「平常心」を合言葉に、楽しさと本気を両立させながらリーグ昇格を目指す——佐賀大学ソフトテニス部
約40名が男女一緒に活動し、指導者を置かずに学生だけでチームを運営している佐賀大学体育会ソフトテニス部。砂入り人工芝コート(オムニコート)3面を使える環境のもと、男子は1部昇格、女子は1部上位入賞を目標に掲げています。人数が多いからこそ生まれる技術差やモチベーションの差には、ポジション別・レベル別の練習や積極的な声かけで向き合っています。チームのテーマは「平常心」。試合で本来の力を出し切るための合言葉です。今回は、部長の蓮井京介さんに、チームづくりへの考え方や運営の工夫について伺いました。

——佐賀大学体育会ソフトテニス部について概要を教えてください。
私たちは、男女一緒に活動しているソフトテニス部です。現役の部員は約40名で、佐賀大学の砂入り人工芝コート(オムニコート)3面をいつでも使える環境があります。練習に打ち込める環境が整っていることは、部の強みだと感じています。
男子は九州の2部リーグ、女子は1部に所属していて、それぞれ昇格を目指しています。テニスを目的に大学へ入った人は多くありませんが、大学でも競技を続けたいという熱量の高いメンバーが集まっています。

——今シーズンの目標を教えてください。
男子は、2部リーグから1部へ昇格することが目標です。女子は、1部で上位入賞することを目指しています。春リーグで1部2位以上に入ると、全国につながる大会への出場権を得られるので、そこを狙っています。
女子は1部の3位や4位という成績が続いていて、あと1本取れば勝てるという惜しい試合が多い状況です。個人戦では、インカレ出場権を獲得したペアも出ています。
大学ごとの出場枠で出場するペアや団体戦もあるため、まずは全国の舞台で一勝することを目指しています。
——チームのテーマ「平常心」にはどんな思いがありますか?
試合で本来の力を出し切りたい、という思いを込めています。私がキャプテンとして最初のミーティングをしたときに決めたテーマです。
試合中に相手の実績や大学名を意識しすぎてしまったりする場面が気になっていました。実力で言えば、他大学とも十分に戦えると考えています。その力を発揮するために、「平常心」をチームのテーマとして掲げています。
特に個人戦では、全員が応援に行けるわけではありません。自分たちのペースを崩したときに、立て直しづらいことが課題です。試合中は「平常心」と声に出したり、チームで決めたポーズを取ったりして、みんなで意識する機会を増やしています。目と耳の両方から意識できるようにすることで、気持ちを落ち着かせやすくなっていると感じています。

——指導者がいない環境で、技術面の課題にどう向き合っていますか?
高校時代に本格的に競技に取り組んできたメンバーが、自分の技術を全体へ共有することを意識しています。指導者がいないため、新しい技術や考え方を外部から吸収する機会は限られています。だからこそ、経験のある部員が下級生やチーム全体に技術を伝えていくことを大切にしています。
特に力を入れているのは、サーブレシーブです。試合で最も多く打つプレーなので、ここが安定しないと勝負どころで攻めきれません。そのため、全体練習で必ず取り組んでいます。
部員が多く、コートが3面しかないため、どうしても技術差は出てしまいます。それでも、全体の技術が上がれば練習の質も上がり、結果として試合で勝てるチームに近づけると考えています。
——大人数の練習では、どんな工夫をしていますか?
ポジション別とレベル別に分けて練習しています。以前はポジションを分けずに3面を使っていましたが、ポジション別にすると、同じ人数でもコートを広く使えます。ボールを打てる回数も増えました。
球拾いの間も、同じポジション同士でアドバイスし合えます。そのため、練習中に声をかけ合う時間も増えました。
レベル別の練習では、実戦形式の練習に参加するかどうかを本人の意思に任せています。技術に不安がある部員には、私が基礎から教えます。競技経験のある部員に置いていかれないようにケアしながら、自分もローテーションに入って全体を見るようにしています。
中間層の部員には、自分たちでメニューを考えてもらい、2面を任せています。それぞれのレベルで今できることを考えながら取り組めるので、のびのびと成長してくれていると感じています。

——チームの雰囲気を教えてください。
活気があって、本当に楽しいチームです。3年生が運営の中心となる学年で、キャプテンだけでなく、みんなが練習メニューを考えたり、事務的な仕事を進めたりしてくれています。
試合では、ポイントを決めたときのオリジナルの応援歌をみんなで作りました。本番で披露することを、部員たちも楽しみにしています。練習のときから盛り上がっていて、他大学からも「雰囲気がいいね」と言われることが増えました。
リーグ戦では、団体戦に出られない部員も応援に全力を注いでいます。その姿は、チームとして自慢できる部分だと思っています。
——運営面での課題はありますか?
練習に全員が揃わない日が多いことが課題です。何かしらの理由で1人か2人は休んでいることがあり、全員で練習できる日をもっと増やしたいと思っています。
以前は、平日2日と土曜の週3日で練習していました。ただ、アルバイトや学業、大学生活とも両立しやすいように、みんなで話し合い、水曜と土曜の週2日に減らしました。現在はカレンダーアプリを部内で共有しています。
各自が予定を入れることで、誰が来られるかを可視化でき、スケジュールを立て直しやすくなりました。その日のメンバー構成に合わせて、練習内容も変えやすくなっています。

——活動を続けるうえで、資金面の課題はありますか?
資金面には不安があります。部員が多く、大会参加時には、部員同士で車を出し合って移動しています。車を持っている部員が多いのでレンタル代は抑えられていますが、ガソリン代や宿泊費はかかります。
夏休みや冬休みは大会が続き、宿泊費が1か月で5〜6万円かかることもあります。学生にとっては負担の大きい金額です。応援に行くだけの部員も、自分で費用を払って来てくれています。
今はスポンサーがなく、学校からの道具提供とOBの方々からの寄付で活動を続けています。Giving Campaignにも取り組んでいて、担当のメンバーを中心に毎日動画を撮り、投票をお願いしています。
——キャプテンとして大切にしていることは何ですか?
1対1で会話する時間を増やすことです。私は中学からソフトテニスを始め、中学と大学でキャプテンを務めてきました。高校では高いレベルの環境で競技に取り組み、県大会での優勝や全国大会で勝ち進む経験もしました。
ただ、大学は勉強を目的に入ってくる人が多く、テニスへの向き合い方には差があります。自分の感覚のままキャプテンをすると、みんなとのギャップが大きくなってしまうと感じていました。
そこで、全体へのアドバイスも大切にしながら、一人ひとりと話す時間を増やし、こちらの考えを理解してもらうことを心がけています。コートでは固くなりすぎず、話しやすい雰囲気を大事にしています。そうすることで、みんなが親しみやすさや安心感を持ってくれているのではないかと思います。

——いつも応援してくださっている方々へのメッセージをお願いします。
私たちは、ソフトテニスを楽しむことを忘れず、感謝の気持ちを持ってプレーします。いつも応援してくださる方々には、本当に感謝しています。
これから入部を考えている人には、経験の有無にかかわらず、楽しみながら成長できる環境があると伝えたいです。私自身も同じように部活を始めて、同じ段階を踏んできました。だからこそ、誰でも一歩ずつ上達できると考えています。
企業の方には、競技結果だけでなく、佐賀大学の名前を掲げて試合に出る中で、応援してくださる企業のことも知っていただける機会になればと考えています。スポンサーとして関わっていただけたら、とても心強いです。
これからも応援よろしくお願いします。