お問い合わせ

部活の思いをつなぎ、挑戦を後押しする組織へ——大阪大学体育会本部

大阪大学体育会本部は、大阪大学の体育会系部活を支援・統括しています。阪名戦や七大戦の運営、新入生向け機関誌の発行、援助金の配布、各部活が課題を共有する場づくりなどを通じて、各部の活動を支えています。本部の学生は各部活から派遣されており、所属部活での活動と並行して体育会全体の運営に携わっています。そのため、各部の状況や課題をくみ取りながら、部活同士をつなぐ役割も担っています。今回は、委員長の座間陽大さんに、体育会本部の役割や、部活同士をつなぐ取り組みについて伺いました。

 

 

——大阪大学体育会本部について、概要を教えてください。

 

私たちは、大阪大学の体育会系部活を支援・統括する学生組織です。分かりやすく言えば、中学や高校にある生徒会のように、体育会全体を支える学生自治組織に近い存在です。

主な役割は、各部活のサポートや定期戦の運営です。名古屋大学との阪名戦や、旧帝国大学の7大学で行われる全国七大学総合体育大会、いわゆる七大戦にも関わっています。大阪大学が主管校となる年には、会場調整や大会運営など、裏方として担う業務が増えます。

また、新入生向けに体育会系部活を紹介する機関誌を発行しているほか、会費や企業からの広告費をもとに、各部活へ援助金を配布しています。外からは活動内容が見えづらい組織ですが、体育会に所属する部活がより活動しやすい環境を整えることが、私たちの大きな役割です。

 

——活動体制や日々の業務について教えてください。

 

体育会本部は、各部活から派遣されたメンバーで構成されています。任期は、1年生の秋から4年生の夏までの約3年間です。現在は2年生から4年生を中心に、約45人で活動しています。

組織は、総務局、競技局、企画広報局、会計局、渉外局の5つに分かれています。

総務局は体育会OB・OGとのやり取りや会員証の管理、競技局は阪名戦の運営を担当しています。

企画広報局は、機関誌の発行やInstagramの運営を担っています。

会計局は、大学の事務の方と連携しながら、援助金の管理など主にお金に関わる業務を担当しています。また、機関誌に広告を出してくださる企業とのやり取りも行っています。

渉外局は、他大学が主管校となる七大戦の運営支援や、関係者との連絡を担っています。

 

——座間さんが体育会本部に入ったきっかけを教えてください。

 

私は体育会本部の他に、空手道部に所属しています。空手道部に入部した後、私が1年生だった年に、体育会本部への派遣メンバーを決めることになりました。新入生の中から本部員を選ぶ必要があり、私が手を挙げました。

大きなきっかけは、3学年上の先輩が体育会本部の委員長を務めていたことです。その先輩から本部の仕事について話を聞く中で、大変なことは多いものの、とても興味深い活動だと感じていました。

体育会本部に入ると、空手道部と本部の両方に関わることになるため、忙しくなることは分かっていました。それでも、他大学の体育会本部の方、OB・OGの方、企業の方など、部活だけではなかなか出会えない人たちと関われる点に魅力を感じました。

体育会本部は学生組織でありながら、局ごとに役割を分担し、学内外の人と連絡を取りながら活動する組織です。そうした経験を学生のうちに積めることは、自分自身の成長につながると考え、挑戦してみようと決めました。

 

——活動のやりがいはどんなところにありますか。

 

一番のやりがいは、所属部活だけでは出会えない人と関われることです。空手道部に所属しているだけでも、先輩や後輩、他大学で同じ競技に取り組む方々と関わる機会はあります。しかし、体育会本部では、そこからさらに関わりの幅が広がります。

大阪大学の体育会本部として、他の旧帝国大学6大学の学生と関わる機会があります。また、私は委員長を務めているため、大学職員や企業の方、OB・OGの方々と話すこともあります。

こうしたつながりは、授業や所属部活だけではなかなか得られないものだと感じています。関わる相手が増える分、自分の考えを伝えたり、意見を調整したりする場面も多くなります。大変さはありますが、伝える力や調整する力を学べることが、体育会本部で活動する大きなやりがいです。

 

 

——活動で難しさを感じることは何ですか。

 

一番難しいのは、多様な立場の方との認識を合わせることです。体育会本部では、学生同士だけでなく、大学職員や企業の方など、さまざまな立場の方と連絡を取る機会があります。相手によって前提や受け取り方が異なるため、自分では意図を伝えたつもりでも、十分に伝わっていないことがあります。特に文面だけのやり取りでは、細かなニュアンスまで伝えきれない難しさを感じています。

また、大阪大学の体育会にはおよそ60団体の部活があります。それぞれの部活の主務の方とやり取りをするため、連絡の量も自然と多くなります。多くの相手に正確に情報を届ける必要がある分、伝え方が少し不十分なだけでも、認識のずれが生まれてしまうことがあります。

日々の活動を通じて、相手に伝わる伝え方の重要性を実感しています。どうすれば相手に伝わりやすいかを考えながら、今後も改善を重ねていきたいと思っています。

 

——委員長として大切にしていることを教えてください。

 

明確なスローガンを定めているわけではありません。ただ、委員長になってから意識しているのは、体育会本部を少しでも前向きな組織にすることです。

体育会本部は、各部活から派遣されたメンバーで成り立っています。自分から手を挙げて入る人もいますが、部活の事情で派遣される人もいます。そのため、全員が最初から同じ熱量で活動に向き合える組織ではありません。

加えて、私が入ったころはコロナ禍の影響でオンラインでの活動も残っていました。同じ学年のメンバー同士でも、実際に顔を合わせる機会が少なく、関係性をつくりにくい状況がありました。

そうした背景があるからこそ、体育会本部に関わることで、少しでも前向きな気持ちになってもらえる組織にしたいと考えています。私が目指す「楽しい」とは、気楽に過ごすことではなく、自分たちの活動が部活の役に立ったと実感できる組織です。そうした目的意識が、結果として本部の活動を楽しいものにしていくのだと思っています。

 

 

——部活同士をつなぐための取り組みを教えてください。

 

今年度は新歓期に「マイナースポーツイベント」を初めて開催しました。目的は、新入生と部活の接点を増やすことです。一般的な新歓活動では、ビラを配るだけで終わってしまうこともあります。そこで、マイナースポーツと呼ばれる競技や、大学の部活としては新入生に活動内容が伝わりにくい競技について、より詳しく知ってもらえる場をつくりたいと考えました。

当日は、アイスホッケー、フィールドホッケー、航空部、ヨット部、ゴルフ部などに声をかけました。ゴルフのように競技自体は広く知られていても、大学の部活としては、サッカー部や野球部ほど新入部員が多いとは限りません。そのような新入生に活動内容が伝わりにくい部活にも参加してもらい、それぞれの活動を直接紹介できる機会をつくりました。

当初は、100人ほどの参加を想定していましたが、実際には想定を上回る新入生が参加してくれました。参加した部活からも、自分たちの活動を新入生に見てもらえてよかったという声をいただきました。

 

——体育会本部として統括する、七大戦について教えてください。

 

七大戦は、大阪大学だけで完結する大会ではなく、旧帝大の他大学や各競技の部活との連携が欠かせない大きな大会です。主管校を務める際には、競技会場の調整や関係者との連絡など、多くの準備が必要になります。

準備を進めるうえで難しいのは、主管校としてのノウハウが、十分に引き継がれていない部分があることです。前回の大阪大学主管開催はコロナ禍の影響を受けたため、実際の運営に携わる機会が限られていました。過去の資料は紙で残っているものが多く、現在のようにクラウド上で一括管理されていたわけではありません。そのため、まずは過去の資料を確認し、必要な情報を整理するところから進めています。

資料だけでは分からないこともあります。そうした場合は、過去に運営に関わっていたOB・OGの方に、当時の状況を伺うこともあります。特に、施設の利用調整や進行方法などは細かな確認が必要になるため、経験者から話を聞くことが重要だと感じています。

七大戦は、多くの大学や競技団体が関わる大会です。だからこそ、認識のずれが生まれないように、丁寧な連絡と情報共有を心がけながら準備を進めていきたいと考えています。

 

 

——いつも応援してくださっている方々へのメッセージをお願いします。

私たち体育会本部は、外から見ると活動内容が分かりづらい組織だと思います。試合に出るわけではなく、表に立つ機会も多くありません。それでも、各部活が活動しやすい環境を整えるために、運営や調整、発信、資金面でのサポートを続けています。

応援してくださる方々には、まず体育会本部という組織の存在と役割を知っていただけるとうれしいです。大阪大学の体育会には多くの部活があり、それぞれに魅力や課題があります。私たちは、各部活の思いをつなぎ、それぞれの挑戦を支える存在でありたい存在でありたいと考えています。

入部や参加を考えている学生には、体育会本部での経験は所属部活だけでは得にくいものだと伝えたいです。他大学やOB・OG、大学職員、企業の方など、幅広い人と関わりながら、物事を進める力を身につけられる場所です。少しでも興味があれば、ぜひ挑戦してほしいです。