IKKとしての第二創業期へ。ウェディングに次ぐ第2・第3の事業創造に挑む ——アイ・ケイ・ケイホールディングス株式会社
アイ・ケイ・ケイホールディングス株式会社は、福岡に本社を構え、全国19拠点(17都市)で結婚式場を展開しています。売上の約9割をウェディング事業が占める一方で、現在は食品・フォト・介護・ホテル・海外・人財事業へと領域を広げ、「第2創業期」に挑んでいます。その背景にあるのは、徹底した理念経営と“人を起点に事業をつくる”という考え方でした。現場出身の中嶋大祐社長と、経営戦略を担う永井康一執行役員に、IKKがなぜ挑戦を続けるのか、そして若者にどんなメッセージを届けたいのかを伺いました。

——貴社の事業内容について教えてください。
アイ・ケイ・ケイホールディングス株式会社(以下、IKK)は、全国19拠点で結婚式場を運営するホスピタリティ企業です。売上の約9割を担うウエディング事業を主軸に発展を続けており、創業80周年を迎えました。現在は1,033名(2026年3月時点)の社員が在籍しています。さらに、食品事業、フォト事業、介護事業、ホテル事業、海外事業、そして人財事業へと領域を広げ、多角的な成長を進めています。その根底にあるのは、“人を起点に事業をつくる”という同社独自の考え方です。こうした考え方のもと、社員一人ひとりの“やりたい”という想いが種となり、新たな事業が生まれるケースもあります。
IKKはコロナ禍を機に自らを“第2創業期”と位置づけ、ウエディングに続く新たな事業の創出に挑んでいます。”既存事業の強固な基盤を持ちながらも、変化を恐れず進化・成長するために、挑戦する姿勢”、それが現在のIKKの姿です。

——なぜ事業を多角化しているのでしょうか?
きっかけは、コロナ禍でした。結婚式の延期や中止が相次ぎ、一時的に売上が大きく落ち込んだ際、企業として永続していくためには、改めて第2・第3の柱を育てる必要があると考えました。
こうした背景から、IKKは食品やフォト、介護、さらにはホテル、人財事業へと事業領域を広げてきました。ただし、やみくもに事業を増やしているわけではありません。重視しているのは、「誰がやるのか」という視点です。強い想いを持つ人・社員がいる分野にこそ挑戦し、新規事業が生まれると思っています。
守りの多角化ではなく、常に将来を見据え、企業として成長し続けるための重要な戦略として取り組んでいます。
——御社のウェディング事業の強みは何ですか?
強みは、「感動を設計する発想」にあります。IKKでは、接客だけではなく、立地の選定、建物・空間の設計に至るまで、あらゆる要素を“お客さま目線”で徹底的に考え抜いています。
特に、「どこに・どんな式場を建てるのか」という点については、社内でも徹底的に議論を重ねています。なかでも大事にしている事は、自然と調和した空間づくりです。建物は年月とともに老朽化していきますが、自然は成長していきます。最初は小さな木や花であっても、5年後、10年後と時間が経つほど魅力が増し、空間の価値を高めてくれるのです。
また、空間設計だけでなく、人財育成の観点からも“体験価値”を丁寧に設計しています。この両輪を積み重ねてきたことこそが、IKKのウェディング事業の強さにつながっています。

——なぜ「理念」をここまで徹底しているのですか?
会社が拡大するにつれ、創業時に大切にしていた想いや価値観は、少しずつ見えにくくなっていくことがあります。IKKも拠点数や社員数が増える中で、「このままでは創業の精神が十分に伝わらなくなるのではないか」という危機感を抱きました。
そこで、その想いをあらためて言語化したのが、現在の理念です。何を大切にし、どの基準で判断するのかを共有することで、どれだけ組織が大きくなっても同じ方向を向いて歩めるようにしています。
現在は朝礼や昼礼、理念研修などを通じて、日常的に理念に触れる仕組みを整えています。入社初日から時間をかけて理念を学びますが、ただ覚えるのではなく、「自分ならどう行動するか」を考えるための大切な時間です。
また、採用の段階から理念共感を大事にしています。だからこそ、入社後も自然と理念が浸透していくのです。IKKにとって理念とは、日々の判断や行動を形づくる基準となっています。

——若手から裁量が与えられる理由はなんですか?
IKKでは、年次よりも「やりたい」という意志を重視しています。やりたくない人に任せるよりも、本気で挑戦したい人に任せた方が、成功の可能性は高まると考えているからです。
実際に、1年目からリーダーを任されることもあります。数年でチーフリーダーや支配人へとキャリアアップし、30代前半で海外拠点の役員を務める社員もいます。若手のうちから店舗経営に携われる環境は、一般的には多くありません。
その背景にあるのが、「人の成長なくして会社の成長はない」という考え方です。挑戦したいと手を挙げた人には積極的に機会をつくります。その分、責任も伴いますが、だからこそスピード感をもって成長できる環境が広がっています。
求められるのは、環境に変化を求めるのではなく、自ら変化しながら価値を生み出していく姿勢です。そうした覚悟を持つ人にとって、IKKは大きく成長できる環境が整っています。

——幹部育成プログラム「MELP」について教えてください。
IKKには、将来の経営人財を育てるための「MELP(メルプ)」というプログラムがあります。
正式名称は 「Management Executive Leadership Program」で、その名の通り、マネジメント・エグゼクティブ・リーダーシップを体系的に学ぶための仕組みです。
M:Management(マネジメント)
E:Executive(エグゼクティブ)
L:Leadership(リーダーシップ)
P:Program(プログラム)
参加できるのは、手を挙げた社員の中から選抜されたメンバーのみです。約2年間にわたり、経営に関する講義を受け、書籍を読み、レポートを作成し、現場で実行し、振り返るというサイクルを繰り返します。経営陣との定期的な1on1、OJTとOFF-JTの両輪、さらには内省・内観を通じた深い気づきを得る機会も多く、「学んで終わり」ではなく実践と改善を重ねることが特徴です。
決して楽なプログラムではありませんが、それでも挑戦する社員が絶えないのは、「もっと成長したい」という強い想いがあるからです。そして会社もまた、その覚悟に本気で向き合い、次世代のリーダーを育てることに力を注いでいます。
——第2創業期で働く面白さは何ですか?
一番の面白さは、すでに実績のある会社でありながら、まさに今が“可能性への挑戦の真っただ中”であるということです。
IKKは現在、自らを第2創業期と位置づけています。売上の約9割をウェディング事業が占めていますが、一方で観光・ホテル・人財事業など、新たな柱を育てている最中です。つまり、完成された組織に入るのではなく、これから形づくっていくフェーズに関われるのです。
たとえば人財事業は、まさに立ち上げの段階にあります。仕組みも営業手法も、まだ試行錯誤の連続です。その分、「こうしてみてはどうか」と若手が提案し、それを実行できる余白が大きく残されています。実際、手を挙げた社員が中心となって動かしているプロジェクトもあります。
ウェディング事業という強固な土台があるからこそ、新しい挑戦にも本気で向き合える環境があります。”0から1を生み出すやりがいを、若いうちから体感できる”、それこそが、第2創業期で働く醍醐味です。

——最後に学生へのメッセージをお願いします。
まずお伝えしたいのは、「今ある環境でベストを尽くす」ということです。
最善の結果は、いつでも“その瞬間のベストを積み重ねた先”にしか生まれません。一生に一度の人生だからこそ、悔いのない“今”を大切にして過ごしてほしいと考えています。
もう一つ大切にしてほしいのが、「ご縁」です。
社会は、人と人とのつながりで出来ています。人が人を呼び、人が仕事をつくり、時には人が運さえも運んできてくれます。人と人との信頼関係が、新しいチャンスを生み出す力になるからこそ、出会う人一人ひとりとのご縁を大切にしてほしいと思います。
そして、迷った時は「できるかどうか」ではなく、「やるかどうか」。
迷ったときこそ、一歩前に踏み出す方を選んでほしいと思います。
学生のみなさんが、これからの人生を自分らしく歩み、大きく成長していくことを心から応援しています。
中嶋 大祐
アイ・ケイ・ケイホールディングス株式会社 代表取締役社長
1984年生まれ。2007年にIKKへ入社。福井・福岡の支配人を歴任し、現場での実績を重ねた後、営業企画やフォト事業の責任者を務める。2026年1月、代表取締役社長に就任。現在は婚礼事業を軸に、フォト・海外・人財など新たな成長領域を統括する。現場出身の経営者として、「挑戦する人にチャンスを与える組織づくり」を推進している。
永井 康一
アイ・ケイ・ケイホールディングス株式会社 経営戦略室/執行役員
新卒で博報堂に入社し、マーケティングやブランディング領域に従事。その後、2020年よりトランス・コスモスにて事業戦略やデジタル領域を担当。2025年11月、縁をきっかけにアイ・ケイ・ケイホールディングスへ参画。現在は経営戦略室の執行役員として、第2創業期における事業戦略や人的資本戦略の設計を担っている。