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主役を支える声を届ける、100年以上の伝統を受け継ぐ應援団の役割と受け継ぐ責任——小樽商科大学應援団

一般的な應援団でイメージされる「押忍」ではなく、高く伸びやかな声でエールを切る小樽商科大学應援団。野球部の定期戦をきっかけに生まれ、長い歴史の中で受け継がれてきました。活動の根底にあるのは、小樽商科大学と商大生を応援すること。自分たちが主役として前に出るのではなく、選手や学生を支える立場に徹する姿勢を大切にしています。屋外競技では、遠くまで響く高い声を生かし、現地で選手の背中を押します。卒業生との結びつきも強く、毎月の会議や食事会を通じて交流が続いています。今回は、団長の久保海音さんと副団長の青山仰太郎さんに、応援に込める思いや、活動を通して学んだことを伺いました。

 

 

——小樽商科大学應援団について概要を教えてください。

 

久保さん:

私たちの活動の根底にあるのは、小樽商科大学と商大生を応援することです。野球部の定期戦をきっかけに始まり、100年以上の伝統を受け継いでいます。

壮行会で激励の言葉を送ったり、競技の会場へ行って応援したりするほか、学園祭や市内のイベントにも出演しています。どの場でも、あくまで商大生を応援する団体であることを大切にしています。

自分たちの演技で主役になる活動とは目指すものが異なります。私たちは主役を支える立場にあり、自分たちが主役になることを目的にはしていません。

青山さん:

応援する競技や場所によって、応援の仕方は変わります。屋外の競技では、扇子や太鼓を持って応援することがあります。屋内のバレーボールなどでは、スペースを十分に取れなかったり、騒音の問題があったりするため、声出しだけで応援する場面もあります。

 

 

——他大学の応援団と比べて、特徴的なところはどこですか?

 

久保さん:

私たちの一番の特徴は、「押忍」と言わないことです。応援団と聞くと、早稲田大学や同志社大学のように、低い声で「押忍」と発する姿を思い浮かべる方が多いと思います。

一方で、私たちは低い声ではなく、高く伸びやかな声でエールを切ります。これは代々受け継がれてきたスタイルです。

その利点は、声が遠くまで届くことにあります。先日もラクロス部の応援で屋外の競技会場に行きましたが、通常の声では届きにくい場所でした。遠くまで届くな声で切るエールのほうが、選手に届きやすいと感じています。

脇役に徹する立場であっても、選手に私たちの応援が届いていることを伝えられます。それが、應援団としての存在を示すことにもつながると感じています。

 

——お二人が應援団に入ったきっかけを教えてください。

 

久保さん:

私が入団したのは、大学3年生のときです。存在自体は1年生の頃から知っていましたが、入団する機会を逃し、2年ほど見送っていました。

きっかけは、1年生のときに見た対面式です。当時の団長や先輩方の姿を見て、商大生としてどう過ごすのかを考えるようになりました。

2年生の頃にボランティア活動にも参加しましたが、自分が本当にやりたいことはなかなか見つかりませんでした。その中で、ふと思い出すのが應援団でした。そうした思いが積み重なり、3年生のときに入団を決めました。

青山さん:

私は、入学式で見た應援団のパフォーマンスに心を奪われました。大学生活を始めるにあたって、周りとうまくやっていけるか不安な気持ちが強かったのです。

そんなとき、人前で堂々とパフォーマンスをして、人を励ます先輩方の姿を見ました。自分にできていないところがあっても、努力して打ち込めば人の役に立てる。そう感じて、自分も悩んでいる人の役に立ちたいと思い、入団しました。

 

 

——人を応援することに、なぜ熱中できるのですか?

 

青山さん:

私自身が、応援される側の気持ちを知ったことが大きいです。入団した当初は、声出しや演舞の練習がうまくできず、続ける意味を見失いそうになった時期がありました。

対面式に向けた合宿では、先輩が私の課題を親身になって指摘してくれました。「君は頑張っているから、もっと努力すれば良くなる」と、そばで声をかけてくれたんです。

その応援のおかげで、対面式を無事にやりきることができました。終わった後には、先輩から「よく頑張った」と声をかけてもらえました。

応援されることがこれほど力になるのなら、私も人を応援し、同じような気持ちを感じてもらいたいと思いながら活動しています。

久保さん:

私は、商大生だから応援したいという気持ちが一番強いです。

1年目は役職もなく、応援する相手の人となりまでは分かりませんでした。しかし、2年目になって他の団体の主将や選手と話す機会が増えたことで、団体を形づくっている人たちの姿が見えるようになりました。同じ商大生である彼らが努力していることを実感し、私たちも応援するべきだと思うようになったのです。

もともと私はスポーツ観戦をあまりしないタイプで、人を応援することの意味もよく分かっていませんでした。

しかし、同じ学年の学生や授業で話したことのある学生が応援する対象になったことで、自然と応援にも気持ちが入るようになりました。頑張っている姿を見ると、本来はこちらが応援する側であるにもかかわらず、私自身が励まされることもあります。

自分が応援することで力を返したいと思います。

 

 

——印象に残っている応援のエピソードはありますか?

 

青山さん:

野球部の競技応援が印象に残っています。接戦の末、最後の最後で逆転勝ちをした試合で、應援団も観客も一体となって盛り上がりました。

応援が終わった後、応援に来られていた保護者の方々「よく頑張ってくれましたね」と声をかけていただき、飲み物を差し入れていただきました。

私たち應援団も、選手も、保護者の方々も、みんなで喜びを共有できました。應援団に入って良かったと思える経験の一つです。

 

——卒業生との関わりについて教えてください。

 

青山さん:

OBの方々の應援団への思い入れがとても強く、自然とつながりも強くなっています。

月に1回、OBの方々と現役で集まる会議があります。活動の中で生じた疑問を伝えると、フィードバックをいただけます。外から見て活動がどう映っているか、どこを改善したほうがいいかといった助言もいただきます。

その声を活かしながら、今の應援団をより良くしていきたいと思います。

食事会も頻繁に開かれています。小樽を好むOBが多く、帰ってくるたびに現役の私たちに声をかけ、他のOBも誘ってくださいます。月に1回程度、月によっては2回、3回開かれることもあります。

 

 

——団の雰囲気や、後輩との接し方について教えてください。

 

久保さん:

とても賑やかで、和気あいあいとした雰囲気です。新しく入った団員も、同期も、先輩も、それぞれが自分の考えを持っているのが特徴だと思います。

たとえば私の同期は、先輩と何度も話し合いを重ねながら、自分なりのスタイルを見つけ、対面式で最高の演舞を披露しました。自分はこうしたいという思いを、周りの先輩に提案しながら形にしていける環境があります。

上下関係が厳しいと思われがちですが、私たちの場合はほとんどありません。活動内容がイメージしづらい団体でもあるため、せっかく入ってくれた新入団員には、活動内容を分かりやすく伝えていきたいです。練習も楽しいと思ってもらえるようにしたいと考えています。

青山さん:

後輩には、悪いところだけを指摘するのではなく、良いところも同時に伝えるようにしています。そのうえで、ここを伸ばすといいと話します。

話しかけやすい雰囲気づくりを、みんな心がけていると思います。私自身も1年生のときは、素の自分でいられました。應援団の人たちがみんないい人だったので、ありのままで過ごせたんです。後輩にも、同じ気持ちでいてほしいと願っています。

 

——活動を通じて学んだことは何ですか?

 

久保さん:

私は、責任を負うことを学びました。負担という意味ではなく、應援団が私に与えてくれた責任が大きいという意味です。

100年以上続く団体で、たくさんのOBが應援団を誇りに思い、今も交流を持ってくださっています。団長として背負う責任は、現役の学生だけでなく、OBや應援団に関わる方々の期待も受け止めることだと感じています。

対面式が近づくにつれ、OBや市民の方から「今の代の団長に期待している」と声をかけられました。そのたびに、自分が背負っているのは一つの部活の責任ではなく、小樽商科大学應援団そのものなのだと改めて認識しました。

青山さん:

私は、人を励ますことと、少しずつ積み重ねることの大切さを学びました。

演舞は得意ではありませんでしたが、諦めずに周囲の助けを借りながら取り組みました。少しずつ積み重ねるのは大変で、投げ出したくなることもあります。それでも周りの応援があれば乗り越えられて、少しずつ前に進めるのだと感じました。

 

 

——大きな節目となる対面式について教えてください。

 

久保さん:

正式名称は「対北大定期戦対面式」で、北海道大学との定期戦に先立って行われる式典です。野球部の定期戦をきっかけに應援団が誕生した歴史を背景に、戦後から続いています。

もともとは野球の試合における開会式のような役割を担っていましたが、現在では形を変え、應援団の活動の集大成を披露する場となっています。団員一同が一つの目標として日々練習を重ねてきた成果を発揮する場でもあります。ぜひ多くの方に足を運んでいただければ嬉しいです。

 

——いつも応援してくださっている方々へのメッセージをお願いします。

 

久保さん:

日頃より小樽商科大学應援団にご支援を賜り、誠にありがとうございます。

代を担う者として、今回の対面式を成功させられるよう尽力してまいります。應援団は活動内容が分かりにくいかもしれませんが、入団してくれた方には、その魅力を存分に感じながら充実した4年間を過ごしてほしいと願っています。

少しでも興味を持っていただけた方は、ぜひお気軽に活動を見学してみてください。

青山さん:

普段は応援する立場だからこそ、応援されることでどれほど大きな力を得られるのかを実感しています。皆さまから応援していただくことで私たちは力をもらい、今度は別の誰かを応援することができています。本当にありがとうございます。

苦手なことがあっても、一歩ずつ積み重ねていけば前に進むことができます。だからこそ、人を応援したい、誰かの力になりたいと思う方は、ぜひ一度活動を見に来てください。