年功序列ではなく実力でチャンスをつかむ。数値で成長を評価する——新潟大学アイスホッケー部
新潟大学アイスホッケー部は、監督やコーチを置かず、練習メニューの作成からチーム運営まで学生が担っています。2026年は32名で活動しており、そのうち競技経験者は7名です。大学からアイスホッケーを始める部員が多いです。
目標は、インカレ北信越予選で優勝することです。リンク使用料や防具代など、アイスホッケーならではの金銭的な負担もあるなか、企業やOBの支援を受けながら、学生主体のチームづくりに取り組んでいます。今回は、主将の渡部凌太さんに、チームの強みや課題、目標に向けた取り組みについて話を伺いました。
——新潟大学アイスホッケー部について、概要を教えてください。
2026年は32名で活動しています。学年別では、4年生が6名、3年生が5名、2年生が6名、1年生が15名です。マネージャーは9名います。
競技経験者は7名で、大学からアイスホッケーを始めた部員が多いです。2026年は1年生が多く入部しました。冬季オリンピックの影響もあり、アイスホッケーに興味を持った新入生が多かったことが要因だと考えています。
監督やコーチ、トレーナーは在籍していません。練習メニューの作成からチーム運営まで、基本的には学生が担っています。

——2026年の目標を教えてください。
私たちの目標は、北信越予選で優勝することです。
2025年の北信越予選では4位でした。その前の大会では準優勝まで進みましたが、優勝にはあと一歩及びませんでした。あと一歩届かなかった悔しさがあるからこそ、今は勝ち切るために何が必要かを考えています。
準優勝したときは、目標に届く可能性を感じました。一方で、あと一歩で勝ち切れなかった悔しさも残っています。だからこそ、今は技術だけでなく、試合の流れを読む力やチームとしての戦い方を高めたいです。
——普段はどのような環境で練習していますか?
練習は、陸上トレーニングと氷上トレーニングに分けて行っています。
陸上トレーニングは、火曜日と土曜日に1時間半ずつ行っています。火曜日は17時から18時30分、土曜日は9時から10時30分です。氷上練習は木曜日の21時45分から22時45分まで、1時間行っています。練習場所は新潟市内のアイスアリーナです。
氷上練習は、リンク使用料が1時間で3万円弱かかります。オフ期間は週1回の練習ですが、シーズンに入ると週2回、週3回と増えていきます。
氷上練習の回数を増やしたい気持ちはありますが、練習回数を増やすと部員一人ひとりの金銭的な負担も大きくなります。その分、アルバイトにかける時間を増やさなければならず、練習への出席率が下がる可能性もあります。そのため、練習頻度と金銭面のバランスを考えながら活動しています。

——チームの強みは何ですか?
私たちの強みは、部員一人ひとりの主体性です。指導者がいない環境だからこそ、一人ひとりが自分で考えて動く必要があります。その積み重ねが、チームの力につながっていると感じています。
選手一人ひとりが、自分の得意なプレーを理解していることも強みです。シュートが得意な部員は、未経験者やほかの選手にシュートを教えます。ハンドリングやパスも同じです。特定の部員だけがコーチとして教えるのではなく、得意分野を持つ部員が周囲に共有する文化があります。
実際に、シュートが得意な部員に1年生の指導を任せたところ、1年生が短期間でコツをつかめるようになりました。この経験から、幹部だけで抱え込まず、できる人に任せることが、チーム全体を伸ばすうえで大事だと学びました。
——課題だと感じていることはありますか?
課題は、チーム全体の分析力です。個々の技術力で見ると、高いレベルの選手も多いと感じています。ただ、試合に集中しながら、どの選手同士を組み合わせると力を発揮できるのか、どの戦術が合っているのかを客観的に考えることが、まだ十分にできていません。
監督がいれば、試合を外から見て分析に集中できます。しかし、指導者がいない私たちは、試合に出ながら戦術や組み合わせも考える必要があります。だからこそ、ホッケーIQ、つまり状況判断や戦術理解を高めることが重要だと思っています。
部内では、プロの選手の動画を見たり、自分たちの弱点を分析したりすることを推奨しています。ただ、プロのプレーをそのまま部員に求めるのは難しいです。そのため私は、学んだ内容を整理し、部員が実践しやすい形で伝えることを意識しています。

——練習中に大切にしていることを教えてください。
私は、ミスをした直後にその場で振り返ることを大切にしています。ミーティングの時間も別に設けていますが、練習中にすぐ確認するほうが効率的だと思っています。ミスの直後であれば、何を直せばよいかが感覚として残っているからです。
チームの雰囲気としては、メリハリを大切にしています。私は、部員にホッケーを楽しんでほしいと思っています。楽しみながら続けることを大事にしつつ、勝利のために集中するときは集中する。そうした雰囲気づくりを意識しています。
練習にゲーム性を取り入れることもあります。例えばキーパーと1対1でシュートを打つ練習では、成功したら通常メニュー、失敗したら少し負荷の高い追加メニューにすることがあります。ただ練習をこなすだけでは飽きてしまうため、部員が集中しやすい状態で練習に取り組めるよう工夫しています。
——キャプテンとして、どのように部員を評価していますか?
数値で見ることで、感覚だけで評価しないようにしています。もちろん試合中の判断力や流れを読む力も大切ですが、まずは努力が見える基準をつくることを意識しています。後輩にとっても、何を伸ばせば試合に近づけるのかが分かりやすくなります。
大学からアイスホッケーを始める部員が多いため、学年が上がるほど試合に出やすい雰囲気が生まれやすいです。私は、その状況を変えたいと思っています。
そこで取り入れているのが、練習データの計測です。試合中のプレーも大事ですが、日々の努力が数値として見えるようにしています。氷上では、どれくらい速く滑れるか、ターンを何秒で回れるかを測ります。陸上では、ウェイトなど体づくりに関する数値を見ています。
上級生の数値を後輩が上回れば、学年に関係なく試合に出る機会を積極的に与えています。1年生が2年生を超えようとして自主練をするようになったのは、この仕組みをつくったからだと思っています。

——いつも応援してくださっている方々へのメッセージをお願いします。
いつも応援していただきありがとうございます。
私たちは、学生主体でチーム運営を行っています。その分、OBの方々や企業の方々の支援がなければ、活動を続けること自体が難しいのが現状です。いつも支えてくださっていることに、本当に感謝しています。
入部を考えている学生には、アイスホッケーが大学からでも挑戦しやすい競技だということを知ってほしいです。実際に、私たちのチームにも大学から競技を始めた部員が多くいます。データの計測や教え合いの仕組みを取り入れているため、自分の努力や成長を実感しながら競技に取り組めます。経験の有無に関係なく、一緒に成長していける仲間を待っています。