部長として培った調整力が仕事に活きる理由――北海学園大学ソフトテニス部OB 小野國翔さん
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CTCエスピー株式会社でSE(システムエンジニア)として働く小野國翔さん。2024年に北海学園大学を卒業し、現在は、親会社の伊藤忠テクノソリューションズ(CTC)から受ける案件や直接取引する顧客に向けて、、ITインフラに関する製品・システムの提案、設計、導入を担当しています。
中学から大学4年生までソフトテニスを続け、大学時代には部長も経験。団体戦のメンバー選出をめぐって部員の意見を聞き、合意点を探る中で培った調整力は、今のSEとしての仕事にもそのまま活きているといいます。
今回は、小野さんに競技生活での経験と、現在の仕事とのつながりについて伺いました。

――現在のお仕事について教えてください。
CTCエスピーで、ITインフラ分野を担当するSEとして働いています。親会社のCTCから受ける案件に加え、自社で直接取引するお客さまに向けて、、ITインフラに関する製品の提案や導入に向けた設計を行うのが主な業務です。CTCグループの案件をはじめ、規模の大きな案件に携わる機会も多いので、SEとして成長できる環境だと感じています。
――CTCエスピーに入社した理由を教えてください。
もともとIT業界を志望して就職活動をしていて、最終的に今の会社を含めて3社で悩んでいました。最初はプログラマー寄りのエンジニアを志望していたのですが、選考を受けた現在の会社で、これまで志望先として意識していなかったITインフラ分野のSEを知り、、調べてみると面白そうだと感じました。選考の中で、当時の社長から直接「来てほしい」と声をかけてもらったもらったことが、最終的な決め手になりました。
――もともとIT業界を志望していたと伺いました。きっかけは何だったのでしょうか。
学部が情報系だったこともありますが、それよりも前から漠然とIT業界に行きたいという思いがありました。きっかけは、家族がデスクトップパソコンを組み立てており、小さい頃からその様子をそばで見ていたことです。パソコンを使ってシステムの設計や導入に関わる仕事をしたいという、漠然としたイメージを持っており、大学で学科を選ぶ際にも情報分野を選びました。

――ソフトテニス部での役職について教えてください。
大学2年生の終盤から、3年生にかけての約1年間、部長を務めました。4年生になると就職活動が本格化するため、代替わりのタイミングは早めでした。もともと部内に個性の強いメンバーが多く、積極的に意見を主張する部員と、周囲に合わせる部員がいたこともあり、前部長からは「まとめ役に向いている」という理由で自分が推薦されました。
――部長として一番苦労したことは何ですか。
団体戦のメンバー選出です。試合に出られる人と出られない人が分かれるので、選ばれなかった部員から「なぜあの人を使うのか」といった声が上がることもありました。感情的な対立にならないよう、これまでの大会の結果や直近の練習試合の内容を根拠にして、できるだけ客観的な根拠を示して説明するよう心がけていました。最終的には副部長や三役と相談しながら決めていましたが、根拠を説明しても納得してもらえないことがあり、部員の気持ちに配慮しながら合意点を探る難しさが一番の苦労でした。

――そこからどんなことを学びましたか。
自分だけで決めるのではなく、三役や部員の声を聞いた上で、大枠となる案を出す。そこから少しずつ調整して形にしていく、というプロセスの大切さを学びました。1人の声だけでなく全体の声を踏まえた上で、完成を待たずにたたき台を示し、意見を取り入れながら形にする進め方は、今の仕事にもそのまま活きていると感じています。
――部長時代の経験は、今のSEの仕事にどうつながっていますか。
私の仕事では、顧客の要望を整理する上流工程から、システムの構築や試験を行う下流工程まで携わります。部長時代の経験が特に活きているのは上流工程です。相談を受けた段階では、お客さまの要望が具体化されていないことも多く、まずは「どのような課題を解決したいのか」「何を実現したいのか」をヒアリングするところから始めます。そのキーワードをもとに、自社で取り扱う製品やサービスで実現できることを整理して提示し、必要かどうかを一緒に絞り込んでいく流れです。
これは、団体戦のペアやメンバーを決めるプロセスと似ています。部員それぞれの得意・不得意を見ながらバランスの取れる組み合わせを考え、実際に試してみて結果を確認する。お客さまに情報を提供しながら、必要な機能や構成を、お客さまと一緒に絞り込んでいくところは、当時の経験と共通していると感じます。ゼロから完成形をいきなり作るのではなく、仮の案を出してみて、そこから少しずつ精度を上げていく方法は、部活動でも仕事でも変わらない基本のプロセスだと捉えています。

――学業・部活動・アルバイトの両立はどのように行っていましたか。
正直、うまくできていたとは言えないと思います。入学した当時はコロナ禍で授業がリモート中心だったため、大学1、2年生の頃は比較的時間に余裕がありました。授業の時間を確認しながら、空いた時間にアルバイトを入れていました。部活動はコート代がかかるので、みんなでお金を出し合いながら活動していました。3年生以降は就職活動も本格化するため、就職活動に集中する時期をあらかじめ決めることで、、部活動とのバランスを取っていました。
――体育会出身者の進路について、どのようなイメージを持っていますか。
自分のようにIT業界に進む人や、メーカーでエンジニアとして働く人も、体育会系出身者の中には多くいます。所属していた部は、部員自身が練習への向き合い方を考えられる自由度の高い環境だったため、、自分は学業やアルバイトとの両立がしやすい環境にいました。同期を見ても、IT業界や地元での施工管理、国家公務員や地方公務員、自衛隊など、進路は本当にさまざまです。部活動で培った行動力やコミュニケーション力は、さまざまな業界で活かせると感じています。世間的には体育会系と聞くと体力を使う営業職のイメージを持たれがちですが、私自身も、情報分野の専門性と部活動で培った経験の両方を活かして、SEとして働いています。

――最後に、今の学生にやっておいた方がいいことがあれば教えてください。
社会人になると、お客さまとのコミュニケーションが日々の仕事に欠かせません。まずは友達だけでなく、アルバイト先のお客さまや先輩、部の監督や部長など、いろいろな相手とたくさん会話をしておくことをおすすめします。時には言葉遣いについて指摘を受けたり、うまく伝わらなかったりする経験も含めて、相手の意図を汲み取る練習を積んでおくことが、社会人になってからも役立つと思います。自分自身、話すことが好きなタイプで、いろいろな人と会話してきた経験が今の仕事にも活きていると感じています。
団体戦のメンバー選出という難しい判断に向き合い、まず案を出して調整するというプロセスを重ねてきた大学時代。その経験は、顧客の要望を整理し、提案を形にする現在のSE業務にも活かされています。体育会系での経験と大学で学んだ専門性を掛け合わせることで、進路の選択肢を広げられると語る小野さんの言葉は、これから進路を考える学生にとっても参考になるはずです。
小野國翔 / CTCエスピー株式会社 SE
中学からソフトテニスを始め、大学4年生まで続ける。大学時代は情報系学科に在籍し、大学2年生から3年生にかけての1年間、ソフトテニス部の部長を務める。2024年にCTCエスピーへ入社し、現在はインフラ系システムの提案・設計・導入を担当している。