筋トレの数値化で対人力を強化。100名超の部員をまとめる戦術理解の仕組み——中央大学ラクロス部
中央大学ラクロス部は、関東リーグを勝ち抜き、全日本大学選手権で優勝することを目標に掲げています。2026年春のリーグ戦ではブロック4位に終わりましたが、2026年こそ日本一をつかむため、フィジカル強化や戦術理解の向上に取り組んでいます。100名を超える部員が所属する大所帯を一つのチームとして機能させるため、保護者向け説明会の実施や、凡事徹底にも力を入れています。競技面と組織面の両方から成長を目指す取り組みについて、キャプテンの渡辺大雅さんに話を伺いました。

——中央大学ラクロス部について概要を教えてください。
中央大学ラクロス部は、関東リーグを勝ち抜き、各地方の代表校が集まる全日本大学選手権に出場して優勝すること、つまり学生日本一を目標に掲げています。
2026年春のリーグ戦ではブロック4位という結果に終わりましたが、全日本大学選手権優勝に向けて、日々の練習に取り組んでいます。
現在の部員数は、新入生を含めて100名を超える大所帯です。学年の内訳は、4年生が18名、3年生が23名、2年生が26名、1年生が35名です。マネージャーは全体の約25%を占めており、運営面でも大きな役割を担っています。
練習では、主に中央大学のラグビー場を使用しています。平日は朝7時から活動し、土日は日中にグラウンドを使っています。グラウンドを長時間使用できる環境に恵まれており、全体練習の前後や授業の合間に自主練習に励む部員も多くいます。
——競技面でのチームの特徴や強みはどこにありますか?
例年以上にフィジカル強化に力を入れている点です。
特に筋力トレーニングでは、試合に出場するための明確な基準を設けています。具体的には、スクワット150kg、デッドリフト160kg、ベンチプレス90kgを基準にしています。プロトレーナーと相談し、社会人トッププレイヤーの数値を参考にしながら、目標を設定しました。現在、試合に出場しているAチームの選手は全員、この基準を達成しています。
こうしたフィジカル強化は、実際の試合にも成果として表れています。過去の試合を分析すると、ディフェンス時の1対1で当たり負けする場面が目立っていました。しかし現在は、強豪チームの選手にも対抗できるほど身体が強くなり、チーム全体のディフェンス力の向上につながっています。

——組織力を高めるために、どのような取り組みをしていますか?
周囲から応援されるチームを目指し、保護者向けの説明会や凡事徹底に取り組んでいます。
ラクロスは道具代など高額な費用がかかる競技であり、保護者の支援が大きな力になります。そこで2026年のゴールデンウィークには保護者向けの説明会を開催し、日々の活動内容を知っていただく機会を設けました。保護者の理解を深めることで、部員が家庭内でも応援され、競技に専念しやすい環境を整えることが狙いです。
競技力だけでなく、スポーツマンとしての姿勢も重視しています。たとえば、挨拶を徹底することや、使い終わったヘルメットやグローブなどの道具をフィールド脇にきれいに並べることです。こうした当たり前の行動を、部員全員で徹底しています。試合で結果を出すことはもちろん大切ですが、その前に、日頃から挨拶や道具の扱い、周囲への配慮を徹底することも欠かせません。競技面だけでなく、日々の振る舞いも大切にすることで、組織力の向上につなげています。
——印象に残っている試合を教えてください。
2025年のリーグ戦最終節、明治大学との試合が強く印象に残っています。
この試合は、負ければ2部リーグとの入れ替え戦に回る、非常にプレッシャーのかかる一戦でした。試合終盤に同点に追いつかれましたが、残り約30秒の場面で当時4年生の選手が得点し、勝利をつかみました。
当時3年生だった私たちにとって、この試合は最終学年で日本一を目指せるかどうかを左右する大きな一戦でした。だからこそ、出場している選手だけでなく、スタンドで応援する部員も「何としても勝って来年につなげたい」という思いで、試合に臨んでいました。絶対に勝たなければならない状況で勝ち切れたことは、チームにとって大きな経験になりました。選手、スタッフ、応援してくれたサポーターが同じ目標に向かって戦えた実感があり、今でも鮮明に記憶に残っています。

——チームが抱えている課題は何でしょうか?
課題は、試合中に自分たちで流れをつくることと、怪我の予防です。
試合では一定の得点を取れているものの、チーム全体で連携し、良い流れを継続することにはまだ課題があります。個人の能力に頼って得点するのではなく、フィールドに出ている10人全員が戦術を理解し、トラップなどの連動したプレーを成功させることが必要です。
また、ラクロスは接触の多い競技であり、骨折などの突発的な怪我を完全に防ぐことは難しい面があります。一方で、肉離れなどは、日頃のケアによって予防できる部分もあります。現在協力していただいているプロトレーナーや学生トレーナーの知識を活用しながら、怪我を未然に防ぐ体制をチーム全体で整えていく必要があります。
——その課題を乗り越えるために、どのような工夫をしていますか?
戦術理解を深めるためのアウトプットの機会づくりとと、安全面を重視したメディカルチェックに取り組んでいます。
戦術理解が曖昧な部員には、ホワイトボードを使って他の部員に説明する機会を設けています。自分の言葉で戦術を説明することで、理解が深まり、実際のプレーにも落とし込みやすくなります。また、指導者やトレーナーから受けた助言を幹部陣が整理し、チーム全体に素早く共有することも意識しています。チーム全員が同じ認識でプレーできるようにすることで、連動した動きの精度を高めています。
怪我対策としては、入部当初にメディカルチェックを行っています。初心者は接触プレーに慣れていないため、脳震盪などの重大なリスクにも注意が必要です。提携する病院で検査を受け、異常がないことを確認したうえでプレーを始めるようにしています。検査結果は保護者にも共有し、安全面に配慮しながら活動しています。全員が安心してラクロスに打ち込める環境を整えることが、競技力の向上にもつながると考えています。

——いつも応援してくださっている方々へのメッセージをお願いします。
日頃から中央大学ラクロス部を応援し、活動を支えてくださっている皆様に、心から感謝申し上げます。
現在、私たちは保護者向けの説明会やメディカルチェックの導入など、競技面だけでなく、組織としての土台づくりにも力を入れています。学生主体で運営する中で、学生だけでは補いきれない部分については、OBなど社会人の方々の力もお借りしながら、より良い組織づくりに取り組んでいます。
指導者や支援してくださる方々の助言を素直に受け止め、新しい取り組みを進めることで、チームとしてさらに成長していきたいと考えています。
リーグ戦では、勝利という結果で皆様に恩返しができるよう、部員一同、全力を尽くします。ぜひ会場に足を運んでいただき、温かいご声援を送っていただければ幸いです。
今シーズンも、中央大学ラクロス部への応援をよろしくお願いいたします。チーム一丸となって、日本一を目指します。