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未経験者だけで挑む氷上の格闘技。OBの想いを背負い掴む勝利へ——名古屋大学アイスホッケー部

少人数かつ全員が未経験から競技を始める環境の中で、着実に成長を続けている名古屋大学アイスホッケー部。現在は14名で活動しており、深夜0時から2時という限られた時間の中で練習を重ね、七大戦での1勝と愛知県学生リーグでの2勝を目標に掲げています。

アイスホッケーは用具費などの金銭的な負担が大きく、さらに深夜練習という特殊な活動形態もあるため、これまで部員不足やモチベーション維持といった課題にも直面してきました。

それでも、一人ひとりが大きな役割と責任を持ち、対話や動画ミーティングを通じてチームの意思をそろえながら、組織を支えてきました。

人数が少ないからこそ、学年を超えたフラットな関係性と、一人ひとりがチームを自分ごととして考える意識が根付いています。今回は、未経験者だけで構成されるチームがどのように組織をつくり、壁を乗り越えてきたのか、その歩みについてキャプテンの國貞直央さんにお話を伺いました。

 

 

——貴団体について概要を教えてください。

 

現在は、プレイヤー10名、マネージャー4名の計14名で活動しています。人数が少ないからこそ、良い意味で上下関係が強すぎず、4年生と2年生が一緒に食事に行くなど、とてもフラットな雰囲気のチームです。

練習は月・水・金のうち週2回、名古屋市港区のスケートリンクを貸し切って、深夜0時から2時まで行っています。

目標は、12月に開催される七大戦で1勝すること、そして秋の愛知県学生リーグで2勝することです。愛知県学生リーグには、愛知医科大学や中京大学、南山大学、名古屋工業大学など、実力が近い大学が多く、一戦一戦がとても重要な戦いになります。

私たちは決して人数の多いチームではありませんが、その分、一人ひとりの役割と責任は大きく、全員が自分ごととして日々の練習に向き合っています。少人数だからこそ、プレー面での連携だけでなく、チーム内のコミュニケーションも取りやすく、一体感の強さは大きな強みです。

また、限られた練習時間の中で最大限成長できるよう、練習前後のミーティングや動画での振り返りにも力を入れています。

 

 

——未経験からアイスホッケーに惹かれた理由は何ですか?

 

私自身、小学校からずっとテニスを続けてきましたが、大学では何か新しいことに挑戦したいという思いがありました。新歓で先輩たちの試合を見たとき、そのスピード感と迫力に圧倒され、初めて競技そのものに「かっこいい」と心を動かされたことがきっかけです。

全員が未経験からここまで動けるようになると聞き、自分もその一員として挑戦してみたいと思いました。

また、深夜練習という特殊な環境も、私にとっては大きな魅力でした。最初は驚きましたが、深夜に活動するスタイルに大学生ならではの特別感を感じましたし、夜の時間を使うことで、日中はアルバイトや学業に集中できると考えました。

実際に、練習後は車に分かれてラーメン店やマクドナルドへ向かい、何気ない日常の話から真剣なプレーの振り返りまで、気づけば朝6時まで話し込んでいることもあります。こうした車の中での時間が、学年を超えた信頼関係やチームの結束力を深める大切な時間になっていると感じています。

 

——部員不足という壁をどのように乗り越えましたか?

 

私が2年生の頃は部員数が少なく、単独チームとして試合に出場できるかどうか、ぎりぎりの状況でした。競技の特性上、用具費などの金銭的な負担が大きく、深夜練習という特殊な活動形態もあります。特に大会がない時期は目標を見失いやすく、モチベーション低下が退部につながってしまうこともありました。

そんな苦しい時期を支えてくれたのは、当時の先輩やキャプテンが持ち続けていた「このチームで勝ちたい」という強い思いでした。どんな状況でも気持ちを切らさず、前向きにチームを引っ張ってくれたからこそ、今の3年生や4年生にも、「自分たちがチームを支えなければならない」という強い責任感が根付いています。

また、部員が離れてしまわないよう、一人ひとりと個別に食事へ行き、悩みや不安を丁寧に聞くなど、継続的にフォローを行ってきました。そうした日々の対話の積み重ねが、チーム全体のモチベーション維持につながっていると感じています。

 

 

——限られた練習時間の中で、どのように成長を促していますか?

 

オフシーズンでも目標を見失わないよう、月ごとに目標を設定しています。特に私たちはスケート技術の向上が大きな課題なので、「今月中にリンク1周を何秒で滑れるようになる」「この月までに特定の技術を身につける」といった、具体的で分かりやすい目標を立て、日々の練習の指標にしています。

また、全員が未経験から始めているため、氷上での練習だけでは戦術を十分に共有することが難しいという課題もありました。そこで、週に1回、大学の教室を使ってビデオミーティングを行っています。

マネージャーが撮影した練習や試合の映像を見ながら、先輩が後輩に動き方を教えたり、後輩が事前にメモしてきた疑問を質問したりできる場をつくっています。個人のスキルだけでなく、チーム全体で考え方や動きをそろえることが大切だからこそ、このミーティングを通じて共通認識を深めています。

 

——チームスポーツを通してどのような学びを得ましたか?

 

高校まで続けてきた個人競技では、自分が努力すればそのまま結果につながることが多かったのですが、チームスポーツでは全員が同じ方向を向かなければ結果にはつながらないことを強く実感しました。

その中で、自分が理解している戦術や動きを、競技経験の浅い後輩にどうすれば分かりやすく伝えられるかを強く意識するようになり、「言葉で伝える力」の大切さを学びました。

私が下級生だった頃には、当時の先輩が動画の該当秒数を示しながら改善点をまとめた資料や、パワーポイントを使った分かりやすいミーティング資料を用意してくれていました。そうした真摯な姿勢に大きく影響を受け、自分が先輩になった今は、同じように後輩へ還元したいという思いで実践しています。

相手の立場や理解度に合わせて伝える力、そしてチーム全体のモチベーションを保ち、高めていく力は、この活動を通して得た大きな財産だと感じています。

 

 

——組織としての変化や後輩たちの成長をどう感じていますか?

 

下級生の成長と主体性には、大きな変化を感じています。先日行ったホッケー体験イベントには約80名の参加者が集まりましたが、その際は新歓担当の下級生たちが中心となって動いてくれました。分単位で細かくタイムスケジュールを組み、運営資料も作成し、怪我人を出すことなくスムーズにイベントを進めてくれました。

人数が少ないからこそ、「先輩がやってくれるから大丈夫」ではなく、「自分が動かなければチームが回らない」という意識が、一人ひとりにしっかり根付いていると感じています。

また、上級生が細かく指示を出さなくても、下級生自身が課題を見つけて考え、組織を動かしていく姿勢が自然と育っています。その姿を見て、とても頼もしく感じますし、チーム全体が良い方向に成長していることを実感しています。

 

 

——いつも応援してくださっている方々へのメッセージをお願いします。

 

まず、新入生の皆さんへ。アイスホッケーはスピード感があり、展開が目まぐるしく変化する、非常に魅力的なスポーツです。加えて、ボディコンタクトの迫力もあり、他の競技にはない面白さがあります。実際に、運動に自信のなかった文化部出身の部員も活躍しています。未経験からでも一歩踏み出せば着実に成長できる環境ですので、ぜひ恐れずに一度体験に来ていただければと思います。

そして、OB・OGの皆様へ。夏合宿や七大戦での遠征に加え、80名規模の新歓イベントにおけるスティックの貸し出しなど、日頃より多大なるご支援を賜り、心より感謝申し上げます。皆様のご支援が決して当たり前のものではないという感謝を胸に、日々氷上に立っています。

ここ数年は、結果という形で十分に恩返しできていない現状があります。今年は、まず一勝を確実に掴み取り、皆様に良いご報告ができるよう、部員一同全力で練習に励んでまいります。今後とも温かいご支援、ご声援をよろしくお願いいたします。