初心者から全国へ。“チーム力”で勝つ理由——名古屋大学女子ラクロス部
大学から“新しい挑戦”を始める学生が多いスポーツがラクロスです。その中でも名古屋大学女子ラクロス部「willaws(ウィローズ)」は、初心者が本気で全国を目指せる環境がある、東海エリア屈指の強豪チームです。
「愛し愛されるチーム」
そんな価値観を大切にしながら、技術も人としての在り方も磨き続ける彼女たち。今回は主将の松村渚さん、主務の則竹杏咲さんに、部活の魅力やチーム文化、目標に込めた想い、これからのビジョンや目標について伺いました。

——部の概要や活動日程、年間スケジュールを教えてください。
名古屋大学女子ラクロス部は、名古屋大学東山キャンパスの山の上グラウンドを拠点に活動しています。「willaws(ウィローズ)」という名前は、名古屋名物の和菓子「ういろう」にちなんで名付けられました。練習日程は週54〜5日で、基本練習は火・水・金曜日、土日に実施しています。学業との両立を意識して時間帯を工夫しているのが特徴です。メンバーは合計52名です(取材当時)。内訳は、1年生13名(うちスタッフ4名)、2年生18名(うちスタッフ5名)、3年生7名(うちスタッフ1名)、4年生14名(うちスタッフ6名)です。文理比率は文系3:理系7です。
年間スケジュールは、7~9月に東海学生リーグ、10月に東海Bリーグ、11月に全学Bリーグや全学リーグに出場します。リーグ以外の期間は、でらうま杯や七帝戦、新人戦など、シーズンごとに目標を設定して取り組んでいます。公式戦だけでなく、他大学との練習試合や合同練習も多く、試合経験を積みながらチーム力を高めている点も私たちらしい特徴です。

——部で掲げている目標やミッションを教えてください。
2026年の名古屋大学女子ラクロス部willawsが掲げるテーマは、「東海で圧倒的に勝ち切るチームになる」ことです。そのために、私たちは4つの軸を明確に掲げています。具体的な部の目標やミッションは以下のとおりです。
目標:東海制覇
理念:誇れる自分に
使命:ずっと強い名大
ビジョン:愛し愛されるチーム
この4つの軸は、単なるスローガンではなく、毎日の練習、ミーティング、試合の一つひとつの判断基準になっており、2026年の私たちの行動を支える根幹となっています。
——名古屋大学女子ラクロス部ならではの特徴はありますか?
最大の特徴は、「東海制覇を本気で目指し、人としても大きく成長できる場」が整っていることです。全員が大学からラクロスを始めていますが、東海制覇・その先の舞台を見据えた練習やミーティングを重ね、着実に力をつけています。スタメンやベンチ争いが常にあるため、切磋琢磨しながら日々成長しています。さらに、スタッフ組織が整っており、選手がプレーに集中できる体制があることも強みです。また、「誇れる自分になる」「ずっと強いチームであり続ける」という理念・ビジョンを大事にしている点もこのチームらしさだと思います。

——部員の多くが「大学からラクロスを始める」と伺いました。その中で、皆さんはなぜこの部に入部するのでしょうか?
名古屋大学女子ラクロス部は全員が大学に入って初めてラクロスに触れる“完全初心者”です。それでも毎年多くの学生が入部を決める理由には、いくつかの魅力があります。
1つ目は、新歓の工夫が効果を表しているからです。体験会では、積極的に声をかけて、ラクロスの楽しさを丁寧に教えるなど、“初心者でも入りやすい空気づくり”を徹底しています。実際に私が入部を検討していたときも、初めて会った先輩が気さくに話しかけてくれたことが不安の解消につながりました。
2つ目は、部全体の雰囲気の良さです。私たちは技術の差や経験の有無に関わらず、互いを尊重し合い、支え合う文化があります。大人数でも一人ひとりに居場所があり、「このチームにいたい」と自然に感じられる温かさがあることが、多くの新入生を惹きつけています。
ほとんどが未経験からのスタートだからこそ、挑戦する仲間に寄り添う文化が根づいており、それが入部の大きな決め手となっているのが私たちの強みです。
——部で大切にしている価値観を教えてください。
私たちが大切にしているのは、「愛し愛されるチーム」という価値観です。ラクロスの技術向上はもちろん重要ですが、それ以上に、日々の行動や姿勢が人としての成長につながると考えています。たとえば、挨拶、整理整頓、時間を守る、報連相を徹底するなど、当たり前の積み重ねこそが、仲間や周囲の方から信頼される土台になり、その信頼が、試合の勝敗を左右する“チーム力”につながると信じています。
仲間を尊重し、支え合うことで、全員が“この組織にいてよかった”と心から思える環境をつくることを目指しています。勝つことに真剣でありながら、互いを思いやるあたたかさを失わないチーム。それが私たちの理想の姿です。ラクロスのスキルだけでなく、人としての在り方も磨き続ける──そんな成長こそ、私たちが大切にしている価値観です。

──練習や日々の活動で工夫していることはありますか?
willawsでは、技術向上だけでなく“組織として強くなるための習慣づくり”を意識した3つの取り組みを行っています。
まず1つ目は、「チアワーズ」です。チアワーズとは、練習前に1人が交代で“志気が高まる話”を共有する時間のこと。日々の出来事や気づきを言葉にすることで、チーム全体の意識がひとつにまとまり、前向きな空気で練習をスタートできます。
2つ目の「盛り上げ隊」は、その日の練習を活気づける役割です。声かけや雰囲気づくりを主体的に担うことで、練習全体のテンションが上がり、きついメニューでも互いに支え合える空気が生まれます。
3つ目の「集散ダッシュ」もwillawsならではの取り組みです。メニューの合間の集合・解散をダッシュで行うことで、練習効率を高めつつ、苦しい場面で“もう一歩踏み出す力”を自然と養っています。
そして何より大切にしているのは、挨拶や整理整頓といった基本行動です。小さな積み重ねこそが信頼される人としての成長につながり、チームとしての強さを支える土台になると考えています。
——これまでで印象的だった活動エピソードを教えてください。
印象的だったのは、2025年10月12日の東海学生リーグFinal4です。前年、2024年の代が1点差で敗れた相手に、同じく1点差で勝利し、3年ぶりに決勝の舞台へ進むことができました。多くの方の応援に後押しされ、「歴史が動いた瞬間」だったと感じています。
この勝利は、前年の敗北を受けて「このままでは勝てない」とチーム全体で危機感を共有したことをきっかけに、ミーティングを重ねて一人ひとりが「自分の役割」「チームで果たしたいこと」と向き合ったからこそ生まれたものです。そこからは、練習中の声かけやプレーの強度、オフの日の過ごし方まで、部員全員の意識が明らかに変化しました。その後の試合で「今までなら崩れていた場面で踏ん張れた瞬間」が増え、結果にもつながっていったことは、チームとしても自分自身としても大きなターニングポイントだったと感じています。

——今後の目標と、入部を考えている学生へのメッセージをお願いします。
チームとしては、東海リーグで安定して勝ち切れる力をつけ、全国の舞台で戦えるチームになることが目標です。そのために、目の前の一戦一戦だけでなく、日々の練習やオフの時間の使い方まで含めて、一人ひとりが「勝つために何をするか」を突き詰めていきたいと考えています。
入部を考えている方には、「ラクロスは、大学からでも本気で勝負できるスポーツだよ」と伝えたいです。運動経験がなくても大丈夫ですし、今の自分に自信がなくても、ここでなら新しい自分に出会えます。少しでも興味があれば、ぜひ一度グラウンドに来てみてください。一緒に“本気で熱中できる4年間”をつくりましょう。
——応援してくださる方や企業の皆さまへ、メッセージをお願いします。
私たちが日々ラクロスに全力で向き合い、挑戦し続けられているのは、応援してくださる皆さま、そして支えてくださる企業の皆さまのおかげです。試合のたびに届く声援、活動を支えるご支援の一つひとつが、私たちの背中を押し、苦しい場面でも「あと一歩」を踏み出す力になっています。皆さまの想いに結果で応えられるよう、チーム一丸となって努力を重ね、感謝の気持ちをプレーで、姿勢で、そして結果で伝えられるよう日々精進します。今後とも温かい声援をよろしくお願いいたします。

名古屋大学女子ラクロス部は、「強さ」と「温かさ」を両立したチームです。未経験からでも挑戦でき、仲間とともに成長していける環境が整っているのは、この部ならではの強みといえるでしょう。東海制覇という大きな目標に向かう姿勢はまっすぐで、その言葉や表情の端々から“本気で戦うチーム”であることが伝わってきました。これからの活動が楽しみです。
執筆:青木千奈(株式会社Koti)