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部員100名超のチームで目指す2度目の北海道リーグ3連覇——北海学園大学アメリカンフットボール部

北海学園大学アメリカンフットボール部は、北海道の秋季リーグ1部で2連覇を果たし、2026年は3連覇を目指しています。50年以上の歴史の中でも、3連覇は過去に一度しか達成されておらず、チームにとって大きな意味がある挑戦です。選手は全員が大学からアメリカンフットボールを始めた未経験者です。実践練習と映像を使った振り返りを重ねながら、全国につながる舞台で戦う力を磨いてきました。部員数が増える中で、競技力の向上だけでなく、組織運営やスポンサー活動にも学生主体で取り組んでいます。今回は、主将の齊藤颯さんに話を聞きました。

 

 

——今年のチームの目標を教えてください。

 

一番の目標は、全国大会につながる秋季リーグで優勝し、北海道1部リーグ3連覇を達成することです。私たちは前年まで北海道1部で2連覇しており、2026年は3連覇がかかる大事なシーズンになります。

北海学園大学アメリカンフットボール部は、50年以上の歴史を持つ部です。その長い歴史の中でも、3連覇を達成したのは過去に一度しかありません。だからこそ、今年の挑戦はチームにとって大きな意味があります。

また、6月には東北学院大学との定期戦もあります。毎年対戦している歴史ある相手であり、東北でも実力のあるチームです。秋のリーグ戦、そして全国につながる戦いを見据えるうえで、非常に重要な試合だと考えています。

 

——どのような体制で活動していますか?

 

現在は2〜4年生で65名が所属しており、1年生を含めると100名を超える大所帯です。
内訳は選手が38名、スタッフが27名です。選手は4年生が3名、3年生が12名、2年生が23名で構成されています。スタッフは主に、マネージャー、トレーナー、ケガの処置やテーピングを担当する怪我トレーナー(通称:ケガトレ)に分かれています。マネージャーは練習や試合の撮影、他大学との連絡、会計などを担当します。トレーナーは練習の進行や備品管理を支え、ケガトレはテーピングや怪我の処置を専門に行っています。

全体練習は基本的に土日の週2回です。長期休みの期間は週4回に増えます。土曜日は9時から12時まで練習し、その後にビデオミーティングを行います。日曜日は午前練習に加えて、15時から17時まで午後練習があります。

平日は全体練習を入れず、勉強やアルバイト、自主的な筋力トレーニングの時間に充てています。練習する時は集中し、休む時はしっかり休む。そうしたメリハリを大切にしているチームです。

 

 

——未経験者がアメフトに慣れるまでを教えてください。

 

弊部の選手は全員が未経験からスタートしています。北海道にはアメリカンフットボール部のある高校が一校もありません。さらに、北海学園大学は学生の大半が北海道出身です。そのため、同部の選手も全員が大学からアメリカンフットボールを始めています。

私自身も中学・高校の6年間はバドミントン部で、コンタクトスポーツの経験はありませんでした。最初は、人とぶつかることにかなり怖さがありました。アメリカンフットボールでは、相手に強く当たる場面があります。怖がって中途半端に相手にぶつかると、かえって怪我をすることもあります。

だからこそ、最初は先輩やコーチに教わりながら、段階的に慣れていきます。チームには元XリーガーのOBコーチをはじめ、経験豊富なコーチ陣がいます。正しい当たり方や体の使い方を学びながら、少しずつコンタクトへの恐怖心を乗り越えていけます。

競技の楽しさや部の雰囲気を感じながら、未経験者でも一歩ずつ成長できる。大学から始める選手が多いからこそ、未経験者の不安に寄り添えるチームだと思います。

 

——未経験者が上達するために何を大切にしていますか?

 

まずは実際にプレーし、その後に映像で振り返ることを大切にしています。アメリカンフットボールは、座学だけでは上達しません。練習や試合で実際に動き、そのプレーを振り返ることで少しずつ成長していきます。

練習後には、先輩やコーチと一緒にマネージャーが撮影してくれた映像を見ながら、「この状況なら、もっとこう動いた方がよかった」「この判断は良かった」と、一つひとつ確認します。自分の動きを客観的に見られるため、次の練習で何を意識すべきかが分かりやすくなります。

また前年度からは、北海道大学とのJV戦を組み始めました。これにより、下級生も実際の試合に出場する機会を得られるようになっています。練習だけでは分からない試合のスピード感や緊張感を経験できることは、特に未経験から始めた選手にとって大きな成長につながっています。

アメリカンフットボールは体格や足の速さだけで決まる競技ではありません。ポジションごとに求められる役割が異なるため、力強さ、判断力、粘り強さなど、自分の特徴を生かせる場面があります。未経験から始めても、自分の強みを見つけ、チームの中で役割を担えるところが、この競技の魅力だと思います。

 

——部員数が増えた理由を教えてください。

 

私が入部した頃は、選手とスタッフを合わせても50名ほどの規模でした。現在は、1年生を除いた2〜4年生だけでも60名を超えています。1年生を含めると100名を超える大所帯となっており、部員数の増加は現在のチームの大きな特徴です。

人数が増えた理由の一つは、新歓に力を入れてきたことです。たとえば、新入生向けに履修相談を行っています。部員数が多いため、各学部に先輩がいることが多く、授業の取り方が分からない新入生に具体的なアドバイスができます。履修相談をきっかけに新入生との接点をつくり、そこから部活の魅力を伝えてきました。
また今年は、北海道立総合体育センター(北海きたえーる)や清田グラウンドで、新入生が体を動かせる運動会も実施しました。ただ説明を聞いてもらうだけでなく、実際に体を動かしながら部員と交流できる場をつくったことで、部の雰囲気をより感じてもらえたと思います。特に北海きたえーるでの運動会では、景品としてディズニーのペアチケットを用意するなど、新入生が参加したくなる工夫も行いました。 

部員が増える一方で、遠征費や備品にかかる費用も大きくなっています。すべてを自分たちだけで賄うことは簡単ではありません。そこで、学生主体のマーケティングチームを立ち上げ、企業にチームの活動を説明しながら協賛をお願いしています。

スポンサー活動は、チームの活動資金を支えるだけでなく、学生にとって社会との接点を持つ貴重な学びの機会にもなっています。企業の方々に自分たちの活動を伝え、社会人と直接話す経験は、部活動の枠を超えた貴重な機会だと感じています。

 

 

——運営面での課題はありますか?

 

人数が増えた分、練習や組織運営の方法は見直す必要があると感じています。これまでのやり方のままだと、サイドラインで見ているだけの選手が増えてしまう場面もあります。全員が意味のある練習ができるように、新しい練習方法や運営の形を考えているところです。

現在は毎週日曜日の夜に、ヘッドコーチや監督、各チームの責任者が集まり、オンラインでミーティングを行っています。そこにはマーケティング、スポンサー、SNSなどの担当者も参加し、競技面だけでなく、部全体の方針について話し合っています。

組織が大きくなると、思いつきで物事を進めることはできません。十分に説明がないまま方針が変わると、下級生から不安や不信感が出てしまうこともあります。だからこそ、上級生や各担当者で一度考えを整理し、ヘッドコーチの意見も聞いたうえで、全体に共有する流れを大切にしています。

このミーティングを通して、私自身の考え方も少しずつ変わってきました。PDCAを回すこと、データに基づいて考えること、議論を組み立てることなどを学んでいます。人数が増えたことで難しさもありますが、その分、競技だけでなく組織を動かす力も身につき始めていると感じています。

 

——印象に残っている試合を教えてください。

 

前年の秋季リーグでの北海道大学戦は、特に印象に残っています。北海道大学は長年のライバルのような存在です。

その試合には、13対7で勝利しました。決勝点につながった場面が特に記憶に残っています。本来はキックで得点を狙う場面でした。しかし、ボールを受け渡す場面でミスが起き、予定していた形ではプレーを進められなくなりました。

その崩れた状況の中で、当時4年生の選手がとっさに判断してパスを受け、そのまま決勝点につながるビッグプレーを決めました。

想定通りにいかない場面でも、選手が瞬時に判断してチャンスに変えたことが、とても印象に残っています。

サイドラインも観客席も一気に盛り上がりました。私自身も試合に出場していましたが、「このまま勝ち越せないかもしれない」と思った直後のプレーだったので、強く記憶に残っています。

 

 

——応援してくださる方や、入部を考えている学生へメッセージをお願いします。

 

私たちは50年以上続く歴史を持ちながら、今まさに組織として大きく成長している最中です。選手全員が大学から競技を始めた未経験者でありながら、北海道で勝ち、全国につながる舞台を目指せることは、私たちの大きな魅力です。

入部を考えている学生には、アメリカンフットボールを知らなくても、まず一度練習や試合を見に来てほしいです。大学から新しい競技を始め、本気で全国を目指せる環境があります。また、アメリカンフットボールはポジションごとに役割が分かれているため、体格や経験に関係なく、自分の特徴を生かせる場面があります。

スポンサーや応援してくださる方々には、これからさらに成長していくチームの姿をぜひ見ていただきたいです。私たちは競技の結果だけでなく、新歓、スポンサー活動、SNS発信なども学生が主体となって取り組んでいます。試合会場に足を運んでいただければ、アメリカンフットボールの面白さやチームの熱量を感じていただけると思います。