる力が身につきました。
——チームの課題を教えてください。
課題は、部員ごとのモチベーションの差です。私たちの部活は、毎日長時間練習するような活動スタイルではありません。そのため、競技で高いレベルを目指して入部する学生もいれば、部の雰囲気や人とのつながりに魅力を感じて入部する学生もいます。入部の目的が異なるため、競技への向き合い方に差が生まれることがあります。
長期休暇中は週4回ほど練習するため、競技への意欲が高くない部員にとっては負担が大きく感じられることもあります。その結果、部活動へのモチベーションが下がってしまうこともあります。そこで、できるだけ多くの部員が関われる練習を増やすようにしました。レギュラーメンバー以外にも活躍の機会を設け、学年ではなく実力を基準に出場機会をつくっています。自分の成長やチームでの役割を実感できれば、競技への意欲も高まると考えているからです。

——活動を続けるうえで負担になっていることはありますか?
大会が遠方で開催されることが多く、移動費や宿泊費が部員の負担になっています。東海地域では富士市で大会が行われることが多く、毎回数時間かけて移動しています。
現在は継続的に支援していただいているスポンサーはなく、OB・OGの方々からのご支援を活動資金として活用しています。しかし、遠征にかかる費用を十分に補えるほどの金額ではなく、部員一人ひとりの負担も大きいのが現状です。
これまでに企業からご支援をいただいた経験もあります。そうしたご支援には非常に助けられましたが、活動を継続していくためには、まだ費用面での課題があると感じています。
アルティメットの知名度がまだ高くないことも要因だと考えています。今回取材を受けた理由の一つも、競技や私たちの活動をより多くの方に知っていただきたいという思いからです。競技への理解が広がれば、応援してくださる方とのつながりも増えていくと思います。
——部活動を通じて得た学びは何ですか?
私が最も学んだのは、さまざまな意見をまとめながらチームの方向性を決める力です。コーチや監督がいないため、私たちは練習方針や戦略を自分たちで決めなければなりません。そのため、部員同士で意見を出し合う機会が多く、考え方が分かれることもあります。
新チームになってからはメンバー構成も変わったため、どのような練習を行うか、大会メンバーをどう決めるか、試合でどのような戦い方をするかなどを一から話し合ってきました。
こうした話し合いを重ねる中で、複数の意見を聞き、それぞれの考えを整理したうえで判断する必要があります。この経験を積んだことで、仲間との関わり方や、意見をまとめる力が身についたと感じています。

——いつも応援してくださっている方々へ、メッセージをお願いします。
応援してくださる皆さまには、本当に感謝しています。特にOB・OGの方々には、卒業後も練習への参加や大会での応援、アドバイスなど多くの支援をいただいています。コーチや監督がいない私たちにとって、とても心強い存在です。
企業の皆さまには、まずアルティメットという競技と私たちの活動を知っていただけたらうれしいです。学生主体で競技力向上とチームづくりに取り組んでいます。
入部を考えている学生には、新しいことに挑戦したい人にぜひ来てほしいです。未経験から始める人が多い競技なので、安心して挑戦できます。大学で新しいスポーツに取り組みたい人を歓迎しています。