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未経験25名でも団結力でリーグに挑むことができる理由とは——日本大学工学部ラグビー部

日本大学工学部ラグビー部は、部員の多くが未経験から競技を始めながらも、東北地区の大学リーグで着実に存在感を高めているチームです。工学部100%という特色ある構成の中で、研究や課題制作に追われる忙しい日常とラグビーを両立しながら活動を続けています。かつては試合が成立するか怪しいほどの人数だった時期を経て、今では控えメンバーも揃い、練習参加者も10名以上が当たり前になりつつあります。今回は部の雰囲気や文化、成長の背景、そして運営面のリアルな課題について部員の草野さんにお話を伺いました。

 

 

——日本大学工学部ラグビー部の活動概要について教えてください。

 

日本大学工学部ラグビー部は、日本大学工学部グラウンドを拠点に活動しています。練習日は週に3日で、火曜・木曜は17時から19時、土曜は9時から11時に練習しています。所属学生は26名で学年構成は2年生11名、3年生10名、4年生5名と、2・3年生が中心です。1年生は例年少なめでチームとしての課題にもなっています。選手20名に対し、マネージャー5名、レフリー1名という体制です。部員は全員が工学部となっています。

 

——部員のラグビーの経験値や出身スポーツについて教えてください。

 

現在は、ほとんどがラグビー未経験で高校までサッカーやテニスなど他競技をしていた学生が多く所属しています。大学からラグビーを始めた部員が、チームの中心となっています。私自身も友人に誘われたことをきっかけに大学からラグビーを始めました。競技経験のない状態でスタートするからこそ、チームとしてはテクニックよりもまずは体力、当たり負けしない体づくり、基本の徹底を重視しています。

 

 

——チームの雰囲気や、日々の練習について教えてください。

 

日本大学工学部ラグビー部の雰囲気を一言で表すのであれば、フラットです。上下関係はあまりなく、勝つことだけを目的にするというよりも、楽しみながら、無理なく続けることを大切にしています。未経験から始めた部員が多いからこそ、わからないことをそのままにせず、自然と確認し合える文化が根付いています。練習では、まず基礎的な体力づくりやタッチフットなど、運動量を確保するメニューが中心になります。テクニックや戦術以前に、コンタクトスポーツとして当たり負けしない身体を作ることを大切にしています。また、試合を通して最後まで走り切れる体力を身につけることも重視しています。また、普段の練習は楽しくプレーすることを大事にしており、リラックスした雰囲気の中で思い切ったプレーにも挑戦できる環境があります。一方で試合が近づくと練習の空気は一気に引き締まり、声のトーンや集中力も変わっていきます。このメリハリがあることが、チームとしての強さにもつながっていると考えています。工学部の学生は普段研究室や課題制作などに忙しく、全員が毎回揃うことは簡単ではないため、参加できるメンバーの中で練習の質を落とさないように工夫をしています。

 

——部として大切にしている価値観は何ですか?

 

部の文化として、最も強く根付いているのが「みんなで話し合って決める」という価値観です。誰か1人の意見で物事が決まるのではなく、学年ごとにリーダーという役割を決め、連絡事項を分散して共有しながら、チーム全体で意思決定を進めています。そしてもうひとつ大切にしているのが「当たり前のことを当たり前にできるようにする」という姿勢です。挨拶、報告、連絡や練習への参加姿勢など、競技以前の部分を徹底することで、未経験者中心でも、チームとして崩れない土台づくりを心がけています。

 

 

——部を支えている資金面や物品面の現状について教えてください。

 

日本大学工学部ラグビー部は、部員数が約25名と決して大所帯ではない中で、日々の練習や大会出場を支えるための環境づくりにも工夫をしています。資金面については、大学からの助成金など一定の支援があり、他大学と比較してもかなり恵まれているように感じています。特にラグビーはボールだけではなく、タックルバッグやコンタクト練習用の備品なども必要となる競技のため、大学の支援があることは活動継続の大きな土台になっています。物品面では、これまでの先輩たちが積み上げてきた資産がチームを支えています。ラグビーボールは協会から支給されるものに加え、部室に残っているものを活用しながら練習をしています。練習着や一部の備品についても、卒業した先輩から譲り受ける形で引き継がれており、部としての歴史や繋がりを感じる場面があります。また、過去に企業からユニフォーム提供を受けた際は、ユニフォームに企業名が入ることで、支援してくれている人に恥ずかしくないプレーをしようという意識が自然と芽生え、部員の姿勢が引き締まったこともあります。ラグビー部にとって、支援は単にお金やものが増えるだけではなく、チームの責任感を引き出し、活動の質そのものを引き上げるきっかけにもなっています。

 

——今後の目標を教えてください。

 

今後の目標は、秋に行われるリーグ戦で結果を残し、チームとして着実にステップアップしていくことです。現在所属しているリーグの中で、まずは勝ち切る試合を一つずつ増やし、上位進出を狙うことが今シーズンの大きなテーマです。その一方で部として強く意識しているのは、単に勝敗だけではなく、安定して戦えるチームを作ることです。ラグビーは怪我人が出ると一気に人数が足りなくなり、試合の成立そのものが難しくなる競技です。過去には人数不足を補うために、他競技の友人に協力をお願いして、出場したこともありました。だからこそ、今後はまず戦うことのできる人数を揃えるということが欠かせません。特に課題として考えているのは、新入生の獲得です。現在は2年生、3年生が中心となって部を支えていますが、1年生が少なく、学年によって人数差がある状況です。来年以降もチームを継続的に強くしていくためには、新歓の強化と入部後に続けてもらうためのフォローをより丁寧にしていきたいと考えています。

 

 

——最後に、応援してくださる方々へメッセージをお願いします。

 

いつも日本大学工学部ラグビー部を応援してくださる皆様、本当にありがとうございます。私たちは未経験者が多いチームですが、その分、伸びしろも大きいと思っています。勝つことだけに縛られず、ラグビーを楽しみながら、試合では本気でぶつかる姿勢をこれからも大切にしていきます。また、支援してくださる方がいることで、部員の意識は確実に変わっています。ユニフォーム提供いただいた際の経験は、今でもチームに残っています。秋のリーグ戦に向けて、部員全員で準備を重ねていきますので、引き続き応援よろしくお願いいたします。

 

 

日本大学工学部ラグビー部の魅力は、勝つための強さよりも前に、「続けるための強さ」を育ててきた点に、この部の魅力があると感じました。人数が増えて、練習が成立するようになったことは地味なように見えて、部活動にとって最も難しい土台づくりをやりきってきた証だと感じました。