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体育会昇格を本気で目指すフットサル部の正体——早稲田大学フットサル部

早稲田大学フットサル部は、学生主体の運営と日々の積み重ねを大切にするチームです。2019年9月に設立され、現在は板橋区立赤塚体育館や小豆沢体育館を拠点に活動しています。公式戦への出場に加え、全国大学フットサル新人戦や六大会フットサル選手権の主催など、競技団体であると同時に大会を作る側としても大学フットサル界を支えています。今回は、営業部部長を務める三井健太さんへのインタビューを通して、早稲田大学フットサル部の特徴や大切にしている価値観、学生主体で組織を動かすことの意味、そしてこれからの展望についてお話を伺いました。

 

 

——活動概要について教えてください。

 

早稲田大学フットサル部は、通称「サル部」と呼ばれています。体育会昇格を目標に活動しているフットサル部です。大学内にはフットサルサークルもありますが、公式戦に出場し、全国大会を目指す競技団体として活動しています。活動日は平日の夜(主に月水金)と、土日の試合が中心です。授業や課題、アルバイトと両立しながらの活動は決して楽ではありません。その分、限られた時間をいかに有効に使うかを常に意識し、質の高い練習を重ねています。現在の部員構成は1年生9人、2年生7人、3年生5人、4年生3人にマネージャーを加えた少人数での体制です。大所帯の部活動ではないからこそ、一人ひとりの役割が大きく、学年や立場に関係なく意見を出し合いながらチームをつくりあげています。また、運営のみを専任としている部員はおらず、全員が競技と運営の両方の役割を担っています。

 

——チームの特徴や強みはどんなところですか?

 

一番の特徴は、競技と運営の両方に本気で取り組んでいる点です。ただフットサルをするだけではなく、大会を主催し、スポンサー企業と交渉しながら、自分たちの活動基盤をつくっています。部費や活動費を与えられるものとして受け取るのではなく、どうすればチームとして継続的に活動できるのかを考え、実行に移しています。また、体育会昇格を本気で目指しているため、練習の強度も決して低くありません。フィジカル面や戦術理解に加え、日々の練習への向き合い方や自己管理も含めて、高い意識が求められます。そのため、新歓で実際に体験した学生の中には、思ったよりも本格的だったと感じる人もいます。それでも、本気で競技に向き合いたい人にとっては、とてもやりがいのある環境だと感じます。ピッチの上での成長と同時に、組織を動かす一員としての自覚や責任感も身につけることができます。

 

 

——大会運営にも力を入れていると伺いました。

 

サルブでは、フットサル新人戦と6大学フットサル選手権という二つの大会を主催しています。企画から会場手配、当日の運営、協賛企業への営業までの全てを学生主体で行っています。6大学フットサル選手権は今年で4年目を迎え、規模も年々拡大しています。昨年度は新宿区と連携した大会や、元日本代表キャプテンの星選手と協力した大会も開催しました。大会自体を勝敗を競う場ではなく、大学フットサル全体を盛り上げるイベントとして育てていきたいと考えています。大会運営は決して簡単ではありません。全国からチームを集める新人戦ではスケジュール調整が非常に難しく、6大会選手権では会場確保や資金面の課題もあります。協賛を獲得する営業も部員が自ら行い、今年度は金銭協賛で4社、新人戦では、物品協賛で約40万円相当の支援をいただくことができました。

 

——組織体制についても教えてください。

 

早稲田大学フットサル部では、自走する体育会系を目指し、組織体制も明確にしています。代表・副代表・会計に加え、営業部・人事部・広報部の3部署を設置しています。役職は推薦などで決まりますが、部署の配属は本人の希望と部の方針をすり合わせながら決定します。月に1度の全体ミーティングでは、各部署の進捗や課題を共有し、プロジェクト単位で活動を進めています。営業活動についても、無理なノルマを課すのではなく、既存の協賛企業との関係を大切にしながら、長期的に信頼を築いていく方針をとっています。

 

 

——練習や競技面で大切にしていることは何ですか?

 

練習では自分たちで考えることを大切にしています。プロの監督が来てくださる日は指導を受けることができますが、そうではない日は中心メンバーが前日の試合や練習内容を振り返り、課題をもとにメニューを組み立てます。なぜこの練習をするのか、どんなスキルを伸ばしたいのかを全員で共有しながら取り組むことで、言われたことをこなすだけではなく、試合中も自らが判断し、修正できる選手を育てていきたいと考えています。目標は体育会昇格、そして全国大会で結果を残すことです。競技面においても、まだまだ発展途上のチームだと思っています。

 

——今後の目標を教えてください。

 

競技面では、大学フットサルからプロの世界へとつながる道をつくりたいと考えています。これまで大学フットサルは、競技としてのレベルの高さに比べ、次のステージが見えにくい側面がありました。だからこそ、大学からその先までを見据えた環境づくりに挑戦したいと思っています。その一つとして、元日本代表キャプテンとの交流をきっかけに、合同セレクションの構想も生まれています。大学生が自らの実力を試し、将来の選択肢を広げる場所を設けることで、競技へのモチベーションや目標設定の質も大きく変わってくると考えています。また、企業チームとの試合や、企業協賛大会の開催など、新しい形の連携にも挑戦していきたいです。スポーツを通じて企業や地域と繋がり、フットサルの価値そのものを高めていくことも私たちの重要な役割だと感じています。

 

 

——最後に、この記事を読んでいる方へメッセージをお願いします。

 

早稲田大学フットサル部は、競技にも運営にも本気で向き合うことのできる場所です。フットサルが好きな人はもちろんですが、一つの組織を本気で動かしてみたい人にとっても、大きく成長できる環境だと思います。自分たちで考え、そして時に失敗し、改善し続ける経験は必ず将来の力になります。少しでも興味を持ってもらえたら、ぜひグラウンドに足を運んでみてほしいです。

日々の練習という小さな積み重ねから、大会運営や協賛企業との連携といったコートの外での挑戦に至るまで、早稲田大学フットサル部の活動は自走する体育会という理念を体現しています。一人ひとりが責任と誇りを持ってチームを育てていく姿勢は、競技の結果だけでなく、社会に出た後にも大きな力となり、彼ら自身の未来を支える確かな土台となっていくはずです。