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未経験者6割で一部リーグへ。創部100年の体育会ゴルフ部が挑む全国への道——関西学院大学体育会ゴルフ部

創部から約100年の歴史を持ち、全国大会出場を目標に活動する関西学院大学体育会ゴルフ部。現在(取材日:2026/4/10)、一部リーグという高いレベルの舞台で戦っていますが、実は部員の約6割が大学からゴルフを始めた未経験者です。

スポーツ推薦で入学した選手が多い強豪校を相手に、なぜ未経験者の多い組織が一部リーグで戦い続けることができるのでしょうか。

その背景には、経験者が初心者を育成する仕組みと、学業と競技の両立に真摯に向き合う学生たちの取り組みがあります。

今回は、広報担当として組織を支える部員の方に、入部当初の苦労から現在までの成長、そして社会との関わりの中で得た学びについて話を伺いました。

 

 

——関西学院大学体育会ゴルフ部の概要を教えてください。

 

現在の部員数は約40名で、男女比は8対2で、文系と理系の割合も同様に8対2です。

今年の大きな目標は、春と秋のリーグ戦で上位進出を果たし、全国大会への出場、そして全国優勝を成し遂げることです。

私たちの組織は創部から100年近い歴史があり、西宮や三田にある会員制ゴルフ場を拠点に活動できるという、恵まれた環境を持っています。

また、一部リーグには、今年のリーグ戦でも非常に強い同志社大学や、常に上位争いをしている近畿大学など、スポーツ推薦の選手が多い強豪校が集まっています。

そのような環境の中で、部員の最大6割が未経験者でありながらも、一部リーグで戦い続けていることが、私たちの大きな特徴です。

 

——未経験からどのように実力をつけていくのでしょうか?

 

毎年、2名から4名ほどのスポーツ推薦の経験者が入部しており、彼らが育成の中核を担っています。

経験者の部員が中心となって、初心者向けの練習メニューを組んだり、コースマネジメントに関する知識を共有したりすることで、未経験者が着実に力をつけられる環境を整えています。

加えて、卒業生であるプロコーチからの指導や、上下関係にとらわれないフラットな関係性も、成長を大きく後押ししています。

打球練習では、上級生と下級生が隣の打席に入り、経験者が直接アドバイスを行う「教え合う文化」が根付いています。私自身も入部当初はスコア140〜150からのスタートでしたが、現在では80台を出せるまで成長することができました。また、入部2年目でスコア60台を記録し、レギュラー入りを果たした初心者の先輩もいます。

このように、上手な選手から直接学べる環境があるからこそ、未経験からでも短期間で大きく成長できるのだと感じています。

 

 

——入部当初にどのような壁がありましたか?

 

入部当初にまず直面したのは、基礎体力づくりという壁でした。私たちが主に使用しているゴルフ場は起伏が大きく、試合や合宿ではキャディバッグを背負ったまま1.5ラウンドを回る必要があります。そのため、朝7時からの練習では、ランニングや縄跳び、体幹トレーニングなどを通じて、基礎体力の強化に取り組んでいます。

また、ゴルフのルールや基本的な知識がない状態からスタートしたことに加え、体育会ならではの規律に慣れるまでの1年目は、特に苦労した時期でした。

それでも、同級生や先輩方が丁寧にサポートしてくださったことで、専門的な知識を効率よく身につけることができました。

たとえば、コースのどこにボールを落とすべきかといった実践的なコースマネジメントについても、実際のプレーを通して教わりながら、少しずつ課題を乗り越えていきました。

 

——学業との両立はどのように実現していますか?

 

関西学院大学体育会では、一定の成績基準を満たしていない場合、対外試合に出場できないというルールが設けられています。そのため、初心者として技術向上に取り組みながら学業も並行して進める必要があり、決して小さくないプレッシャーがあります。

それでも、部員一人ひとりが競技と学業の両立に真剣に向き合っています。

たとえば、リーグ戦に出場するメンバーが試合会場で大学の課題に取り組んだり、試合の合間に大学へ戻って授業に出席したりすることも珍しくありません。

競技だけに集中するのではなく、学業にも責任を持って取り組むことを大切にしながら、学生生活を送っています。私たちは、競技と学業の両方に向き合う姿勢こそが、学生スポーツの本質であると考えています。

 

 

——組織としてどのような困難を乗り越えてきましたか?

 

数年前まで、資金不足による練習環境の差という大きな課題に直面していました。

他大学がスポンサー契約などを通じて資金力を高めていく中で、私たちはその対応が遅れ、練習環境に大きな差が生まれていました。この状況を改善するために、SNSの運用を強化するとともに、外部企業へのスポンサー獲得に向けた取り組みを進めてきました。

また、日々のキャディ業務の中で、お客様とのコミュニケーションに真摯に向き合う姿勢を評価いただき、OB・OGの方々に加えて、一般企業からもご支援をいただけるようになりました。現在では、帽子やウェアにスポンサー企業のロゴワッペンを付けて試合に出場しています。

いただいた支援金は、遠征費や練習環境の改善、選手のコンディション管理などに活用されており、資金面での課題も、少しずつ乗り越えつつあります。

 

——部活動を通じて得た一番の学びは何ですか?

 

部活動を通じて最も学んだことは、個人競技であるゴルフにおいても、一人だけでは勝てないという点です。

ゴルフは個人競技という印象が強い一方で、実際にはチームとして支え合いながら戦うことの重要性を強く感じています。ミーティングを重ねながら、お互いの考えや気持ちを理解し、組織としてより良い形をつくっていく経験は、この4年間で得た大きな財産となっています。

また、キャディの経験を通じて、普段の学生生活では出会う機会の少ない社会人の方々と接することができました。

その中で、自分が将来どのような社会人になりたいのかを具体的に考えるきっかけにもなりました。

さらに、ミスをした時にごまかさず、素直に謝る姿勢や誠実な対応が、外部の方々との信頼関係につながることも実感しています。こうした経験の積み重ねが実を結び、昨年の秋には男女そろって全国大会への出場を決めることができました。

これまで1打差、2打差で悔しい思いをしてきた経験をチーム全員で乗り越え、全国大会出場を決めた瞬間は、学生生活の中でも特に大きな達成感を感じた場面でした。

 

 

——いつも応援してくださっている皆さまへメッセージをお願いします。

 

スポンサー企業の皆さま、そしてOB・OGの皆さま、いつも温かいご支援をいただき、ありがとうございます。

皆さまのサポートは、私たちが継続して高いレベルで活動していくうえで欠かせないものです。ご期待に応えられるよう、まずは春のリーグ戦に全力で臨みます。

また、新入生の皆さんへお伝えしたいことがあります。

この組織には、初心者からでも一部リーグを目指せる環境があります。未経験からのスタートであっても、自分の可能性を信じて4年間努力を重ねれば、これまでにない大きな達成感を得ることができます。

ぜひ、私たちと一緒に新たな挑戦の一歩を踏み出していただければと思います。