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大学の4年間をかけて、ゼロからヒーローを生み出すという挑戦——日藝特撮部

日本大学芸術学部の学生を中心に活動する日藝特撮部は、オリジナルのヒーローや怪人を生み出し、映像作品の制作やヒーローショーの開催までを学生主体で手がける特撮制作団体です。脚本・撮影・編集・演技・スーツ制作まで工程を分担し、年単位で一つの作品を仕上げます。現在は約45名が所属し、映画学科や放送学科、文芸学科など多様なバックグラウンドを持つ学生が集まっています。今回は、日藝特撮部の活動や制作の裏側、そして活動を通して得られる学びについてお話を伺いました。

 

 

——日藝特撮部とはどんな団体で、どのような活動をしているのでしょうか?

 

日藝特撮部は、日本大学芸術学部の学生を中心に活動している特撮制作団体です。オリジナルのヒーローや怪人を一から作り、映像作品やヒーローショーとして発表することを主な活動にしています。脚本、撮影、編集、演技、スーツ制作、広報まで、作品づくりに関わるほぼすべての工程を学生だけで担っているのが特徴です。

普段は定例の集まりで進捗し、企画ごとにメンバーが集まって制作を進めています。完成した映像作品はYouTubeで公開し、11月の日芸祭では自分たちで制作したヒーロースーツを実際に着てヒーローショーを行います。他にも、外部イベントに出演したり、オリジナルキャラクターのグッズを制作・販売したりと、活動の幅は年々広がっています。

現在の部員数は約45名です。映画学科や放送学科など映像系の学生が多い一方で、近年は文芸学科の学生も増え、脚本や物語づくりの面でも活動が活発になってきました。年単位で作品を作るため、夏から文化祭にかけては特に忙しくなりますが、その分、作品が完成した瞬間の達成感は格別です。大学生活の中で本気のものづくりに挑戦したい人にとって、挑戦の入口が多い団体だと思います。

 

 

——特撮部にはどんな人が集まり、なぜ活動を続けているのでしょうか?

 

日藝特撮部に入る理由は、本当に人それぞれです。もともと特撮が好きだったという人もいれば、「映像制作に関わってみたかった」「何か面白いことをやってみたかった」という理由で入ってくる人も多く、入部時点で特撮に詳しくなかったというメンバーも珍しくありません。企画・脚本・演技など関わり方の選択肢が多く、興味の入口が広いのも特徴です。所属学科は映画学科や放送学科など映像系が中心ですが、最近は文芸学科の学生も増えてきました。物語づくりに関心のあるメンバーが加わったことで、作品の企画や脚本の幅も広がっていると感じています。以前は数人規模で活動していた時期もありましたが、ここ数年で部員は約45名まで増え、団体としての規模も大きくなりました。

活動を続ける理由としてよく挙がるのは、「自分次第で何にでも挑戦できる」という環境があることです。役者として舞台に立つことも、監督として制作を牽引することもできます。興味を持った分野に手を挙げれば挑戦できる自由さが、日藝特撮部の大きな魅力になっています。

 

——1年間はどのようなスケジュールで活動しているのでしょうか?

 

1年の流れは新歓から始まり、夏以降に制作が本格化して文化祭前がピークになります。定例の共有を軸に、企画ごとに制作が走る形です。

春は新歓からスタートし、GW明け頃まで新入部員を迎えます。その後は企画の準備や役割決め、アクション練習などが少しずつ始まり、夏休みに入ると一気に制作が本格化します。11月の日芸祭で行うヒーローショーに向けて、撮影やスーツ制作、練習などが重なり、この時期は特に忙しくなります。

文化祭が終わると代替わりが行われ、そこから3月の追い出しコンパまでは比較的落ち着いた期間になります。次年度に向けた準備や新歓の企画を考えながら、また新しい1年が始まっていきます。

 

 

——映像作品やヒーローショーはどのように制作されているのでしょうか?

 

日藝特撮部の作品づくりは、まず企画を出すところから始まります。どんなヒーローにするのか、どんな物語にするのかを決め、企画が通ると本格的な制作がスタートします。オリジナル作品のため準備に時間がかかり、年単位で制作が進むケースも少なくありません。

制作が始まると、脚本・監督・撮影・編集・演者・スーツ制作など役割に分かれて進行します。特にヒーロースーツは既製品ではなく自分たちで作るため、素材選びから加工方法まで試行錯誤の連続です。動きやすさや安全面も考えながら少しずつ形にしていきます。

 

——大人数の制作チームはどのように役割分担し、課題を乗り越えているのでしょうか?

 

部員が45名ほどいるため、作品づくりは自然とチームでの分担作業になります。脚本を書く人、撮影や編集を担当する人、演じる人、スーツを制作する人など、それぞれが自分のできることを持ち寄りながら一つの作品を完成させていきます。映画学科や放送学科のメンバーが多い一方で、文芸学科の学生が脚本に関わることもあり、学科の違いがそのまま制作の役割につながっている点もこの団体の特徴です。

ただ、学生生活と並行しての制作は思った以上に難しく、全員の予定が揃うことはほとんどありません。授業やアルバイト、就職活動の合間を縫って集まり、少しずつ前に進めていきます。過去には企画を同時に進めすぎて手が回らなくなったこともあり、それ以来、無理のない制作計画を立てることや、こまめに進捗を共有することを意識するようになりました。

 

 

——日藝特撮部の活動を通して、どのような力が身につくのでしょうか?

 

日藝特撮部で一番身につくのは、「長い時間をかけて一つのプロジェクトをやり切る力」だと思います。ひとつの作品を完成させるまでには何か月、時には年単位の時間がかかり、思うように進まないことも少なくありません。それでも撮影や編集を重ね、少しずつ形にしていく経験は、授業だけではなかなか得られないものです。

制作の過程では、スケジュール調整や進行管理、予期せぬトラブルへの対応など、作品づくり以外の場面でも学ぶことが多くあります。ヒーローショーでは音響トラブルなど想定外の出来事が起きることもあり、その場で判断して動く力や、チームで支え合う意識が自然と身についていきます。

そして、時間をかけて完成させた作品やショーを観客に見てもらい、反応を直接感じられた瞬間は、それまでの苦労が一気に報われるような感覚があります。この経験が次の挑戦への原動力になっています。

 

——活動を続ける中で、壁に感じていることはありますか?

 

一番大きいのは制作にかかる費用です。特撮はヒーロースーツの制作や撮影機材、小道具、ロケ移動など、どうしてもお金がかかる活動です。たとえばヒーロースーツは1体あたり数万円かかることもあり、複数体となると出費は一気に膨らみます。撮影時の交通費や小道具の準備も重なり、作品一本を作るだけでもまとまった費用が必要になります。

現在は部費やメンバーそれぞれの負担でやりくりしているため、やりたい演出や撮影方法があっても、費用面を理由に断念することもあります。限られた環境の中で工夫しながら制作を続けていますが、今後さらに活動の幅を広げていくためには、制作環境を少しずつ整えていきたいと考えています。

 

 

——日藝特撮部を応援してくださる企業の皆さまへメッセージをお願いします。

 

私たちは、学生主体の団体ではありますが、本気でものづくりに向き合って活動しています。映像制作やヒーローショーはすべて自分たちで企画し、準備し、実行しています。活動を続ける中で、機材や制作環境の面で課題を感じる場面も少しずつ増えてきました。

特撮は、撮影・編集・造形・アクションなど多くの工程が関わる総合制作です。現在は部費と個人負担で工夫しながら制作を続けていますが、より良い作品づくりのために、機材や制作環境を少しずつ整えていきたいと考えています。

もしご関心をお持ちいただけましたら、機材提供・制作協力、イベント出演など、無理のない形でご一緒できれば嬉しいです。日藝特撮部は、作品づくりやイベントを通して多くの人に楽しんでもらえる活動をこれからも続けていきたいと考えています。今後とも温かく見守っていただけたら幸いです。