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受け継がれてきた伝統の上で、学生たちが自らつくる新しいチームの形——早稲田大学柔道部

少人数で全国上位を目指しながら、高いレベルでの文武両道と学生主体の運営を大切にする早稲田大学柔道部。1897年に設立された同部は、長い伝統を受け継ぎながら、男子は全国ベスト4、女子は全国ベスト8を目標に掲げています。スポーツ推薦の枠が限られるなか、一般入試や指定校推薦で入学した学生も力を伸ばし、全員で勝ちにいくチームづくりを進めています。SNS発信や高校生向けガイダンスにも力を入れ、競技力だけでなく、部の魅力を外へ届ける活動も広げています。今回は、マネージャーとして副務・会計・広報を担う渡邉愛夏さんに、学生主体の運営やチームの魅力、スポンサー募集に込めた思いを伺いました。

 

——早稲田大学柔道部について概要を教えてください。

 

私たちは、早稲田大学17号館1階の柔道場を拠点に活動しています。練習は月曜日から金曜日の17時15分から19時30分まで行い、土曜日は10時から12時まで実施しています。さらに、週2回は6時から7時まで朝練も行っています。

部員は合計42人です。同じリーグの他大学と比べると人数は多くありませんが、その分、一人ひとりの距離が近く、まとまりのあるチームだと感じています。

私たちが大切にしているのは、勝利だけではありません。高いレベルで柔道に取り組みながら、大学生活を充実させることや、チームビルディング、人格形成も大切にしています。全員に柔道部愛があり、大学の友人より柔道部の仲間と過ごす時間の方が長い部員も多いと思います。

 

——チームの目標を教えてください。

 

チームの大きな目標は、男子が全国ベスト4、女子が全国ベスト8に入ることです。団体戦の主要な大会が2つあり、どちらの大会でもこの目標の達成を目指しています。

団体戦の主要大会には、体重に関係なく戦う「全日本学生柔道優勝大会」と、各階級の選手が出場する「全日本学生柔道体重別団体優勝大会」があります。大会ごとにルールは異なりますが、いずれにおいても上位進出を狙えるチームを目指しています。

直近の成績を踏まえると、簡単に達成できる目標ではありません。それでも、部員全員で話し合いを重ね、現実的でありながら本気で挑戦できる目標として設定しました。

 

——目標に向けて、練習ではどのような工夫をしていますか?

 

私たちは、練習メニューを学生主体で考えています。ミーティングでは、どのような練習をすれば強くなれるのかを部員全員で話し合いました。息を上げるトレーニングを取り入れることや、試合を想定した強度の高い練習を増やすことなど、具体的な内容まで議論しています。

全員で練習メニューを考えることで、責任感が生まれると感じています。自分の意見が練習に反映されるため、やらされているのではなく、自分たちでつくっているという意識を持って取り組めます。

技術面だけでなく、体力や粘り強さ、最後まで諦めない姿勢を練習から身につけることを重視しています。試合では、最後まで粘れるかどうかが結果に直結します。そのため、日々の練習から試合を意識して取り組むことを大切にしています。

 

 

——学生主体で運営する大変さと面白さを教えてください。

 

学生主体だからこそ責任は大きいですが、自分たちで考えて動くからこそ、部を自分たちでつくっている実感があり、そこに面白さを感じています。

早稲田大学柔道部は、学生主体で動く部分が多いチームです。監督はOBが務めてくださっていますが、仕事と両立されているため、平日に毎日練習を見ていただけるわけではありません。主に土曜日を中心に指導していただいています。加えて、コーチの方々もOB・OGで、平日も仕事後に駆けつけてくださいます。

そのため、日々の練習メニューは学生が主体となって考えています。トレーニングメニューは学生トレーナーが作成し、朝練も学生トレーナーが運営しています。合宿の計画は監督に相談することもありますが、費用の管理は学生が担っています。

私は副務、会計、広報を担当しています。大会の申し込み連絡は学生に届くため、対応を怠ると部員が試合に出られなくなる可能性があります。会計としてお金を管理する中で、資金の使い方によって部員の行動や活動の幅が変わることを実感しました。

責任の重さはありますが、自分たちで考え、行動し、部を運営していく経験は大きなやりがいにつながっています。

 

——人数を増やすために取り組んでいることはありますか?

 

私たちは、SNSでの発信と高校生向けガイダンスに力を入れています。早稲田大学はスポーツ推薦で入学できる人数はごく少数に限られています。そのため、柔道を続けたい高校生に入部してもらうには、一般入試や指定校推薦で入学する学生にも柔道部の存在を知ってもらう必要があります。

年に2回、春と夏に高校生向けガイダンスを開催しています。そこでは、早稲田大学の入学方法や大学生活、柔道部の活動内容について説明しています。最近は、300校から400校ほどの高校にガイダンスの案内資料を送付しています。

さらに、近隣の高校や進学校に足を運び、早稲田の魅力を直接伝える活動も始めました。競技実績だけでなく、勉強にも取り組みながら柔道を続けたい高校生に、早稲田大学柔道部を進路の選択肢として考えてもらいたいと思っています。

 

 

——SNSではどのような発信をしていますか?

 

SNSでは、早稲田大学柔道部の認知を広げることを目的に発信しています。流行しているコンテンツも取り入れながら、柔道部の魅力が伝わる投稿を意識しています。

最近は、Vlog形式の動画や、部員全員で撮影する短尺動画などを投稿しています。柔道部には厳しいイメージを持たれることもありますが、実際には明るく活気のある雰囲気です。そのギャップも含めて、日常の様子を知ってもらいたいと考えています。

今後は、一般入試や指定校推薦で入部した部員に、どのように勉強して早稲田に入学したのかを紹介する投稿も検討しています。勉強法や大学生活の魅力を伝えることで、柔道と学業の両立を目指す高校生の参考になればうれしいです。

 

——長く受け継がれてきた伝統は、今のチームにどう生きていますか?

 

私たちが伝統を強く感じるのは、早稲田柔道クラブ(OB・OG会)の存在です。毎年、新入生歓迎会や4年生会、早慶戦に関わる会などがあり、そこには多くのOB・OGの方々が来てくださることもあります。現役部員と積極的にコミュニケーションを取ってくださり、飲み物や補食、プロテインなどの差し入れもいただいています。

資金面でも、OB・OGの方々には大きく支えていただいています。大学からの支援もありますが、それだけでは活動を十分に広げることはできません。柔道は同じ道場での練習だけでは強くなりにくく、さまざまな相手と組むためには遠征や合宿が欠かせません。

OB・OGの方々の支えがあるからこそ、私たちは多くの合宿や遠征に参加できています。129年の伝統は単なる歴史の長さではなく、卒業後も現役を支え続けてくださるつながりとして、今も受け継がれていると感じています。

 

 

——チームの雰囲気がよいと感じた出来事はありますか?

 

東京都学生の団体戦は、チームの雰囲気のよさが表れた試合だったと思います。男子は中央大学と対戦しました。相手は早稲田より体格の大きい選手が多く、周囲からは中央大学が有利と見られていたかもしれません。

それでも、体重差が20kgや30kgある相手に対して、早稲田の選手が引き分けに持ち込む場面がありました。全員が本気で考え、工夫しながら戦った結果、勝利につなげることができました。誰か一人の力ではなく、チーム全員で勝ちにいった試合だったと思います。

女子も、5人制の団体戦で全員が引き分け、代表戦にもつれ込む試合が続きました。くじ引きで選ばれた選手が勝利し、最終的に3位に入ることができました。誰一人諦めなかったことが、この結果につながったのだと思います。

 

——印象に残っている活動はありますか?

 

印象に残っているのは、韓国合宿が、とても印象に残っています。合宿は長期間にわたり、集中的に練習を行いました。

選手たちは朝から練習に取り組み、柔道着は乾きにくいため、私はコインランドリーで毎日洗濯をしていました。食事の時間を連絡したり、練習以外の部分を支えたりすることも、マネージャーとしての大切な役割でした。

大変な合宿ではありましたが、選手たちを支えられたことにやりがいを感じました。夜の自由時間には、みんなで韓国の街に出かけたり買い物をしたりすることもありました。練習では厳しく取り組み、自由時間には一緒に楽しむ。その両方があることで、チームとしての距離がより近くなるのだと思います。

 

 

——早稲田大学柔道部らしさは、どのようなところに表れていますか?

 

早稲田大学柔道部らしさは、自分で努力する人が強くなるところだと思います。強豪校の中には、オリンピック選手だった方が監督を務めていたり、強い選手が多く集まる環境もありますが、早稲田はそうした環境が常にあるわけではありません。

だからこそ、自分で考えて努力することが求められます。練習以外の時間にジムを契約してトレーニングする選手もおり、自由な時間を使って自分の課題に向き合う姿勢が大切になります。そうした積み重ねが、結果につながっていると感じます。

文武両道の環境でも全国上位を目指せるチームだと思っていただけることは、とてもうれしいです。勉強と柔道の両方に向き合いながら、自分で努力して勝つ。それが推薦・内部・一般が融合して皆で取り組むことが早稲田らしさでもあると思います。

 

——スポンサー募集には、どのような背景がありますか?

 

私たちは現在、スポンサーを募集しています。柔道部の活動には多くの費用がかかり、短期間の合宿でも大きな費用が必要になることがあります。より充実した環境で活動するためには、安定した資金の確保が欠かせません。

これまでもOB・OGの方々からの寄付に大きく支えていただいていますが、ご寄付はありがたい一方で、年度や状況によって変動があります。

スポンサーとして継続的に支えてくださる企業の方とつながることができれば、より安定した活動環境を整えられると考えています。

また、早慶戦の開催にも費用がかかります。柔道の聖地である講道館の使用料に加え、グッズやパンフレットの制作費なども必要です。これらも主にOB・OGの方々に支えていただいていますが、企業の方にも応援していただければ、活動の幅をさらに広げていけると思っています。

 

 

——いつも応援してくださっている方々へのメッセージをお願いします。

 

いつも早稲田大学柔道部を応援してくださっている皆さま、本当にありがとうございます。OB・OGの方々をはじめ、多くの方の支えがあるからこそ、私たちは合宿や遠征に参加し、全国上位を目指して活動できています。

私たちは、応援される部活を目指して日々取り組んでいます。SNSでの発信にも力を入れており、継続的な投稿を続けています。柔道部の雰囲気や部員の取り組みを知っていただけると思いますので、ぜひ一度ご覧いただけるとうれしいです。

入部を考えている学生には、柔道部は、競技に本気で向き合いながら、仲間と支え合える場所であり、大学生活の中で多くの経験や思い出を得られる場所だと伝えたいです。スポーツ推薦だけでなく、一般入試や指定校推薦で入部した部員も、それぞれ努力を重ねて力を伸ばしています。柔道を続けたい方や、学業と競技の両立に挑戦したい方には、ぜひ早稲田大学柔道部を選択肢の一つとして考えていただきたいです。