「何をやるかより、誰と働くか」理念でつながるものづくりの魅力——株式会社スエヒロ工業
建設・建築の仕事に興味はあっても、「専門学部ではないから」と進路を諦めてしまう学生は少なくありません。しかし、建物づくりには多様な専門職が関わり、文理を問わず挑戦できる領域が広がっています。今回取材したスエヒロ工業は、専門工事のプロフェッショナルとして建設現場を支える重要な役割を担う企業です。同社が大切にしているのは、「何をやるかより、誰と働くか」という価値観。理念を軸とした社風に惹かれ、多くの社員が志を持って働いています。建設業界のリアル、専門工事ならではの魅力、そして“好き”を仕事に変えたい学生へのメッセージについて、代表取締役の櫻井さんと人事の石山さんにお話を伺いました。

——まずは、スエヒロ工業の事業内容を教えてください。
スエヒロ工業は、マンションやビルの大規模修繕工事を主軸に、建物の資産価値と安全性の維持に取り組んでいます。大規模修繕は、外壁や防水層などの劣化を早期に見つけて処置する、いわば建物の“予防医療”にあたります。放置すると雨漏りや構造の劣化が進むため、計画的な修繕は建物の寿命を左右する重要な工程です。
スエヒロ工業は静岡東部から神奈川、東京まで広範囲で事業を展開し、地域ごとの建物特性に合わせた施工を行っています。調査から工事、アフターケアまで一貫して関わることで、品質と工程管理の精度が高まり、住む人の安心につながっています。

——スエヒロ工業は、どんな強みを持つ会社なのですか?
スエヒロ工業の強みのひとつが、50社以上が参加する協力会社ネットワーク「櫻和会」です。長年の信頼関係を基盤としたパートナーシップにより、工事の規模や内容に応じて最適な専門業者と連携できます。信頼を積み重ねてきたこのネットワークこそが、安定した品質を支える大きな力になっています。
また「現場を支える力」にも強みがあり、丁寧な仕事と誠実な姿勢で信頼を積み重ねてきました。現場で働く職人や協力会社と密にコミュニケーションを取りながら、一つの建物を形にしていく。その過程には、机上では学べないリアルな“ものづくりの面白さ”が詰まっています。
社内には建設業界未経験で入社した社員も多く、文系出身者も活躍しています。建物が完成した瞬間の達成感や、街に残る仕事に関われる喜びは、建設業ならではの魅力と言えます。
——建築系の学部でなくても活躍できる理由を教えてください。
ゼネコンや設計会社では建築全般の知識が求められる一方、専門工事会社では現場経験を通じて学ぶことができ、手を動かしながら専門知識を身につけていけます。現場管理の仕事では、図面を読む力だけでなく、人との調整やチームで進める力が重視されるため、文系出身者にとっても挑戦しやすい環境が整っています。
大学進学の段階で建築学科を選ばなかったことを理由に、「自分は建設業を選べない」と進路の選択肢から外してしまう学生は少なくありません。思い込みにより可能性を狭めている学生たちに向けて、スエヒロ工業は「建設の仕事にはもっと広い入り口があることを伝えていきたい」と考えています。
——石山さんにお伺いします。理念を大切にする社風とのことですが、大切にしている考え方は何ですか?
「何をやるかより、誰とやるか」を大切にする文化です。社長が掲げる想いに共感し、その価値観に惹かれて社員が集まっています。
理念に基づく経営は、行動指針を明確にするだけでなく、社員同士の結束を強める効果もあります。現場で判断が求められる場面でも、理念に沿って考えれば迷いなく行動できるため、組織として意思決定がぶれません。
また、社長自身が非常に熱量のある人物であり、その姿勢は社員のモチベーションにも影響を与えています。会社として目指す方向性を若手社員でも社長から直接聞く機会があります。目指す方向は半期に一度、目標設定に反映されるので段階的に挑戦ができる環境です。
——組織の雰囲気や働く環境についてもお伺いできますか?
会社の雰囲気を一言で表すなら、“人の温もりと誠実さを感じられる組織”です。社員同士が互いを尊重し、助け合いながら働く文化が根づいています。
静岡県沼津市にある本社と東京支店は地理的に離れていますが、コミュニケーションがとれ、電話一本で連携ができる関係です。それは、理念を軸に同じ方向を向いているからこそだと感じています。情報共有や相談もしやすく、距離を感じさせないチームワークが築かれています。
社長との距離が近く、意見を伝えやすい環境が整っています。社長は現場への情熱を持ちながら、社員一人ひとりの状況にも目を配っており、安心して意見交換ができる存在です。

——採用においてどのような学生と出会いたいと考えていますか?
スエヒロ工業が求める人物像は、専門性よりも「人としての姿勢」を大切にできる方です。建設の知識がなくても、ものづくりが好き、建物が好き、人と協力して何かを成し遂げるのが好き──そんな想いを持った学生に、ぜひ門を叩いてほしいと考えています。
また、専門工事の世界は地味に見える部分もありますが、建物づくりの根幹を支える誇りある仕事です。自分の仕事が街に残るという実感を得たい学生にとって、建設業はとても魅力的なキャリアになるはずです。
——建設業の魅力を学生に伝える上で、どのような工夫をされていますか?
現場で働く人の考え方や仕事のやりがいを、できるだけリアルに発信することを心がけています。建設業、特に専門工事の領域は学生にとって仕事内容が見えにくく、「どんな会社なのか想像しづらい」という課題があります。そのためスエヒロ工業では、働く人の価値観や日々の取り組みを丁寧に伝え、現場見学を必ず実施し、建設現場で働くことへのイメージをつけてから、面接へとステップを進めるようにしています。
また、建設業は“知らないから選べない”だけで、本当は可能性にあふれた世界です。だからこそ、その魅力が正しく届く場をつくっていきたいです。会社の想いや現場で働く人の姿を発信することで、学生が新しい業界に出会うきっかけを生み出したいと考えています。

——最後に、建設の仕事に興味がある学生へメッセージをお願いします。
学部を理由に、ものづくりの夢を諦めないでほしいです。
建設の仕事は、専門知識がなくてもスタートできる道が数多くあります。現場で学び、仲間と協力しながら技術を身につけ、自分の手が関わった建物が街に残っていく、誇りある仕事です。
スエヒロ工業は、人の想いを何よりも大切にしてきました。理念に共感し、仲間とともに成長していきたいと考える方にとって、安心して挑戦できる環境だと思っています。新しいことに挑戦したい方、自分の可能性を広げたい方は、ぜひ建設業の扉を叩いてみてください。
櫻井 弘紀
スエヒロ工業の代表取締役。高校時代には極真空手で全国大会準優勝を経験し、専門学校で建築設計デザインを学んだ後、建築士資格を取得。防水工事の職人として修業を積み、22歳で同社へ入社。翌年、創業者でもある父の逝去を受け、23歳で二代目社長に就任した。若くして会社を率いる立場となった経験を糧に、業界の慣習にとらわれない改革や働きやすい環境づくりにも積極的に取り組んでいる。社員一人ひとりの挑戦を後押しし、“スエヒロ工業らしい未来”を模索し続ける。
石山 千華
スエヒロ工業の採用・人事を担当。ファーストキャリアはNHKキャスターで、大学卒業後は複数の地方局で情報番組キャスターやニュースのリポーターとして活躍。人の話を深く聞き、魅力を引き出すコミュニケーション力を武器に、テレビやラジオで多くの取材・発信を行う。
その後フリーランスとして櫻井社長を取材したことをきっかけに、同社の理念や温かい社風に惹かれ、社員として入社。現在は新卒採用を中心に、人や組織の魅力を外へ届ける役割を担う。