税務だけで終わらせない。財務×経営で中小企業を支える若手主導の税理士事務所——ステラリンクス税理士事務所
代表・北島智行さんの「お金に困る人をなくしたい」という原体験から生まれたステラリンクス税理士事務所。税務・会計だけでなく、経営そのものを支える伴走型支援に力を入れ、中小企業が抱える財務の不安を解消し、未来へ踏み出す力をつくる——その思いが事務所の根底にあります。
今回は、代表の北島さんに、事務所が大切にしている価値観、中小企業支援への思い、若手育成、本業外での社会活動、そして今後の展望まで、幅広くお話を伺いました。

——まず、ステラリンクス税理士事務所の事業内容について教えてください。
当事務所は、税理士事務所とコンサルティング会社を併設し、中小企業を中心に税務計算・決算書作成から、経営計画づくり、資金繰り支援までワンストップで支援しています。
税務の専門家として所得税・法人税・消費税などの計算を行うことに加え、経理担当者がいない企業のための決算書作成や、中期・短期の経営計画策定、PDCAサイクルの実行支援など、数字を“経営判断に結びつける”コンサルティングに注力しています。
「お金に困る人をなくしたい」という原体験が、税務と経営の両面から支える今の事業スタイルにつながっています。
——“お金に困る人をなくしたい”という思いは、どこから来ているのですか?
実は、自分自身の家庭環境に由来するものなんです。父が建築業を営んでいたのですが、バブル崩壊の影響で経営に大きな打撃を受け、家庭が経済的に苦しくなった時期がありました。
その経験から、「お金があれば避けられる苦しみがある」と痛感しました。
だからこそ、困る前に力になりたい。税務を“事務処理”で終わらせず、伴走型の支援を大切にしているのは、この原体験が大きく影響しています。
——コンサルティングに力を入れるようになった背景を教えてください。
20代後半の頃、日本の企業の99.7%が中小企業であり、労働人口の約7割がそこで働いているという事実を知りました。「日本を元気にするには、中小企業を良くするしかない」と思い、コンサルティングの世界に進みました。
しかし、コンサルタントとして関わるのは「困ってから」相談に来る企業がほとんど。
本気で「困らない社会をつくりたい」と考えるなら、もっと早い段階で関われる立場であるべきだと感じました。
その時、日本政策金融公庫の調査で「経営の相談相手として最も選ばれているのは税理士」というデータを目にし、「税理士なら、企業が苦しくなる前から寄り添える」と確信。そこから税理士への道を選びました。

——中小企業の社長が、経営相談の相手として税理士を選ぶのはなぜだと思いますか?
中小企業の経営者が税理士に相談する理由は、大きく二つあると感じています。
一つは、経営者同士だからこそ“会社の厳しい内情”を本音で話しにくいからです。身近な仲間に業績不振や資金繰りの問題を明かすことで、人間関係が気まずくなる可能性や、場合によっては取引停止につながるリスクを考えてしまう。状況が悪いほど、誰にも言えなくなるケースが少なくありません。
もう一つは、税理士という存在自体が「スポットではなく、伴走している専門家」だと認識されているからです。コンサルタントはプロジェクト単位で期間が限られているケースが多いのに対し、ほとんどの中小企業が税理士と継続的に関わっています。毎月の数字に目を通し、経営の変化も把握している——そんな距離感だからこそ、経営相談の相手として最も選ばれているのだと思います。
——従業員の構成と採用の傾向について教えてください。
当事務所の平均年齢は約26歳で、私(北島)以外は全員20代です。採用は経験者が多く、顧客層の約8割が「税理士の変更」で来られる方々です。つまり、「もっと良いサービスを受けたい」「事業を成長させるための伴走支援がほしい」というニーズが強く、その期待に応えるため、他事務所で経験を積んだ後、より高度な仕事に挑戦したいという志向の人が当事務所を選んでいます。
——従業員に求める姿勢と、この仕事のやりがいはどこにありますか?
最も重視しているのは「学ぶ姿勢」です。税務会計の知識だけでなく、経営には“正解のない課題”が多くあります。お客様の課題が営業、人事、組織づくりなど多岐にわたるため、幅広く情報収集し、自ら学び続ける姿勢が欠かせません。
“好き嫌いではなく、お客様視点で動ける人”が活躍しています。
特に、経営改善が実現し、お客様が本気で喜んでくれる瞬間は、この仕事ならではの大きなやりがいです。
——教育体制について教えてください。
教育は4つの方法で体系化しています。
①社内マニュアル(約800個)
過去の業務を整理し、誰でも再現できるよう構造化しています。
②書籍(電子化)
専門書をすべて電子化し、タブレットでいつでも読める環境を整備しています。
③レクチャー(対面・オンライン)
初めての業務や不明点については、先輩や私が丁寧に解説します。
④OJT体制(2名体制)
担当者と上のメンバーがペアでサポートし、実践を通じて学びます。
この4段階で、誰でも着実に成長できる仕組みをつくっています。
——若手社員のキャリアパスは、どのような流れになりますか?
未経験者のキャリア例は次のようなイメージです。
1年目
・知識をつける期間
・先輩の同行
・マニュアルの読み込み
2年目
・自分で業務を行うようになる
・ひと通りの税務実務に慣れてくる
3年目
・新しい相談にも自分で調べて結論を出せるようになる
4年目以降
・経営コンサルティング領域へ
・経営改善、資金調達、事業計画など、税務以外にも深く関与
税務だけでなく、経営の伴走者として成長できるのが特徴です。
——社内の雰囲気やコミュニケーションの取り方はいかがですか?
雰囲気はとてもフラットで「気軽に話せる」環境です。毎朝のチェックインで状況を共有し、リモートワークでもすぐに声をかけられるよう、Zoomを常時つないだり、コミュニケーションしやすい仕組みを整えています。
若手でも遠慮なく意見でき、困ったときはすぐに相談できる。そんな空気感を大切にしています。
——本業以外にも、大学講師やコミュニティ運営に携わっているそうですね。
はい。大学では、財務の基本や経営の実例、ビジネスマインドなどを学生に伝えています。
共通しているテーマは「若者が将来に夢と希望を持てるようにすること」。
また、起業家コミュニティの幹事や、児童施設でのキャリア紹介活動にも関わり、若い世代の選択肢を広げる取り組みを続けています。

——大学1・2年生へ。今のうちに大切にしてほしいことは何でしょうか?
大学1・2年生には、「とにかくいろんなことに興味を持って学んでほしい」と伝えたいです。中小企業の経営支援では、税務の知識だけでは足りません。きのこの栽培方法から筋トレの話まで、顧客の業種に合わせて幅広い知識が必要になります。
大学での一般教養、一見関係なさそうな専門外の分野、サークルで広がる人脈など、こうした“幅”は、社会に出たあと驚くほど活きてきます。若いうちに視野を広げ、多様な人と関わり、知識と人脈のストックをつくることをぜひ大切にしてほしいです。
——大学3・4年生へ。就活で飛躍するための鍵は何でしょうか?
就活生にとって最も重要なのは、自分の「志」を言語化することです。そのためには、多くの人に自分の考えを話し、できれば500回以上アウトプットしてみてください。話せば話すほど思考が研ぎ澄まされ、人からの反応を通じて客観的な強みや進むべき方向が明確になります。
採用側が見ているのは、今の能力だけではありません。「この先どれだけ成長できるのか」「どんな未来を描いているのか」――つまり、“志の解像度”が高いほど企業とのミスマッチも減り、より良い選択ができるようになります。
また、人脈づくりには、既存の知り合いからの紹介を受ける方法のほか、学生起業家が参加するコミュニティや、社会人の趣味サークルに飛び込んでみる方法もあります。興味のあるテーマでつながる人脈は、無理なく広がり、将来のキャリアの大きな財産になります。

——最後に、今後の展望を教えてください。
私たちの使命は、中小企業を元気にすること。そして、日本全体の未来を明るくすることです。
税務・会計はもちろん、企業が“倒れない未来”をつくる経営支援を今後も強めていきます。
また、若い力が育つ組織として、税理士・会計・経営の枠を超え、幅広いフィールドで挑戦できる環境づくりにも取り組む予定です。
「お金に困る人をなくしたい」
「挑戦する企業と人の伴走者でありたい」
そんな思いを胸に、これからも歩み続けます。
■北島 智行(きたじま ともゆき)
ステラリンクス税理士事務所 代表
福岡県出身。事業会社で財務・経営管理に携わる中で、中小企業支援の重要性を実感しコンサルティング会社へ転職。より早い段階から企業に寄り添いたいという思いから税理士へ転身し、ステラリンクス税理士事務所を設立。税務・会計に加え、経営計画づくりや実行支援まで踏み込む伴走型支援を行うほか、大学講師やコミュニティ運営など、若手育成・社会貢献にも取り組んでいる。