競技力を高めながら、誰もが自分のペースで活動できる部へ——岐阜大学テコンドー部
岐阜大学テコンドー部は、テコンドーの一流派であるITFテコンドーに取り組みながら、学年を超えた関係づくりと競技力の向上を大切にしています。東海テコンドー選手権大会(東海大会)や全国テコンドー新人戦大会(新人戦)への出場、昇級審査への挑戦を通して、部員それぞれの目標に向き合っています。「入ってよかった」と思える場所であるためにチームを運営しています。今回は、部長の浅野太志さんと前部長の金内陸志さんに、部の目標や、異なるモチベーションを持つ部員が共に活動するための工夫について伺いました。

——岐阜大学テコンドー部について概要を教えてください。
浅野さん:
私たちは、岐阜大学でITFテコンドーに取り組んでいます。目標は、競技面とチームの雰囲気の両面にあります。競技では、東海大会、新人戦で3位以上の入賞を目指しています。また、年4回の昇級審査を重視しており、自身の技術を高めるだけでなく、習得した技術を後輩へ伝える意識も育てたいと考えています。雰囲気の面では、学年を超えて仲を深められるチームを目指しています。話しやすい関係性を大切にしながらも、練習には真剣に取り組む姿勢を重視しています。
—— 直近の成績について教えてください。
金内さん:
直近の東海大会では、色帯の部において、型の女子部門で1位と3位、組手の男子部門で3位、女子部門で1位と2位に入りました。黒帯の部でも、組手で2位に入賞しました。
浅野さん:
前年度のJapan Cupでは、組手団体戦において、大学生チームの中で1位となりました。決勝では社会人も所属する道場のチームに敗れ、全体では2位でした。型は愛知大学に敗れ、3位でした。個人戦では、型や組手で合計6人が3位以上の入賞をすることができました。
——チームが抱えている課題は何ですか?
浅野さん:
課題は、学年によって練習参加の人数に差があることです。1年生は人数が多く、部活にもよく参加しています。一方で、3年生や4年生になると、就職活動や院試の勉強などで部活以外の予定が増え、参加頻度が少なくなります。上級生が練習に参加すると、技術を教えられる人が増えます。組手や型の指導がしやすくなり、下級生の成長も早まると感じています。そうした点からも、忙しい上級生も、それぞれの状況に応じて練習に関われる環境をつくることが、目標達成に近づくための課題だと考えています。

——部員が目標を持って練習に参加できるよう、どのような工夫をしていますか?
浅野さん:
昇級審査を一つの目標にすることを大切にしています。昇級審査は年4回実施されますが、受審できるのは最短でも半年に一度です。帯が上がるにつれて、教わる側から教える側へと変わっていきます。教える立場になると、「どう指導すれば伝わるか」を自分で考えるようになります。そうした部員が増えることで、練習全体の質も高まると考えています。昇級審査を通して技術を伸ばし、先輩としての自覚を持つ人を増やしたいです。審査に向けた練習では、複数の上級生に見てもらうようにしています。異なる視点から指摘を受けることで、より改善しやすくなります。
初心者には、動きを段階的に分けて説明することを意識しています。初めての人にも伝わるよう、丁寧に教えています。
——部員のモチベーションにはどのような違いがありますか?
浅野さん:
昇級審査という明確な目標を持っている部員は、練習に来る頻度が高いです。一方で、まだ審査を受ける予定がない人や、明確な目標を持たずに入部した人は、参加頻度にばらつきがあります。私自身は黒帯を目指して昇級審査を受けてきましたが、同じ学年でも学業・アルバイトとの兼ね合いから、優先順位が異なる部員もいます。そのため、全員に同じ形で取り組んでもらうのは簡単ではありません。だからこそ、普段から話しやすい雰囲気づくりを意識しています。新入生とも気軽に会話を重ねることで距離を縮め、「次の昇級審査を目標にしてみない?」と、それぞれの状況に応じて声をかけています。

——自由な雰囲気と、練習の真剣さはどのように両立していますか?
金内さん:
進行する側が練習内容を工夫することで自由な雰囲気と、練習の真剣さの両立を目指しています。練習中は無駄な時間を減らし、「次に何をするか」を明確にして、集中しやすい流れをつくることを意識しています。部員も、練習が始まれば気持ちを切り替えて真剣に取り組んでいます。一方で、休憩時間は部員同士で談笑する時間をしっかりと取り、親交を深めています。
私たちの部活では、本気で取り組む部員をからかったり、参加できない部員を責めたりしない雰囲気があります。お互いのペースを尊重できる関係があるからこそ、さまざまなモチベーションの人が同じ部にいられるのだと思います。
——ITFテコンドーの魅力を、どのように伝えたいですか?
金内さん:
ITFテコンドーは、華やかな蹴りだけでなく、武道の精神も大切にしている点が魅力です。大学生としては、大学内でテコンドーを始める人を増やすことが普及につながると思っています。Instagramなどで外部への発信も続けていますが、まずは身近なところから広げていきたいです。

——活動を続けるうえで、資金面の課題はありますか?
浅野さん:
大会や審査にかかる個人負担の大きさが課題です。大会参加費は数千円、昇級審査には1万円以上かかる場合もあり、級や段が上がるにつれて、審査費用が高くなる場合もあります。費用が一度にかかるため、参加のハードルが上がっています。現状は個人負担のため、まだ解決できていません。
金内さん:
構想段階ですが、将来的にはOB・OGとのつながりを組織化し、OBの方々からの支援で大会費や審査費を補助できないか検討しています。全額は難しくても、大会や昇級審査に挑戦する部員への補助など、参加の後押しとなる仕組みを今後考えていきたいです。
——部活動を通して、どのようなことを学びましたか?
浅野さん:
私は、複数の予定を調整し、限られた時間を使う力を身につけられると感じています。大学生になると、学業やアルバイトに加えて就職活動もあり、やるべきことが増えます。さらに部活動や大会にも取り組むことで、複数のことを同時に進める必要が出てきます。そうした状況で両立を経験することで、将来、仕事と自分の好きなことをバランスよく続けられる人になれると思っています。
金内さん:
私は、学年が上がるにつれて、下級生を大切にすることの重要性を学びました。上級生から下級生に積極的に関わることで、部としてのまとまりが生まれ、部の雰囲気も良くなると思います。審査で級や段が上がると、新入生との間に技術の差が生まれます。そのときに、経験のある上級生だからこそ、自分から親しみを持って関わることが大切だと考えています。
これからも、上級生が親しみやすい存在であることを大切にしていきたいです。

——いつも応援してくださっている方々へのメッセージをお願いします。
浅野さん:
私たちは、楽しく活動しながら、やるときは真剣に練習しています。大会や昇級審査に向けて努力する部員もいれば、自分のペースで関わる部員もいますが、それぞれが居場所を感じられる雰囲気を大切にしています。これからも温かく見守っていただけると嬉しいです。入部を考えている方は、ぜひ一度見に来てください。初心者にも分かりやすく教えています。
金内さん:
私たちの部には、さまざまなモチベーションの人がいます。競技で上を目指す人も、大学から新しいことに挑戦したい人も、互いを尊重しながら活動できる点がこの部の魅力です。これまで先輩たちが築いてきた雰囲気を受け継ぎながら、新しい部員にも「入ってよかった」と思ってもらえる部にしていきたいです。応援してくださる方々には、引き続き支えていただけるとありがたいです。新しく来る学生は、気軽に見学に来てください。
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