応援も戦力になる。全員で1部昇格を目指す卓球部の組織づくり——名古屋大学体育会卓球部
名古屋大学体育会卓球部は、名古屋大学第二体育館を拠点に活動しています。東海学生リーグでは男女ともに2部に所属し、「2部優勝、1部昇格」をチームの目標に掲げています。
競技歴や実力が異なる部員たちが同じ環境で練習し、それぞれの目標に向けて取り組んでいる点が特徴です。全員が決まったメニューをこなすのではなく、一人ひとりが自分に必要な練習を考えています。今回は、チームの目標や練習の特徴、部の強みについて、主将の長谷川清粋さんに話を伺いました。

——名古屋大学体育会卓球部について、概要を教えてください。
名古屋大学第二体育館を拠点に、火曜日から日曜日まで練習しています。練習は全体練習と自主練習に分け、それぞれの目的に合わせて取り組んでいます。
全体練習では、リーグ戦や団体戦を意識した練習試合、ダブルス練習などを行います。自主練習では、各自が課題に合わせて内容を決めています。
2026年春リーグ時点の部員数は、1年生11名、2年生10名、3年生15名、4年生19名です。4年生は、同年5月の春リーグをもって引退しました。院生の正式な所属はありませんが、自主練習にはOBや大学院生が参加してくださることもあり、交流の機会があります。経験者が中心ですが、未経験者や高校から卓球を始めた部員も歓迎しています。
——チームの目標と直近の成績を教えてください。
チーム全体の目標は、東海学生リーグで男女ともに2部で優勝し、1部へ昇格することです。リーグ戦は春と秋にあり、それぞれ別の大会として行われます。
2026年春のリーグ戦では、女子が2部で優勝しました。しかし、1部との入れ替え戦では勝利できず、2部残留となりました。女子は3季連続で2部優勝まで進んでいますが、入れ替え戦であと一歩届いていません。男子は、2026年春のリーグ戦で2部3位でした。

——練習では、どのようなことを大切にしていますか?
私たちが大切にしているのは、一人ひとりが自分の課題や目標を考えながら主体的に練習することです。そのため、全員が同じメニューをこなすのではなく、それぞれに必要な練習に取り組んでいます。
部室の壁には、個人の目標を自由に書いて貼る取り組みもあります。目標は1ヶ月ごとに更新しており、技術面の課題を書く部員もいれば、練習量や体力面の目標を書く部員もいます。
人数が多い分、全員が同じ意識で練習しているわけではありません。だからこそ、チーム全体の目標を共有するだけでなく、それぞれが自分の目標を持ちながら活動できる雰囲気づくりを進めています。
——チームの強みはどこにありますか?
一番の強みは、部員数の多さです。リーグ戦では多くの部員が応援に駆けつけるため、声援によって会場に一体感を生み出しやすいと感じています。
その強みを実感したのが、2025年秋のリーグ戦でした。体調不良者が続き、応援に来られる部員が普段より大きく減った日がありました。その日は、チームとして思うような結果を残せませんでした。
1週間後の試合では応援の人数が戻り、チームの雰囲気も変わりました。その後、2試合に勝利し、2部残留につなげることができました。選手たちも、応援の有無によって試合中の雰囲気や動きが変わると感じていました。応援する側から見ても、その違いははっきりと伝わってきました。
部員数の多さは、単に人数が多いということではありません。チームの競技力を支える大きな力につながっていると感じています。

——競技面で強化していることを教えてください。
団体戦では、特にダブルスを重視しています。卓球のダブルスは交互に打つため、個人の力だけでなく、パターンや組み合わせが重要です。強い相手に対しても、ダブルスであればチャンスを作りやすい場面があります。
練習では、ダブルス同士で打つだけではありません。シングルスの選手1人を相手にし、ダブルス側があえて不利な状況で練習することもあります
。負荷をかけた状態で練習することで、試合に近い対応力を身につけようとしています。
同じリーグに所属する大学の中には、インターハイに出場するような高校から選手を集めている大学もあります。そうした大学と比べると、基礎的な能力や球のスピード、練習環境に差を感じる場面もあります。
そのため、ダブルスの組み合わせや戦術を綿密に考え、試合を想定した練習を増やしています。
——人数が多いチームを運営するうえでの課題はありますか?
課題は、部員によって練習への向き合い方に差があることです。練習時間は全体練習と自主練習がほぼ半分ずつですが、週2回程度の参加にとどまる部員もいれば、ほぼ毎日練習する部員もいます。授業との兼ね合いもあり、練習頻度や練習中の意識には差があります。
その差が大きくなると、チーム全体で同じ方向を向いて目標を追うことが難しくなります。リーグ戦で結果を出すためには、試合に出る選手だけでなく、練習相手や応援を含めたチーム全体の力が必要です。
しかし、部員同士の関係は良好です。練習への参加頻度に違いがあっても、お互いを尊重しながら活動しています。普段は練習に来る機会が少ない部員でも、熱心に取り組む部員と一緒に練習すると、自然と集中して取り組む姿が見られます。
私たちは、そうした違いを無理にそろえるのではなく、それぞれが自分なりの目標を持って活動できるチームでありたいと考えています。

——印象に残っている出来事を教えてください。
印象に残っているのは、旧帝大の定期戦である七大戦で、団体戦メンバーに選ばれなかった部員が、シングルスのトーナメントで他大学の団体メンバーを破り、勝ち上がったことです。
その部員は、普段から練習に熱心に取り組み、努力を積み重ねていました。その活躍は、団体戦に出場する部員にも刺激を与えました。実際に、団体戦メンバーからも「もっと頑張らなければいけない」という声が上がりました。団体メンバー以外の努力が、チーム全体に良い影響を与えた出来事だったと思います。
私自身も、大学ではさまざまな立場を経験してきました。1年生の頃はベンチメンバーにも入れず、観客席から応援していました。その後は、試合には出ないもののベンチに入り、現在はレギュラーとして試合に出場する立場になりました。
高校までは、試合に出る側の視点しか知りませんでした。しかし大学では、応援する側の気持ちや、チームを支える人たちの役割を知ることができました。さまざまな立場からチームを見る視点を得られたことは、大学の部活動を通じて学んだ大きなことの一つです。

——いつも応援してくださっている方々へのメッセージをお願いします。
私たちは現在、スポンサー企業やOB会の方々のご支援を受けながら活動しています。日頃から支えていただいているおかげで、練習環境の整備やチーム運営を続けることができています。
卓球は、使用する台によってボールの弾み方や感覚が変わることがあります。そのため、試合に近い環境で練習できることをとてもありがたく感じています。
応援してくださる方々には、いつも本当に感謝しています。これからもチーム一丸となって、2部優勝と1部昇格を目指して努力していきます。変わらぬ応援をよろしくお願いします。
入部を考えている学生には、競技歴に関係なく、一度見に来てほしいです。経験者はもちろん、経験が浅い人でも一緒に練習できる環境があります。人数が多い分、いろいろなプレースタイルの選手と打つことができますし、七大戦や定期戦を通じて他大学との交流もあります。卓球に真剣に向き合いたい人にとって、卓球だけでなく、チームで目標を追う経験ができる部活だと思います。