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1人になってもフィールドに立ち続ける。先輩の思いを受け継ぐ挑戦——大谷大学アメリカンフットボール部

大谷大学アメリカンフットボール部は、現在(取材当時)、プレイヤーとして活動する部員はたった1人、マネージャーを含めても2名という厳しい状況にあります。コロナ禍による深刻な部員減少や、学内の大規模な音楽サークルへ学生が流れてしまうという大きな壁に直面しながらも、「大谷大学の単独チームとして試合に出場し、勝利すること」その目標を決して諦めていません。

先輩から受け継いだアメフトへの情熱を胸に、合同チームでの活動や日々の練習に励む大谷大学アメリカンフットボール部の、現状と今後の目標に迫ります。

 

 

——貴団体について概要を教えてください。

 

現在、大谷大学アメリカンフットボール部は、プレイヤーの私とマネージャーの2名で活動しています。自分たちの大学だけでは試合に出場できる人数を満たしていないため、現在は、先端科学大学(プレイヤー3名、マネージャー1名が在籍)と合同チームを組んでいます。

平日は京都先端科学大学と合同で練習を行い、日曜日は社会人チームの方々やOBの先輩方を招いて実戦に近い形式で練習しています。人数が少ないからこそ、他の大学や社会人の方々と一緒に練習する機会を作っています。秋には広島での交流戦や、福井大学など北陸の大学との合同試合にも参加しています。

 

 

——部員が減少した背景と、現在の課題は何ですか?

 

10年ほど前までは十分な人数が在籍していたと聞いていますが、コロナ禍で新入生の勧誘ができなくなった時期から、部員数が大きく減少してしまいました。。

現在、部員を集める上で最も大きな壁になっているのが、学内にある大規模な音楽サークルの存在です。そもそも大谷大学は全体の学生数がそれほど多くないのですが、その中で100名規模の音楽サークルが3つもあります。学生の母数が少ない中で、新入生の多くがそちらに流れてしまうため、私たちのような他の部活動に人が入りにくく、非常に厳しい状況にあります。

また、アメリカンフットボール特有のハードルもあります。コンタクトスポーツに対する怖さに加え、ヘルメットだけで13万円かかるなど、防具を揃えるには総額で約20万円程度の費用が必要です。ただし、現在は部員数が少ない分、部費から防具費用を全額賄うことができ、個人の負担は抑えられています。

 

——1人になってもアメフトを辞めなかった理由を教えてください。

 

入部した時は同期が数名いましたが、次々と辞めていきました。私自身も、1回生前期まではアメフトの面白さが分からず、退部を考えてた時期もありました。

考えが変わったきっかけは、当時の4回生の先輩でした。9月に他大学の試合観戦に連れて行っていただいた際、同じ1年生が観客を沸かせて活躍している姿を目にしました。自分との差を実感し、このままではいけないと強く感じました。それからは、先輩とほぼ毎日食事を共にし、試合の映像を見ながらアメフトについて話し合いました。先輩とのコミュニケーションを通して心からアメフトが好きになり、1人になっても続けようと思うことができました。

 

 

——中田さんをそこまで虜にするアメフトの魅力はなんですか?

 

1つ目は、自分の成長やプレーの良し悪しが、明確に実感できる点です。大学から始める人が多いスポーツだからこそ、自分の限界や伸びしろにワクワクできます。また、勝敗の要因が自分にあることが明確で、勝敗の要因を自分自身の力や課題としてはっきりと捉えることができます。

2つ目は、チーム全員で作戦を遂行する楽しさです。個人の勝負だけでなく、ディフェンスでゾーンを組んで相手の攻撃を封じたり、レシーバー同士が連携してパスを成功させたりと、事前にみんなで練り上げた戦略がフィールドで的確に機能した瞬間の達成感は、他のスポーツで得難いものだと感じています。

 

——プレイヤー1名の環境で、どのように練習を工夫されていますか?

 

チームメイトがいないと、どうしても自分に甘えてしまいそうになります。そうした状況を防ぐため、他大学との合同練習では、同じ学年のプレイヤーの動きを見て刺激をもらうようにしています。

また、1人で練習する時間は、細かい動きの確認を行っています。例えば、アメフトの「ブレイク」というストップ動作一つでも、自分で動画を撮り、「これでは相手を騙せない」と納得がいくまで繰り返し取り組みます。ウエイトトレーニングの頻度も増やし、入部した頃は80kgだったベンチプレスの重量も、今では105kgまで上げられるようになりました。監督がいない環境だからこそ、自分で考えてフォームや質を意識しながら練習に取り組んでいます。

 

 

——チームとしての今後の目標や、新入生へ伝えたいことを教えてください。

 

一番の目標は、合同チームとしてではなく「大谷大学の単独チームとして試合に出場し、勝利すること」です。そのために、まずは今年度、確実に部に残ってくれる新入生を5名確保することを目標としています。

アメフトは、体格のいい学生から、小柄な学生まで、それぞれの長所を活かして短所を補い合える、誰にでも活躍できるポジションがあるスポーツです。この魅力を伝えるために、まずは学内の「若葉祭」という新歓イベントや体験会を通して、アメフトの楽しさや部の雰囲気を知ってもらいたいと考えています。

 

——いつも応援してくださっている方々へのメッセージをお願いします。

 

 

自分がここまでアメフトを好きになれたのは、丁寧に教えていただいた先輩方のおかげだと思っています。心より感謝申し上げます。

私たちが先輩方に恩返しできることは、再び大谷大学の単独チームとして勝利することだと思っています。その目標を達成するためにも、新入生には、きつい練習も含めて本気で取り組むからこその楽しさや、大学生活で人間として成長できる経験を伝えていきます。先輩方の思いを受け継いで、大谷大学アメリカンフットボール部を立て直していきたいと思っています。今後とも変わらぬご支援のほど、よろしくお願いいたします。