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過去最多規模のチームで挑む、花形「エイト」日本一への10年計画——立教大学ボート部

立教大学体育会ボート部は、創部78年の歴史を持ち、全日本優勝3回、インカレ優勝9回の実績を有しています。現在は「インカレ優勝」と「将来の日本代表選手の輩出」を目標に掲げています。また、「チーム立教」という一体感を大切にし、その象徴としてボート界初となる公式アプリの導入など、新たな取り組みにも挑戦しています。さらに、チームには日本代表選手も在籍しており、高い競技力と挑戦する文化を兼ね備えた環境が整っています。

近年は部員数が過去最多に増え、2026年度からは、ボート競技の花形とされる8人乗りの「エイト種目」で日本一を目指す10年計画を始動しましたRIKKYO EIGHT PLOJECT(通称:REP)。組織が拡大し、大きな転換期を迎えるなかで、未経験者と経験者がともに活動するチームはどのように一体感を築き、日々の課題に向き合っているのでしょうか。今回は、主将を務める奥田響さんに話を聞きました。

 

 

——立教大学体育会ボート部について概要を教えてください。

 

立教大学体育会ボート部は、男女ともに日本一を目指して活動しており、全学年を合わせて82名の部員が所属する、大学ボート界でも大規模なチームです。

活動拠点は、ボート競技の拠点として知られる埼玉県の戸田公園です。選手とトレーナーは競技に集中するため、合宿所で寮生活を送り、マネージャーは通いで活動に参加しています。

練習は週11回行っており、早朝にはボートに乗って水上練習を行います。午後にはウエイトトレーニングや有酸素運動などに取り組み、競技力の向上を図っています。

年間では、4月の日立明三大学レガッタ、6月の全日本選手権、8月の全日本大学選手権、いわゆるインカレを主要大会と位置づけています。各大会での優勝や上位入賞を目標に、日々の練習に取り組んでいます。

競技で高い成果を追求するだけでなく、挨拶や整理整頓、時間厳守といった生活面の規律も大切にしています。周囲から「憧れとされるチーム」になることを組織のビジョンに掲げ、競技面と生活面の両方で成長を目指しています。

 

 

——他大学と比べた時の特徴や、チームの強みは何ですか?

 

最大の強みは、大学から競技を始めた未経験者と、高校までボートに取り組んできた経験者がほぼ半数ずつ在籍し、互いに刺激を受けながら高め合える環境があることです。

私自身も高校まではサッカー部に所属しており、大学からボートを始めました。ボートは、大学から始めてもトップレベルで活躍を目指せる競技です。

高校までは、両手に1本ずつオールを持って漕ぐ「スカル種目」が中心ですが、大学では1本のオールを両手で持って漕ぐ「スイープ種目」に取り組む機会も増えます。そのため、経験者であっても新しい技術を学ぶ必要があり、未経験者も経験者と近い立場で競い合えます。

未経験者には、入部後の数カ月間で基礎体力や競技知識を身につける期間を設けています。経験者が未経験者に教える文化も根付いており、教える側にとっても自分の理解を深める良い機会になっています。

未経験者と経験者がそれぞれの立場で学び合い、ともに成長できる点が、私たちのチームの大きな特徴です。

 

——週11回の練習と寮生活をどのように乗り越えていますか?

 

週11回の練習と寮生活を続けられているのは、仲間とのつながりと、自立を促す寮の仕組みがあるからです。

練習は、早朝と午後の1日2回行う日も多く、特に必修授業の多い1年生にとっては体力的な負担が大きい環境です。それでも、個性豊かな仲間たちと日々切磋琢磨できるため、互いに支え合いながら練習を続けられています。

寮では、先輩と後輩が2人部屋で生活しています。ただ、厳しい上下関係があるわけではありません。休日の前には一緒に映画を見たり、トランプをしたりすることもあり、学年を越えて自然と打ち解けられる関係があります。

生活面では、寝坊や遅刻をすると「罰符」と呼ばれるペナルティが蓄積される制度があります。たまった罰符は、引退までに寮内の掃除などを通じて消化しなければなりません。この仕組みによって、一人ひとりが時間を守り、自立して生活する意識を持てるようになっています。

厳しい練習環境ではありますが、仲間と支え合える関係性と、生活を整える仕組みがあるからこそ、競技に集中できています。

 

 

——チームが大切にしている「主体性」はどのような場面に表れていますか?

 

チームが大切にしている「主体性」は、競技と生活の両面で表れています。

競技面では、午後の陸上トレーニングに時間選択制を導入しています。部員はメッセージアプリで希望時間を申告し、自身のコンディションや学業の予定に合わせて練習時間を調整しています。

また、コーチは社会人として働いているため、常に直接指導を受けられるわけではありません。そのため、各自が動画を見て技術を研究したり、上手な選手に助言を求めたりしながら、練習の質を高めています。

練習場には、部員が自由に使えるトレーニングマシンがあります。数字やタイムが明確に出るため、自分の成長を客観的に確認しながら、仲間と競い合える環境です。

生活面でも、練習以外の時間は各自に委ねられています。資格試験の勉強など、自分が取り組みたいことに挑戦する部員もいます。競技だけでなく、日々の時間の使い方を自分で考えることが、チーム全体の主体性につながっています。

 

——部員数が増加し組織が拡大する中で、直面している課題は何ですか?

 

部員数が増え、組織が拡大する中での最大の課題は、チームの一体感と生活面の規律をどう維持するかです。

近年は新入生への勧誘活動に力を入れてきた結果、多くの学生が継続的に入部し、部員数は過去最多規模になりました。これにより、大人数で漕ぐエイト種目に挑戦できる体制が整いつつあります。

一方で、部員数が寮の収容人数を超えたため、一部の部員は近隣のアパートで共同生活しています。生活拠点が分かれたことで、これまで大切にしてきたチームのまとまりや、距離の近い関係性が薄れてしまう懸念があります。

また、大人数で生活する中で、整理整頓や施設の清掃といった基本的な生活面の規律が、以前より徹底しにくくなっている面もあります。

強豪校として高い成績を残すためには、競技力だけでなく、日々の生活を整えることも欠かせません。今後は、この人数規模の中で、いかに規律と一体感を保つかが大きなテーマです。

 

 

——大学生活の中で、ボート部の活動はどのような成長を与えてくれましたか?

 

多様な価値観を持つ仲間との共同生活を通じて、物事を多角的に捉える視点と、未知の環境に踏み出す行動力が身についたと感じています。

高校までは、気の合う友人と過ごす時間が多くありました。しかし寮生活では、性格や価値観の異なる相手とも日々の生活を共にします。そうした環境の中で、他者の考え方に触れたり、互いの目標を共有したりする機会が増え、自分にはなかった視点を取り入れられるようになりました。

個人的な経験ではありますが、1年生の時にイスラエルでの発掘調査ボランティアに参加したことも印象に残っています。約1カ月間チームを離れることになるため迷いもありましたが、周囲の仲間が「行ってみなよ」と後押ししてくれました。

学生一人ひとりの挑戦を尊重し、応援してくれる環境があったからこそ、不安があっても一歩踏み出せたと感じています。ボート部での生活を通じて、競技だけでなく、自分の可能性を広げる姿勢も身につきました。

 

——2026年の目標と10年計画「REP」について教えてください。

 

2026年度から、ボート競技の花形とされる8人乗りの「エイト種目」で男女ともに日本一を目指す長期プロジェクトを始動しました。それが、RIKKYO EIGHT PLOJECT(通称:REP)です。

REPでは、今後10年間、継続して全日本級の大会でA決勝に進出し、優勝を勝ち取ることを目標に掲げています。2026年はその初年度として、男子が従来のフォア種目からエイト種目へ本格的に移行しました。

今シーズンのチームスローガンには、「烈轟」を掲げています。「自分たちの力を周囲に届け、周りを巻き込んでいこう」という意味を込めた造語です。

シーズンスローガンである「烈轟」と、長期的な目標である「REP」。この2つを軸に、チーム全体で結果を追求する新たな挑戦を進めています。

 

 

——いつも応援してくださっている方々へのメッセージをお願いします。

 

立教大学体育会ボート部は今、エイト種目での日本一を目指す大きな転換期を迎えています。私たちが高い目標に挑み続けられるのは、日頃から温かく支えてくださるOB・OGの皆様、保護者の皆様、スポンサーの企業様や地域の皆様、そして大学の支援のおかげです。

チームの活動資金や高額な艇の購入費用など、日々の活動は多くの方々からのご支援によって支えられています。心より感謝申し上げます。

これからも、競技成績で結果を残すことはもちろん、日々の挨拶や生活面の規律も大切にし、周囲から「応援したい」と思っていただけるチームを目指していきます。

いただいたご支援に結果と姿勢で応えられるよう、部員一同、日々の活動に真摯に取り組んでまいります。そして、「ボートと言えば立教、立教と言えばボート」と言っていただけるような、誰からも愛されるチームをつくっていきます。