透明性の高い運営でラオスの教育に貢献する——学生国際協力団体関西SIVIO
2007年に同志社大学の学生によって創設され、現在は関西・関東・東海の3支部体制で活動する国際ボランティア団体、SIVIO。彼らのミッションは「学生間にチャリティムーブメントを起こす」ことです。ラオスの教育支援に特化する同団体は、学生組織としては異例の徹底した資金管理と、ゼロから企画をつくり上げる行動力で、支援者から厚い信頼を得ています。今回はSIVIO関西支部代表の松浦さんにお話をお伺いしました。

——支援金を厳格に守る二重通帳管理
関西SIVIOの大きな特徴は、財務管理の透明性にあります。多くのボランティア団体において、集まった資金の使い道が不透明になりがちな中、彼らは「活動費」と「支援費」の通帳を物理的に分けて管理しています。自らの渡航費やイベント運営にかかる経費である活動費は、メンバー自身のお金やイベントでの収益で賄います。一方で、募金活動やチャリティイベントで集まったお金は支援費として、全額をラオスの教育支援に充てています。支援金には一切手をつけないという明確なルールが、企業や個人からの寄付を募る際の信頼基盤になっています。
その結果、半年に一度、3支部合計で約80万の支援を実現しています。

——ゼロから挑む、学生主体の事業開発
大学のバックアップを持たないインカレサークルである彼らは、活動資金を自らの手で生み出しています。そのため、SIVIOの活動は単なるボランティアの枠を超え、実践的なビジネススキルを培う場にもなっています。
例えば、11月に行われたイベントでは、マルシェをテーマにした企画を一から立ち上げ、22万円を超える支援金を集めました。
また、企業主催の「エシカルエキスポ」などの外部イベントにも積極的に参加し、ラオスビールの販売などの物販を通じて支援金を生み出しています。
企画立案から集客、販売、そして収支管理までを学生だけで完結させる経験は、メンバー一人ひとりに強い当事者意識と、自ら動いて成果をつくる力が確実に育まれています。

——現地を知るからこそ生まれる、本質の支援
彼らの活動の原動力は、実際にラオスへ足を運ぶスタディツアーです。年に2回、メンバーの多くが自費でラオスへ渡航し、支援先の学校や子供たちと直接交流します。インフラが整っていない厳しい環境を肌で感じながら、現地の人々の心の豊かさに触れるその経験は、メンバーの価値観を大きく揺さぶります。
日本での当たり前が通用しない現実を知ることで、彼らは「なぜ支援が必要なのか」を自分ごととして捉え、帰国後の募金活動やイベント運営に対する熱量を高めています。支援金を届けるだけでなく、現地の子供たちとの交流を重視する姿勢が、SIVIOの支援に温かみを与えています。

——最後に
「学生間にチャリティムーブメントを起こす」という設立当初の理念が、今や学生の枠を超え、地域や企業を巻き込む活動につながっています。ラオスの子供たちの笑顔のために、地道な募金活動から大規模イベント運営までを全力でやり切る関西SIVIO。彼らのまっすぐな行動力は、ラオスの未来だけでなく、日本社会にも前向きな変化をもたらすはずです。