初心者も経験者も留学生も。入れ替わりながら交流を広げるチームづくり——国際教養大学バレーボール部
留学が必修となっており、その影響で部員が短い期間で入れ替わり続ける国際教養大学バレーボール部。秋田市バレーボール協会に登録し、高校生以上が出場する一般カテゴリーの大会に出場しています。留学生や初心者を含め、国籍、年齢、経験の異なるメンバーが集まる環境で、順位を追うよりも、1点1点の過程を大切にしているチームです。バレーボールを楽しむこと、そして交流の幅を広げることを目標に活動を続けています。顔ぶれが変わり続けるからこそ生まれる面白さと、その一方で見えてきたチーム運営の課題。今回は、部長の本間琴野さんに、多様なメンバーと向き合いながらチームをつくる日々について伺いました。
——国際教養大学バレーボール部について概要を教えてください。
私たちは、秋田市内で活動しているバレーボール部です。部員は約30人で、留学生や初心者も在籍しています。
大学リーグには所属しておらず、秋田市のバレーボール協会に登録して、高校生以上の一般カテゴリーの大会に出ています。
私たちの大学は春・秋・冬の3学期制で、1年間の留学が義務になっています。そのため、部員が短い期間で入れ替わるのが大きな特徴です。
——チームの目標を教えてください。
一番大切にしているのは、バレーボールを楽しむことです。順位や成績を具体的に掲げる目標は置いていません。
理由は、試合に出るメンバーが固定されていないからです。人数によっては、初心者から始めた人をスタメンに置くこともあり、毎回顔ぶれが変わります。高い順位を狙うのは難しいため、ボールをつなぐことや、どう得点するかという一点一点の過程を重視しています。
留学生が日本人と交流するために入部してくれることもあるので、交流の幅を広げることも目標の一つです。

——部員が短い期間で入れ替わるのはなぜですか?
留学の時期が関係しています。三学期制なので、春学期の終わりから留学に行く人もいれば、秋学期の終わりから行く人もいます。冬学期が終わると、卒業や入学の時期になります。
留学生の入学時期も春と秋に分かれています。こうした時期が重なるため、チームの顔ぶれが変わり続けます。留学に行く人が抜け、帰国した人が加わる。この入れ替わりの激しさが、私たちの部の特徴です。
——入れ替わりが多いことに、良い面はありますか?
新しく部員がそれまでにない個性や役割を持ち込み、チームの色が変わるところです。抜けた分を埋めてくれる人が加わると、それまでとは違うチームになります。
同じポジションの人が増えることもあれば、足りなかったポジションに人が来てくれることもあります。そうなると選択肢が広がり、「こういうやり方もあるな」という発見があります。そこが面白いと感じています。

——入れ替わりで印象に残っている出来事はありますか?
カナダ出身で高身長の男子留学生が来てくれたことです。彼が加わったことで男子のブロック力が上がり、ネット際の強さが増しました。
女子の練習では男子が相手をしてくれるのですが、彼のブロックを相手に練習しておくと、試合では安心して臨めます。刺激にもなり、練習がより楽しくなりました。
もう一つは、日本語がとても上手な留学生と秋田市の試合に出たときのことです。相手チームが、普段とは違う雰囲気に少し戸惑っているように見えました。その彼があえて英語で私と盛り上がっていたところ、相手がミスをしてこちらに点が入りました。
狙ったわけではなく偶然だったのですが、それ以降、冗談交じりに「英語で盛り上げよう」と話すようになりました。
——試合当日はどんな雰囲気ですか?
緊張しすぎることなく、練習の雰囲気のまま明るく試合に臨めています。動きが固まったり、気持ちが下がったりすることは少ないです。
強い相手でも、ボールがつながったときはとにかく盛り上がります。つながらなかったときも、「切り替えよう」と前向きな声かけがよく出ています。
——チーム運営で感じている課題はありますか?
練習の組み立て方が課題です。今は全体で同じ練習をしていますが、初心者やまだバレーに慣れていない人に合わせて、基礎を中心に全員がボールに触れる練習にするのか、経験者に合わせて試合を想定した実戦的な練習にするのか、方向性が定まっていません。
同じ練習を続けるとマンネリ化しやすく、試合で使えるスキルが身につきにくい面もあります。どこにレベルを合わせて練習を組むかは、幹部の中でも、継続して話し合うべき課題になっています。

——課題にどう向き合っていますか?
女子の練習については、経験者から具体的な改善案が出ています。それを実際に取り入れて進めていく予定です。
初心者と経験者の差については、全員に同じ練習をそのまま課すのは難しいと考えています。そこで、たまにコートを2面に分け、片方を初心者、もう片方を経験者とカテゴリー分けしています。同じメニューでも、難易度の低い形と高い形で並行して行うためです。
同じ時間に取り組みながら、それぞれのレベルに合った練習ができるようにしています。男子中心の日・女子中心の日という練習日の分け方についても、その日の参加メンバーや課題に応じて練習内容を決めることにしました。
一度に解決するのは難しいので、少しずつ手を加えている段階です。
——引き継ぎで大変なことはありますか?
特に大変なのは、部長と会計の引き継ぎです。この2つは欠かせません。
部長業は主に連絡業務です。部員同士の連絡や学生課とのやり取り、外部から指導に来てくださる方、練習や試合で関わる秋田県立大学の方々、市の協会の方との連絡を取りながら、練習を回しています。
連絡を取る相手が多いので、慣れるまでは少し難しいと感じました。今は慣れてきましたが、留学で人が入れ替わるからこそ、こうした引き継ぎには毎年きちんと向き合う必要があると思っています。
役職に就くのは、基本的に下級生のうちから約1年間です。私自身も今後留学を控えています。

——資金面での取り組みについて教えてください。
Giving Campaign(学生向けオンライン資金調達イベント)で活動資金を調達しています。OB・OGの方にも応援してもらいながら広めていて、他大学の部と応援し合う仕組みも生かしています。他大学の方に、私たちの活動を知ってもらう機会にもなっています。
学園祭の時期と重なる場合には、来場された方に活動をアピールすることもあります。
使い道としては、古くなってきたボールや、老朽化した9人制のネットを新しくしたいと考えています。余裕があれば、ユニフォームも変えたいです。
現在、スポンサー企業はありません。これから募集していきたいと考えています。
——国際教養大学ならではの魅力は何ですか?
留学が卒業要件に含まれているところです。行くまでには、TOEFLの点数や必要単位などの条件があり、ある程度力をつけてから留学します。
少人数での派遣が多く、自分で行き先を選び、準備が整ったら行く仕組みなので、何もかも自分で進めることになります。その分、メンタルが鍛えられ、自信がつきます。
留学先同士で予定を合わせ、別の国で合流することもあります。
生活面では寮に入るので、人とのつながりが密接になります。試合やイベントの打ち上げなどの交流の場では、関係が深まり、その後の練習でも仲良く取り組めます。私にとっては、部の中でも特に好きなイベントです。

——いつも応援してくださっている方々へのメッセージをお願いします。
いつも応援してくださり、ありがとうございます。今後も応援していただけるようなチーム運営を続けていきます。
私たちの部は、国籍も年齢も経験も違う人が集まり、初心者も留学生も一緒にボールを触れる場所です。順位を追うより、バレーを楽しみ、交流を広げることを大切にしています。
バレーボールを楽しみたい人や、いろいろな人と関わりたい人にとって、居心地のいい場所だと思います。興味を持ってくださった方は、ぜひ気軽に見学に来てください。
これからも応援よろしくお願いいたします。
