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自己実現・未来創造を掲げ、創部史上初の「全カテゴリー日本一」へ——大阪大学男子ラクロス部

創部史上初となる「全カテゴリーでの日本一」を掲げる大阪大学男子ラクロス部。Aチーム、Bチーム、1回生チームがそれぞれ全国の頂点を目指し、日々の練習に取り組んでいます。部員全員が大学からラクロスを始めるなかで、上級生やOB、大学院生や社会人コーチのサポートを受けながら成長できる環境が整っていることが特徴です。今回は、チームの強みや課題、未経験からでも高いレベルを目指せる理由、そして主将として大切にしている組織づくりについて、主将の田中隼人さんに話を伺いました。

 

 

——大阪大学ラクロス部について概要を教えてください。

 

大阪大学男子ラクロス部は、2回生から4回生まで62名が所属し、1回生を含めると約80名規模となる大所帯です。スタッフも各学年に在籍しており、部員は全員が大阪大学の学生です。練習は主に、吹田キャンパスと豊中キャンパスのグラウンドで行っています。

チームの目標は、創部史上初となる「全カテゴリーでの日本一」です。チームはAチーム、Bチーム、1回生チームの3つに分かれており、それぞれがリーグ戦や大会に出場しています。すべてのカテゴリーで全国優勝を果たすことを目指し、日々の練習に取り組んでいます。

2025年度は、Aチームが関西準優勝、Bチームが関西ベスト4、1回生チームは関西大会敗退という結果でした。目標を達成するためには、前年度に優勝した京都大学を倒し、全国大会で関東の強豪校にも勝たなければなりません。

そのため今シーズンは、AチームとBチームの強化方針をより明確にし、練習場所や時間を工夫しながら、高い基準で練習に取り組める環境を整えています。社会人や大学院生にもコーチをお願いし、より高いレベルの指導を受けながら日々活動しています。

 

 

——チームの強みと、チームの課題について教えてください。

 

私たちの強みは、変化を恐れず、新しい取り組みに積極的に挑戦できることです。目標に向かって実直に努力できる部員が多く、チームをより良くするために必要な変化であれば、柔軟に受け入れられる姿勢があります。

一方で、試合中に流れが悪くなった際、プレーや声かけで空気を変えきれず、チーム全体が落ち込んでしまうことが課題です。この点は、関東遠征で特に痛感しました。早稲田大学や日本体育大学のように、関東の上位校との試合では、競技力だけでなく、劣勢の場面での振る舞いやマインド面にも差を感じました。苦しい時間帯に流れを引き戻せず、自分たちの弱さが表れる結果となりました。

もう一つの課題は、日本一を目指すうえで必要な基準が、チーム全体にまだ浸透しきっていないことです。チームがこれまで日本一を経験したことがないため、リーダー陣も「日本一になるために必要な基準」を明確に知っているわけではありません。そのため、日々の練習や行動の中で、自分たちで高い基準を求め続けていく必要があります。また、その意識が下級生まで十分に浸透しているかという点においても、まだ課題があります。チーム全体の行動基準をどのように引き上げていくかが、今後の鍵になると考えています。

 

——課題を乗り越えるために、どのような工夫をしていますか?

 

チーム全体の基準を上げるために、主将として日々の行動や言葉を通じて、日本一を目指す姿勢を示すようにしています。プレイヤーとして成長することはもちろん、チームを巻き込む力も高めなければならないと感じています。

同時に、4回生同士で厳しく要求し合うことも大切にしています。高学年の選手が本気で高みを目指さなければ、下級生はついてきません。まずは4回生が率先して高い基準を示すことが、チーム全体の意識を引き上げるうえで重要だと考えています。

また、ボトムアップの組織づくりに向けて、1対1で対話する機会も増やしています。部員一人ひとり、ラクロス部に所属する理由や目標、抱えている課題は異なります。だからこそ、主将である私が一人ひとりの考えを理解したうえで、チームを運営する必要があると考えています。

練習後には、学年に関係なく話しやすい雰囲気をつくり、下級生が感じていることを引き出すよう意識しています。現状を把握し、次の行動を一緒に考えることで、チーム全体が同じ方向を向けるよう工夫しています。幹部間でもミーティングの頻度を増やし、情報をこまめに共有しながら、より円滑な運営に努めています。

 

 

——大阪大学ラクロス部ならではの組織文化はありますか?

 

大きく二つあります。

一つ目は、「自己を実現し、未来を創造する」という理念を大切にしていることです。日本一を目指すなかで、競技力を高めるだけでなく、一人ひとりがどのように成長し、チームとしてどのような姿を目指すのかを重視しています。こうした考え方は、他大学と交流するなかでも、大阪大学男子ラクロスならではの強みだと感じます。たとえば関東遠征の際も、試合の勝敗だけでなく、練習や試合以外の場面での振る舞いを通じて、「応援したい」と思ってもらえるチームであることを意識しました。

二つ目は、一人ひとりが自分で考えて行動する文化です。その場の勢いや雰囲気に流されて動くのではなく、それぞれが自分なりの考えを持って競技に向き合っています。普段は静かなタイプが多いですが、一人ひとりが「なぜ自分はラクロス部にいるのか」という理由と、内に秘めた強い闘志を持っています。そうした主体性があるからこそ、チーム全体で高い目標に向かって進めているのだと思います。

 

——未経験からでも活躍できる環境はどのように作られていますか?

 

未経験者が上達するための仕組みとして、1回生と上級生がペアになるブラザーシスター制度があります。先輩から直接指導を受けられるため、基礎技術を早い段階で身につけることができます。努力次第では、競技を始めてから半年ほどで出場する大会において、ベストメンバーに選ばれることもあります。

社会人や大学院生にコーチとして関わっていただいていることも、成長を支える大きな要素です。中には、東京で働きながら週末に大阪まで来て指導してくださるOBの方もいます。技術や戦術を感覚だけでなく言葉で分かりやすく伝えてくださるため、論理的に理解しながら成長できる環境があります。

私自身も中学・高校時代は別の競技に取り組んでいましたが、ラクロスを始めてからは日々上達していくことが楽しく、練習以外の時間もラクロスに打ち込んできました。こうした先輩方のサポートや整った指導体制があるからこそ、未経験からでも高いレベルを目指せるのだと思います。

 

 

——大学ラクロスを通じて、田中さんが学んだことを教えてください。

 

同じ熱量で一つの目標に向かって努力できる仲間の存在が、どれほど貴重なものかを学びました。毎日誰かと一緒に練習し、食事をともにし、反省点を共有して自主練習に向かう日々は、大学ラクロスだからこそ得られる経験だと感じています。

就職活動を通じて、社会人や他大学の学生と話す機会が増えたことで、純粋に日本一を目指して努力を重ねられる今の環境が、当たり前ではないことを改めて実感しました。だからこそ、このチームに関わる一人ひとりが、ラクロス部を通じて成長できるよう、チームに向き合っていきたいと考えています。

 

——ラクロスと学業や就職活動の両立はどのようにしていますか?

 

部員一人ひとりが、時期に応じて優先順位を考え、メリハリをつけながら両立しています。

部員は理系と文系の比率が6:4ほどで、学業との両立は簡単ではありません。試験前には自主練習に充てる時間を減らし、図書館で勉強に集中するなど、それぞれが必要な時間の使い方を考えています。部活動に打ち込みながらも、単位取得や卒業に向けて計画的に取り組む部員が多いです。

就職活動も、「自己実現」や「未来創造」の一部だと捉えています。自分の将来を考え、どのような人間になりたいかを見つめ直す大切な機会だからです。そのため、競技で勝つことだけを優先して就職活動を後回しにするのではなく、必要に応じて部活動を休むことも認めています。

ラクロスプレイヤーとしてだけでなく、一人の人間として成長できる環境をつくることも、私たちの役割だと考えています。競技、学業、就職活動のどれか一つだけを優先するのではなく、それぞれに真剣に向き合う姿勢が、大阪大学男子ラクロス部には根付いています。

 

 

——いつも応援してくださっている方々へのメッセージをお願いします。

 

日頃から大阪大学ラクロス部を支えてくださっているスポンサー企業の皆様、OB・OGの皆様に心より感謝申し上げます。遠征費や用具代など、学生にとって金銭的な負担は決して小さくありません。そのなかで皆様からのご支援があるからこそ、私たちは競技に集中できています。

特に、休日に時間を割いて指導に来てくださるOBの方々には、本当に感謝しています。先輩方が築いてきた伝統や文化があるからこそ、私たちは高い目標に向かって挑戦できています。私自身、この部活動を通じて大きく成長できたと感じており、こうした文化をこれからも後輩たちに受け継いでいきたいです。

皆様の応援を力に変え、創部史上初となる「全カテゴリーでの日本一」という目標を達成し、関わってくださるすべての方々に結果で恩返ししたいと考えています。今後とも、変わらぬご支援とご声援のほどよろしくお願いいたします。