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紺色の声援を力に変えて。LIONSが挑む九州制覇への道——福岡教育大学アメリカンフットボール部

福岡教育大学アメリカンフットボール部LIONSは、選手のほぼ全員が大学から競技を始めています。現在は、九州学生リーグの秋季リーグ戦で全勝し九州制覇することを目標に掲げ、日々の練習に取り組んでいます。

同部の特徴は、マネージャーやアナリストなどスタッフの役割を細分化し、選手が競技に集中できる体制を整えていることです。教育実習によって練習に参加できる人数が少なくなるという教育大学ならではの課題にも、映像共有などで対応しています。

地域のお祭りに参加するなど、周囲から応援される組織づくりにも力を入れています。今回は、活動の背景や課題への向き合い方について、主将の谷崎幹晟さんに話を聞きました。

 

 

——福岡教育大学アメリカンフットボール部LIONSについて概要を教えてください。

 

私たちは2026年現在、九州学生アメリカンフットボール連盟の1部リーグに所属しています。2025年の秋季リーグ戦は、3位という結果でした。2026年は秋季リーグ戦で全勝し、九州制覇を達成することを目標にしています。

現在の部員数は約70名で、文系と理系の割合はおよそ4対1です。活動日は週5日で、平日は火曜日から木曜日の夕方、土日は午前中にグラウンドで練習しています。部員の多くは教員を目指す学生です。

選手のうち、高校までにアメリカンフットボールを経験していたのは1名のみで、それ以外の選手は、大学からアメリカンフットボールを始めました。そのため、チーム全体で身体づくりなどの基礎を重視し、未経験者でも段階的に競技に慣れていけるようにトレーニングを行っています。

 

 

——競技面でのチームの特徴や強みは何ですか?

 

一つは、指導者やスタッフの体制が整っており、選手が競技に集中できる環境が整っていることです。

スタッフ組織は、マネージャー、ストレングス、アナリストの3部門に分かれています。マネージャーは練習の準備やチーム運営を支え環境を整えるだけでなく、チームのファイナンス面を管理したり、SNS運用などマーケティングも積極的に推進しています。ストレングスは、選手の身体のケアを行うメディカル担当と、日々のコンディションを見ながら練習メニューの強度を調整するトレーナーで構成されています。アナリストは、練習や試合の映像を確認し、データ分析やプレーの改善点を整理する役割を担っています。

こうしたスタッフの支えがあるため、選手は身体づくりなどの基礎から、競技に必要な専門的な動きまで段階的に身につけることができています。

もう一つの強みは、コーチと選手の連携が取れていることです。オフェンスとディフェンスの各リーダーがコーチ陣とこまめに連絡を取り、プレーの確認やサインの作成を行っています。そのため、試合中も選手がコーチの意図を理解したうえで、判断やプレーに反映しやすいです。

 

——アメフト未経験の選手をどのように育成していますか?

 

アメリカンフットボール未経験の選手ばかりで、高校までウエイトトレーニングの経験がない部員も少なくありません。そのため、まずは基礎的な身体づくりを重視しています。

ストレングス部門のスタッフや、コーチのサポートのもとトレーニングに励むとともに、ベンチプレスやスクワットの最大挙上重量、40ヤード走のタイムを毎月測定しています。成長をこまめに数値で確認する機会を設けることで、選手が自分の変化を実感しやすくなり、トレーニングへの意欲にもつながっています。

アメリカンフットボールは激しい接触を伴う競技です。身体を鍛えることは、けがのリスクを抑えるだけでなく、初心者が感じやすい接触への不安を軽減することにもつながります。未経験者が多いチームだからこそ、技術の指導だけでなく、安全にプレーするための土台づくりを大切にしています。

 

 

——教育大学ならではの課題があれば教えてください。

 

秋のリーグ戦の時期に、多くの3年生が教育実習に参加し、練習に参加できなくなるという難しさがあります。教育実習は大学のカリキュラム上不可欠なもので、課外活動の都合で時期を変えることはできません。そのため、チームとして最も力を入れたい時期に主力の3年生が不在となり、練習参加人数が減ることで、試合を想定した練習の質を高めることが難しくなってしまいます。

この課題に対応するため、練習動画をクラウドにアップロードし、部内で共有しています。実習中のメンバーも動画を確認できるため、チームの状況を把握したうえで後輩に個別でアドバイスを送るなど、全員がグラウンドに揃わない時期でも、映像を通じて課題を共有し、練習の質を維持できるよう工夫しています。

 

——チームの雰囲気や、所属する学生の特徴を教えてください。

 

教員を目指す学生が多いこともあり、子どもと関わることが好きな部員が多いです。普段の練習に向かう途中で子どもたちとすれ違うと、自然と手を振る部員も多く、明るく和やかな雰囲気があります。人と関わることが好きな学生が多い点も特徴です。上級生は教育実習などを通じて人に教える経験を積んでいるため、後輩へのアドバイスや技術の言語化を得意としています。こうした関わりが、チーム全体の競技力の底上げにもつながっています。

新入生が入部した際も、上級生から積極的に話しかけるため、早い段階でチームに馴染みやすい環境があります。学年を問わず質問や意見を言いやすい関係性があり、練習中の声かけや改善にもつながっています。先輩と後輩の距離が近く、風通しの良い雰囲気がチームの強みです。

 

 

——これまでの試合で特に印象に残っている出来事は何ですか?

 

2025年の秋季リーグ最終戦で、それまで何年も勝てていなかった福岡大学に勝利したことです。

私が1年生のシーズンは大差で敗れており、勝つイメージすら持てない相手でした。それでも、歴代の先輩方が基礎的な身体づくりや練習の質の向上に取り組み、スタッフ体制も整えてきたことで、年々差は縮まっていました。最終戦前に行った他チームとの合同練習でも手応えを得て、以前とは違って「勝てるかもしれない」という期待を持って試合に臨めました。

当日は、「NAVY PRIDE – 観客席を紺色に染めよう -」という集客企画も実施しました。マーケティング部門のスタッフが中心となり、学生最後の試合となる4年生をフィーチャーしたポスターを作成して学内に掲示したり、チームカラーである紺色の服を身につけて応援してもらうよう呼びかけたりしました。

その結果、過去最多の観客が集まりました。多くの声援を受ける中で先制点を挙げ、最後まで勢いを保って大勝できました。

 

——地域の方々やスポンサー企業とはどのような関わりを持っていますか。

 

私たちの活動には、用具代や遠征費など多くの費用がかかります。そのため今年は、スポンサー獲得にも例年以上に力を入れています。チームの活動内容やご支援いただくことで生まれるメリットを資料にまとめ、企業や店舗に直接足を運んで協賛をお願いしています。

大学がある宗像市の地域行事にも参加しています。地元の方々から依頼を受け、歴史あるお祭りで神輿を担ぐ手伝いをしたこともあります。この活動をきっかけとして、地元の商店街組合の方々が新たにスポンサーになってくださり、地域とのつながりも広がりました。

卒業生との関係づくりにも取り組んでいます。現役部員と卒業生が参加する連絡グループで活動状況を報告し、試合会場にも足を運んでいただきやすい環境を整えています。さらに、教員として働く卒業生を招いての部員向けキャリアセミナーも企画しています。

今後も、地域の方々や卒業生とのつながりを大切にしながら、周囲から応援されるチームを目指していきます。

 

 

——いつも応援してくださっている方々へのメッセージをお願いします。

 

日頃から多大なご支援をいただき、本当にありがとうございます。

我々は九州学生リーグの中でも人数の多いチームとは言えません。それでも、九州制覇という目標に向かって、仲間とともに全力で挑戦を続けています。試合会場では、最後まで諦めずに戦い抜く姿勢や、泥臭く相手にぶつかっていくLIONSらしさを感じていただければ幸いです。

今後も、周囲の方々から応援されるチームであり続けられるよう努力していきます。ぜひ試合会場に足を運んでいただき、私たちの挑戦を後押ししていただけますと励みになります。これからもよろしくお願いいたします。