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“日本一9回”サークルの常識を超える本気の挑戦──同志社大学三つ葉キッカーズ

大学のサッカーサークルと聞くと、「勝敗よりも雰囲気や楽しさを大切にする場」を思い浮かべる人も多いかもしれません。しかし、同志社大学三つ葉キッカーズはそのイメージを大きく覆します。「同好会日本一9回」という実績を誇り、関東の大規模大会でも結果を残し続ける実力があります。週2〜3回の練習に加え、リーグ運営まで主体的に担うなど、その活動はまさに“本気”そのものです。

今回は三つ葉キッカーズに所属する内山さんに、チームの強さの理由、組織としてのこだわり、そして日本一への思いを伺いました。

 

 

——三つ葉キッカーズの概要を教えてください。

 

私たち三つ葉キッカーズは、同志社大学の京田辺キャンパスを拠点に活動しているサッカー同好会です。

現在の部員構成は、1回生が40名、2回生が18名、3回生が18名ほど、さらにマネージャー14名を加え、合計約100名が在籍しています。文理比率はおよそ4対6で、学部を問わず、多様な学生が集まっています。プレイヤーのほとんどはサッカー経験者で、小・中・高と長く続けてきた選手が多いのが特徴です。三つ葉キッカーズの大きな魅力のひとつが、これまでに積み重ねてきた“実績”です。私たちはサッカーサークルの全国大会で日本一を9回獲得しています。関東の大規模大会にも積極的に出場し、関西だけでなく全国レベルで結果を残してきました。

また、同好会ながら活動頻度は高く、学内の人工芝のグラウンドで週2回の練習に加え、練習試合や全国規模の大会にも多数出場しています。部活動のように監督主導ではなく、キャプテンを中心に練習メニューや戦術、メンバー構成まで自分たちで考えるのも特徴です。メンバーには、高校時代に選手権へ出場した選手や全国常連校出身の選手も数多く在籍しています。メンバー構成や練習やプレーの質などを踏まえても、同好会の中ではトップクラスの実力を誇っていると自負しています。

 

 

——三つ葉キッカーズの“強さ”の理由はどこにあるのでしょうか?

 

私たちの強みは大きく3つあると思います。

一つ目は、純粋にポテンシャルがあるプレイヤーが多いことです。三つ葉キッカーズには、先輩からの紹介などを通じて毎年一定数、強豪校出身者やユース経験者が入ってきます。高校時代に全国大会を経験している選手や、長年サッカー一筋でやってきた選手も少なくありません。個々の技術や戦術理解度は同好会という枠を超えて高いレベルにあると自負しています。その“個”の強さがまず土台としてあることは、強さにつながる大きな要素です。

二つ目は、練習の強度と質です。サークルと聞くと、「楽しく紅白戦をするだけ」というイメージを持たれることもありますが、私たちは違います。基礎練習を徹底した上で、今のチームに何が足りないのかを分析し、それに合わせたメニューを自分たちで組み立てています。部活のように監督主導ではなく、キャプテンを中心に選手主体で考えるスタイルです。高校年代までにそれぞれが経験してきた練習を持ち寄ることで、ユニークでありながらも強度の高い、そして課題にフォーカスした練習が実現できています。だからこそ、「サークルの練習」の枠を超えた質を担保できているのだと思います。

そして三つ目が、上下関係の壁がないことです。普段は学年関係なく仲が良く、旅行に行くほどの関係性があります。しかし、ひとたび試合の笛が鳴れば空気は一変します。出場メンバーもベンチも、全員が“勝利”という一点に向かって目の色を変える。後輩が先輩に本気で要求することもありますし、プレーに対してぶつかり合うこともあります。それでも試合が終わればしっかり切り替えられる。このオンとオフの明確なメリハリと、一体感こそが三つ葉キッカーズの組織力であり、強さの根幹です。

 

 

——印象に残っている大会はありますか?

 

2025年9月に行われた「マガジン杯」が、特に印象に残っています。なぜなら、その大会以前に抱えていた、「結果を出す」という壁を越えるきっかけになった大会だからです。大会初日は正直、一体感が足りていなかったと思います。苦しい試合も多く、簡単に勝てる展開ではありませんでした。しかし、試合を重ねるごとに徐々にチームがまとまり始めました。普段あまり声を出さない選手が声を張り上げるようになり、全員が同じ方向を向くようになったんです。

最終的な結果は準優勝と、優勝には届きませんでしたが、「チームが一つになる瞬間」を実感できた大会でした。また、64チームが出場する大規模な大会の中での準優勝は、自分にとってもチームにとっても大きな自信になりました。

 

 

——チームの特徴として、オンとオフの切り替えがはっきりしていると伺いました。詳しく教えてください。

 

三つ葉キッカーズは、オンとオフの切り替えがはっきりしているチームだと思います。メンバーの多くが小・中・高とサッカーを続けてきた選手なので、「やるときはやる」という感覚が身についています。練習や試合では本気でぶつかり合いますし、強度が足りなければ声をかけ合うこともあります。一方で、オフの時間も全力で楽しんでいます。遊びたい、旅行に行きたいという気持ちももちろんありますし、そこは大学生らしく楽しんでいます。

特別なルールで切り替えているというよりは、個々が自覚を持っている部分が大きいかもしれません。メンバーの気持ちが入っていないと感じたときは、私が声を出して練習の雰囲気を引き締めるように意識しています。現在の活動スケジュールは、主に月曜日と木曜日の週2回の練習に加えて、練習試合が入ると週3回の活動になります。大会が近づくと、チームとしての完成度をさらに高めるために、個別に声をかけることもあります。細かな戦術のすり合わせや認識の統一を図ることで、より実戦に近い質の高い練習につなげています。

 

——サークル内の役割分担などはありますか?

 

チーム内では、最上級生を中心に、キャプテン1名と副キャプテン2名が中心となって、チーム全体をまとめています。さらに、競技面での指導や戦略立案などの役割は、京都の社会人リーグに所属しているメンバーが担っています。

また、私たちは日本一決定戦へとつながる大会の運営や調整なども中心となって関わっており、競技面以外でも重要な役割を担っています。サッカー面以外でも、イベントを担当するチーフなどがいて、さまざまなメンバーが役割を持ちながらサークル全体の活動を支えています。

 

 

——現在直面している課題と、その対策について教えてください。

 

現在私たちが直面しているのは、資金面の課題です。私たちは大会への出場数が多く、中には関東遠征などもあるため、移動費や参加費の負担が大きくなりがちです。大会自体はとても意義があり、学びも多いのですが、資金面の理由で参加できない選手が出てしまうこともあります。バイトとの両立が難しいメンバーもいる点は、まさに苦労している部分です。

これまではスポンサー企業様とのつながりがなかったのですが、今後は複数のスポンサー様と関わりを持つことで、資金面のサポートを得られたらと考えています。選手の会費だけでは補いきれない部分を、企業様の力を借りながら支えていただけるような形を目指しています。三つ葉キッカーズを応援してくださる企業や団体と連携し、より安定した活動環境を整えていきたいと思っています。

 

——今後の目標を教えてください。

 

一番の目標は、日本一を獲ることです。私たちはこれまでにサークル日本一を9回達成しており、その証としてエンブレムには星が刻まれています。その歴史を途切れさせず、さらに星を増やすことが大きな目標です。2026年のチームは、2025年と比べると、フィジカルの強い選手が揃っているというよりも、「上手い選手」が多い印象があります。そのため、今年は“綺麗なパスサッカー”をコンセプトに、技術で崩すチームを目指したいと考えています。

また、チームとしての完成度を高めることも課題です。新チームが始動してまだ間もないこともあり、練習の質や一体感という点では、まだ発展途上の部分もあります。ただ、向上心の高い選手が多いのは三つ葉キッカーズの強みですので、これから強みを伸ばしていくことを意識していきます。

 

 

——最後にメッセージをお願いいたします。

 

私たち三つ葉キッカーズは、サークルでありながら、本気で日本一を目指しているチームです。これからも、歴代の先輩方が築いてきた歴史を大切にしながら、さらに星を増やせるように挑戦を続けていきます。もし三つ葉キッカーズの活動に少しでも興味を持っていただけたら、ぜひ応援していただけると嬉しいです。本気でサッカーを楽しみ、本気で日本一を目指す。その姿勢を、これからも貫いていきます。

本気で勝利を目指し、意見をぶつけ合い、自分たちで組織を動かす。その経験は、きっと社会に出てからも生きる力になるはずです。仲間と本気で何かに挑み続けた時間こそが、これからの人生の土台になる。三つ葉キッカーズの挑戦は、ピッチの外へもつながっていくと感じました。

 

執筆:青木千奈(株式会社Koti)