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最大身長180cmの弱点を運動量でカバー。海外チームとの折衝もSNS運用も学生主体でこなす組織の裏側——鶴見大学バスケットボール部

プロバスケットボールリーグの人気が高まる中、大学バスケットボールの認知度向上や、部活動の魅力発信を目指し、学生主体でさまざまな活動に取り組んでいるのが鶴見大学バスケットボール部です。

その活動は競技にとどまらず、海外チームとの交渉、プロチームとの連携、YouTube運営など、多岐にわたります。競技面でも、チーム最大身長180cmという体格的なハンデを、圧倒的な運動量と緻密な戦術で補いながら戦っています。

学業とハードな部活動を両立しながら、社会でも活かせるマネジメント力をどのように培っているのでしょうか。

今回は、学生主体で進める組織運営の背景や、これまでの取り組みの成果について、副キャプテンの山﨑淳平さんとマネージャーの冨永美海さんに話を伺いました。

 

 

——鶴見大学バスケットボール部について概要を教えてください。

 

現在、チームには15名ほどの選手が所属しており、文学部と歯学部の学生がほぼ半数ずつを占める合同チームとして活動しています。

今年から入部したマネージャーも、もともとは選手としての活動を希望していましたが、空き時間には一緒にコートに立てる柔軟な環境に魅力を感じ、現在はマネージャーとしてチームを支えてくれています。

主な出場大会は、春と秋に開催される神奈川リーグ(現在2部)と、8月に行われる歯学部生の全国大会「オールデンタル」の2つです。

チームの大きな特徴は、学部や学年の垣根を感じさせない、風通しの良い雰囲気にあります。1年生から4年生までの学生はもちろん、年齢の離れた歯学部の先輩とも気兼ねなくコミュニケーションを取れる関係性があります。練習後に一緒に近くのラーメン店へ行ったり、オフの日にはスノーボードやバーベキュー、サーフィンを楽しんだりすることもあります。

また、新歓の時期には、競技面だけでなく人柄も知ってもらうために、練習後の食事会を大切にしています。こうした日常的な交流が、チーム内の高い心理的安全性につながっています。

 

——学生主体の取り組みについて教えてください。

 

特徴的な取り組みの一つが、毎年夏休みに実施している海外遠征です。

一昨年はグアム、昨年はマレーシアを訪れ、今年はラスベガスへの遠征を予定しています。現地ではストリートコートに足を運び、その場でプレーしている人たちに英語で声をかけ、実際にゲームに参加しています。学生だけで海外のコートに飛び込み、新しい環境に挑戦する行動力は、私たちの大きな強みです。

また、こうした活動の様子は「HR7チャンネル」というYouTubeチャンネルでも発信しています。学生が主体となってチャンネルを運営し、自分たちの活動を積極的に発信しています。

この発信には、チャンネルを見た高校生に「楽しそうな部活だな」と感じてもらい、入学後の入部につなげたいという目的があります。

 

 

——活動の中で直面した課題と、それをどう乗り越えてきたかを教えてください。

 

競技面での最大の課題は、チーム全体のサイズが小さいことです。最も身長の高い選手でも180cmほどで、高さで勝負されると厳しい場面が多くあります。そのため、私たちは「相手より走ること」を徹底しています。

具体的には、オフェンスリバウンドには3人で積極的に飛び込み、残りの2人がすぐに守備へ戻るなど、緻密な動きと運動量で体格差をカバーしています。特にディフェンス面では、翌朝に疲れが残るほど厳しい練習メニューにも、全員で取り組んでいます。

そうした努力が形になったのが、昨年のリーグ戦で挙げた1勝です。第3クォーターではディフェンスのローテーションが完璧に機能し、失点をほぼゼロに抑え、一気に点差を広げることができました。その時間帯は、コートの中で「自分たちはやれる」という自信と一体感が生まれ、チームの強みが、そのまま勢いにつながった場面でした。

一方、運営面での大きな負担となるのが、8月に行われるオールデンタル期間中の業務量の多さです。歯学部以外の選手はサポートメンバーとして参加し、1日に3〜4試合分の動画を撮影することもあります。クォーター間や試合の合間を使って編集を行い、その日のうちにYouTubeへアップロードしています。

また、外部とのやり取りも学生が主体となって進めています。例えば、オーストラリアのクラブチームが来日した際には、親善試合のオファーを英語のダイレクトメッセージで受け取り、その後の調整も自分たちで行いました。国際親善試合として必要な日本バスケットボール協会への登録手続きを調べたり、ポスターにプロチームのロゴを使用するため、権利関係を確認したりと、実務的な課題も一つずつ乗り越えてきました。

 

——学業と部活動をどのように両立していますか?

 

両立のポイントは、日頃からの時間の使い方にあります。テスト前に一気に勉強するのではなく、普段から少しずつ学習を進めることを大切にしています。

テスト期間中も部活動は通常通り行われますが、日頃から計画的に勉強を進めている部員は、前もって準備しているため、無理なく両立できており、余裕を持って練習に参加しています。

このように、自分で計画を立てて行動する習慣が部内に根付いており、学業と部活動の両立につながっています。こうしたセルフマネジメント力は、社会に出てからも活きる大きな力だと感じています。

 

 

——部活動を通じて、どのような学びや変化がありましたか?

 

学生主体でさまざまな課題を乗り越える中で、組織を運営する難しさと重要性を深く学びました。さまざまな業務を1人で抱え込むには、どうしても限界があります。そのため、YouTubeの編集や体育館の手配、大会の登録といった業務を少しずつ後輩に教え、任せていくようにしました。

その際は、単に作業内容を伝えるだけでなく、相手の性格や得意なことを理解したうえでコミュニケーションを取ります。また、任せた業務が最後まで進んでいるかを適宜確認することも意識します。こうした、人を巻き込みながら組織を動かす経験は、自分にとって大きな財産になっています。

加えて、会社経営者でもある監督からは、競技の戦術だけでなく、経済の仕組みやファイナンシャルプランナー資格に関する知識など、社会に出てから役立つ視点も多く学んでいます。さらに、OBの方々からは就職活動のアドバイスをいただいたり、自分の強みをどのように伝えるかを一緒に考えていただいたりする機会もあります。

このように、スポーツの枠を超えて将来につながる学びを得られることは、この組織ならではの大きな特徴だと感じています。

 

 

——応援してくださっている皆さまへメッセージをお願いします。

 

日頃から支えてくださるOBの皆さま、河野監督、顧問の野本先生、そして応援してくださる皆さまに、心から感謝申し上げます。温かいサポートのおかげで、学部や学年、経験の有無に関わらず、誰もが安心して挑戦できる風通しの良い環境が築かれています。

この恵まれた環境を、ぜひ新入生の皆さまにも知っていただきたいです。実際に初心者で入部した1年生も、先輩の丁寧なサポートで楽しみながらプレーしていますし、競技にとどまらず、企画運営や海外でのコミュニケーションといった貴重な経験ができます。

少しでも興味を持っていただけたら、ぜひ一度、体育館に足を運んでみてください。