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“高度専門人材”のポテンシャルは、まだ埋もれている——株式会社アカリク

2006年11月に創業された株式会社アカリクは、高度専門人材向けの採用・キャリア支援を行う会社です。

株式会社アカリクは、2006年の創業以来、大学院生(修士・博士)やポストドクターなどの“高度専門人材”に特化したキャリア支援を行っています。就職情報活動サイト「アカリク」をはじめ、大学院生向けの就活イベントやエージェントサービス(新卒・中途)など、研究とキャリアの両立を支える、大学院生や研究者に特化したサービスが強みです。

“高度専門人材”のキャリアに特化することには、どのような想いがあるのでしょうか。

今回は、代表取締役の山田諒さんに、事業の概要や専門人材支援への想いについて伺いました。アカリクならではの価値、代表就任時の葛藤、これから一緒に働きたい人材に対する想いをお伝えしていきます。

 

 

——貴社の事業内容について教えてください。

 

当社は、大学院生やポストドクター、研究者などの“高度専門人材”を対象とした採用・キャリア支援を行う会社です。研究内容や専門スキルを活かした就職・転職をサポートすることを軸に、大きく4つのサービスを展開しています。

まず1つ目が、社名にもなっている「アカリク」。アカリクは、大学院生の4人に1人が登録する大学院生(修士・博士)、ポストドクター、理系学生のための就職活動サイトです。大学院生が研究内容・スキル・自己PRなどを登録し、それを見た企業からスカウトが届く仕組みになっています。

次に2つ目は「アカリクイベント」。大規模な就活イベントから30〜50名規模の専門領域向けイベントまで、年間120本ほど開催しています。半導体・製薬・ITエンジニアなど、理系院生の専門性に合わせたイベントを企業と共に企画しています。

3つ目は新卒向けの人材紹介サービスである、「アカリク就職エージェント」。キャリアアドバイザーが大学院生の研究スケジュールに合わせながら、内定まで伴走するサービスです。

最後に4つ目は設立が1番新しい、中途向けの人材紹介の「アカリクキャリア」です。研究機関に進んだ方や、研究職から民間へのキャリアチェンジを希望する人に向けた転職支援を行っています。

この4つの事業を通じて、専門性を持つ方々が研究とキャリアを両立しながら、自分に合った活躍の場を見つけられるようサポートしています。

 

 

——前職はIT人材の人材紹介の仕事をしていたと伺いました。アカリクで“高度専門人材”を対象とした採用・キャリア支援を行うようになったきっかけは何ですか?

 

人材ビジネスに携わる中で、ずっと大切にしてきたのが「適材適所」と「三方良し」という価値観です。これは、私の家族がキャリア面で大きく苦労した経験が原体験になっています。“その人が本来活躍できる場所に出会えること”がどれだけ人生を変えるのかを、身をもって感じてきました。

そんな中、当時のアカリク株主の方と食事をした際に、博士号を取得し、ポスドクとして研究を続けていた方が、ミドルの年齢で契約終了となり、アルバイトで生計を立てているという話を聞いたんです。

さらに、私の知り合いにも、研究費カットによってポスドクになる道が閉ざされたものの、民間企業に進んで大きく活躍している方がいました。

どちらも努力家で優秀なのに、キャリアの差はあまりにも大きい。「高度専門人材にこそ、適材適所が実現されていない」という現実に強いショックを受けました。

「博士号を取得するほどの専門性の高さや努力は、社会で正当に評価されるべきで、活躍できる場はもっとあるはずだ。」この経験で生まれた信念が、アカリクで高度専門人材のキャリア支援に取り組む原動力となり、今の仕事のきっかけになりました。

 

——社長に就任した当時、苦労したことはありますか?

 

就任当初に苦労したのは、「外から来た社長」として、信頼を築き、組織を動かしていくことでした。

最初はどうしても警戒されるので、まずは信頼づくりに徹しました。入社当初は既に40名ほどのメンバーがいたため、積極的に社員一人ひとりと対話をしたり、自分が率先して企業開拓を行ったりと距離を縮める関わりを積極的に行うことを意識しました。結果として半年ほどで社内のメンバーと信頼関係を構築できました。事業をゼロから作るのではなく、“既存の組織をより良くする”難しさは、これまでにない課題だったと感じています。

 

——事業部長として事業を動かすことと、経営者として会社を動かすことには違いはありますか?

 

まったく違います。事業部長の頃は “事業を伸ばすこと” に全力集中できましたが、経営者になると視野もミッションも一気に広がります。

たとえば事業部長は、担当する事業を伸ばすことや成果を出すための仕組みづくりなど、その“担当領域のみ”に集中できます。しかし経営者になると、それだけでは足りません。経営者として会社全体を継続・成長させるためには、攻め(営業・マーケティング・新規施策) だけでなく、守り(採用、育成、イベント企画) まで責任を問われます。事業を伸ばすためにお金を使う“攻めの判断”もしますし、採用した社員が定着し、能力を発揮できる環境を作る“守りの設計”も必要になる──視野も責任範囲もまったく異なる、“別物の仕事”だと痛感しています。

 

 

——貴社ならではの強みを教えてください。

 

最大の強みは、20年以上にわたり大学院生・研究者支援に特化してきた実績と、大学との深いつながりです。多くの大学のキャリアセンターと強固な関係を築いており、大学内でキャリアイベントや個別面談を行う“産学連携チーム”があることは他社にない特徴です。

また、新卒社員の約半数が博士課程を経験するなど、研究領域に深い理解を持つメンバーが多いことも強みです。さらに、アカリクラウンジのように「大学の中に拠点を設け、研究の合間に就活できる環境」を提供しているのも、当社ならではの価値だと思います。

 

——採用時、学生のどんなポイントを見ていますか?

 

重視しているのは、“当事者意識を持って自ら行動できるか”という点です。指示待ちではなく、自分事として考え、動ける人はどの部署でも活躍します。また、「思考すること」──成果を出すために「もっと良いやり方はなかったか」と振り返れる向上心も大切にしています。

人材ビジネスは「企業・学生・自社」という三者すべてに価値を届ける“三方良し”の考え方が求められる仕事です。誰か一方だけに偏らず、誠実に価値を提供できるか、ギブの精神があるかどうかなどマインド面も意識して見ているポイントです。

 

——貴社に入る価値や魅力を教えてください。

 

当社で働く魅力は、最先端の研究や専門分野に触れることができる点、そしてその実現に向けて行動する人たちを支援できることです。イベントや面談を通して、研究者の方々が取り組んでいるテーマを直接聞けるので、日々“知らない世界が広がる”面白さがあります。

また、社内には多様なバックグラウンドを持つメンバーが多く、互いに異なる専門知識や視点を学び合える環境があります。縦のキャリア(リーダー・マネージャー)も、横のキャリア(企画・イベント・マーケ・営業など)も本人の意思があればチャレンジできる風土があります。「成長したい」「いろんなキャリアを試したい」という学生にとって、選択肢が広がる環境です。

 

——貴社で活躍する人材にはどんな特徴がありますか?

 

素直に考え・アドバイスを受け止め、行動に移せる人です。指示待ちではなく、自分で課題を見つけて動けるタイプは成長スピードも上がります。さらに、当社は部署をまたいだ連携が多いため、社内メンバーと協力しながら成果をつくれる“協働力”も大切です。専門性の高いユーザーと向き合うため、新しい知識を学ぶ意欲を持っている人も活躍しやすいです。

 

 

——最後に、学生に向けてメッセージをお願いします。

 

学生時代はどうしても、研究室やサークルなど身近な人間関係の中で完結しがちです。

だからこそ、あえて“外の世界”に出て、いろんな価値観や人に触れてみてください。学生時代はどうしても研究室やサークルなど、限られた人間関係の中で完結しがちです。しかし社会に出ると、強制的に多様なバックグラウンドや考え方を持つ人たちとの関わりが増えます。その前段階として今のうちに、“自分とタイプの違う人”と話してみたり、新しいコミュニティに一歩踏み出したりする経験が、将来の自分の引き出しや対応力につながります。

そしてもうひとつ。一生懸命やり切った経験は、状況が変わっても成果につながる“再現性のある力”になります。ぜひ、自分の可能性を広げる挑戦をたくさんしてほしいです。

 

山田 諒
代表取締役 

1988年8月生まれ。神奈川県相模原市出身。社員研修や人材育成、転職・就職支援等、HR経歴10年以上。前職ではITエンジニアに特化した人材紹介事業を立ち上げ、100名規模に成長。自身は事業部長として新卒・転職エージェントとヘッドハンティング領域を管掌。2021年4月より株式会社アカリク代表取締役社長に就任。

 

 

執筆:青木千奈(株式会社Koti)