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揃わない練習日でも工夫で戦うチーム――熊本学園大学ソフトテニス部

授業の時間割が学年や学科によって異なり、部員全員が同じ時間に集まれる日は限られています。そんな環境の中、熊本学園大学ソフトテニス部は九州1位を目標に掲げ、連絡グループでの空き時間の共有や、少人数でも成立する練習メニューの工夫で力をつけてきました。運営面では役職を持つ部員が主体となって遠征やスポンサー対応を担い、限られた時間や人員の中でもチームを運営できる体制を築いています。女子主将の小川千穂さんに、限られた練習環境での工夫と、スポンサー企業との関係づくりについて伺いました。

 

 

 ――ソフトテニス部の目標を教えてください。

 

競技面での目標は、九州で1位になることです。春と秋にリーグ戦があり、特に春のリーグ戦で優勝すると、「王座」と呼ばれる全国大会への出場権につながります。王座への出場条件は団体戦で九州地区2位以内に入ることで、女子は、福岡大学に1対2で負けましたが2位で王座に出場しました。男子は、福岡大学と志學館大学に負けて3位で王座出場できませんでした。九州上位、そして全国で勝つためには、さらに競技力を高める必要があると感じています。秋季リーグは全国大会への出場権には直接つながりませんが、9月のインカレに向けて団体・個人ともに一戦ずつ力をつけていくことを意識しています。

 

 ――練習面で、今どのような課題がありますか。

 

部員全員が揃って練習することが難しい点です。全体練習は週1回、日曜日を基本としていますが、それ以外の平日は学年や学科によって授業の時間割が異なり、自主練習が中心になっています。平日にも全員で集まる時間を設けようとしたことがありましたが、特に1年生は授業との重複が多く、結局は難しいという結論になりました。特に女子は部員数が男子より少なく、日によって練習に集まるのが2人だけのこともあれば、5、6人集まる日もあります。

 

 ――限られた人数の中で、どのように練習を組み立てていますか。

 

連絡グループで各自の空き時間を共有し合い、参加できる部員を募って練習を組んでいます。人数が少ない日は、2対1の形式で、一人が集中的に動くメニューにしたり、ペアの組み合わせを変えながらラリーを中心にした練習にしたりと、その日の人数に応じて工夫しています。大会が続く時期には、、4、5人集まれる日には練習試合形式のメニューを組むことが多くなっています。人数が多ければできることの幅も広がるので、人数が揃う日は、試合形式の練習やチーム内の連携を確認する機会にもなると感じています。

 

 

 ――男女別の練習体制について教えてください。

 

男子監督、女子監督、そして総監督という3人体制で指導を受けています。男女で練習時間は分かれていますが、大会への遠征では車での移動を男女合同で行うため、交流の機会は保たれています。練習メニューや大会に向けたスケジュール調整は基本的に監督が決めますが、週末の全体練習に監督が来られないときは、学生同士でメニューを考えて実施しています。遠征時の宿泊先や移動手段の手配、会計、練習試合の会場調整、SNSでの大会結果の発信といった運営業務は、それぞれ役職を持つ部員が主体となって担っています。こうした役割は、上級生から下級生へ段階的に引き継いでいます。

 

 ――チームの強みを教えてください。

 

一番の強みは、明るさと、仲間を支え合う雰囲気です。団体戦では、負けている場面でも後ろからの応援が力になります。実際、2026年の春リーグの団体戦で自分が緊張して力を出しきれず負けてしまった試合でも、他の2人が勝ってくれてチーム全体としては前向きな結果につながりました。他の部員だけでなく、練習を分けている男子部員も応援に駆けつけてくれて、とても心強かったです。仲間の応援があるからこそ頑張れると感じる場面が多く、支え合う雰囲気が、試合中に気持ちを切り替える力にもつながっていると感じています。

 

 

 ――資金面やスポンサー企業との関係について教えてください。

 

部費は決して潤沢ではなく、会計担当の部員が中心となって管理しています。会計は現在2年生の部員がメインで担当し、3年生や1年生が補佐に入りながら、代々引き継いでいく体制です。ソフトテニス部のOBが在籍する縁で、企業からスポンサーとして支援を受けており、これまでにユニフォームの提供を受けたこともあります。卒業生がその企業に就職した例もあると聞いています。新歓コンパや納会といった場に来ていただく機会もあり、直接「応援しているよ」と声をかけていただくと自分たちの活動を応援してくださる方がいることを実感し、、身の引き締まる思いになります。

 

 ――ソフトテニス部の活動を通じて、学んだことを教えてください。

 

一番身についたのはコミュニケーション能力です。入学したときは知り合いが誰もいない状態で、初対面の人が多い場では、自分から話しかけるのが得意ではありませんでした。同期は自分ともう1人いましたが、その同期が先に部内の輪へどんどん入っていく積極的なタイプで、その姿を見ながら自分も少しずつ会話するようになりました。同期の知り合いだった男子部員とも話せるようになり、そこから他の男子部員とも少しずつ交友関係が広がっていきました。先輩に対しても、最初はうまく話せませんでしたが、物おじせずに先輩へ話しかけていく同期の姿を見ながら、自分も少しずつ慣れていきました。

 

 ――印象に残っている指導のエピソードがあれば教えてください。

 

男子監督の大学時代の同期にあたる、実業団の選手から指導を受ける機会がありました。全国レベルで活躍する選手から、大学で直接指導を受けられる機会はなかなかないので、部員にとってとても貴重な経験でした。冗談を交えながらも説得力のある教え方が印象的で、普段とは異なる視点を教わり、こういう考え方もあるのかと驚かされることが多くありました。

 

 

 ――最後に、読者へのメッセージをお願いします。

 

九州の強豪校との差はまだありますが、着実に力はついてきていると感じています。自分たちの代で得た経験を後輩にもつなぎ、次の大会ではさらに上を目指してほしいです。全員が揃う日は少なくても、その時々の人数でできることを工夫しながら、チーム一丸となって九州1位を目指していきます。応援してくださっている方々にも、ぜひ今後の試合結果に注目していただけたら嬉しいです。

 

授業の都合で全員が揃う日は限られていても、空き時間を共有し、その日の人数に合わせて練習内容を変えることで、日々の練習機会を確保し、応援がそのまま結果につながる一体感を築いてきた熊本学園大学ソフトテニス部。スポンサー企業との交流を通じて芽生えた責任感や、人見知りだった学生が同期の背中を見ながら少しずつ輪を広げていった経験は、限られた環境の中でも、自分たちで工夫を重ねることの大切さが伝わります。上級生から下級生へ運営業務を段階的に引き継ぐ仕組みも、組織の持続力を支えています。

 

熊本学園大学ソフトテニス部

女子主将:小川千穂

男女合わせて多くの部員が所属し、、男女比はおよそ7対3。男子監督・女子監督・総監督の3人体制で指導を受けている。企業からのスポンサー支援も受けながら、春季リーグでの優勝による「王座」出場と、九州地区での優勝を目標に活動している。