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“アイドル経歴”を強みに変える。ツギステが紡ぐセカンドキャリア支援——株式会社ツギステ

「ラストステージより輝く、日常を。」この言葉をスローガンに掲げる株式会社ツギステは、アイドル・芸能経験者のセカンドキャリア支援を行う企業です。

挑戦する人に寄り添い、その先の未来を支えることをサポートする想いは、どう生まれ、これからどう展開していくのか。

今回は、取締役の桜のどかさんに、設立の背景や事業に込めた想い、そして“挑戦が価値になる社会”への展望を伺いました。

 

 

 

——貴社の事業内容について教えてください。

 

当社は「ラストステージより輝く、日常を。」を掲げ、アイドル・芸能経験者のセカンドキャリア支援を行う企業です。人材紹介だけでなく、企業広報やイベント出演の機会づくりなど、キャリアの選択肢を広げる支援も提供しています。それらを通して、アイドルや芸能経験者とビジネスをつなぐ架け橋となれるよう、新しい可能性とキャリアの形を切り拓いています。

 

——アイドルの人材紹介をしようと思ったきっかけは何ですか?

 

私や代表はもともと、アイドルグループ「仮面女子」で約9年間活動していました。その経験の中で、多くのアイドルが卒業後にセカンドキャリアで悩む姿を見てきたことがきっかけです。

アイドルがキャリアに悩む背景には、大きく2つの理由があります。

1つ目は、まず「就職する」という選択肢自体を持ちにくいこと。就職活動に触れた経験もなく、身近に社会とつながるロールモデルも少ないため、何から始めていいのかさえわからないのです。

2つ目は、転職サイトの登録や面接の場で、“アイドル”という経歴をどのように表現し、強みに変えて伝えればいいのか迷ってしまうことです。

こうした状況の中で、就職に対するハードルが高く、サポートしてくれる企業も少ない現状を知りました。「ないなら自分たちで作ろう」と思い立ったのがツギステ設立の原点です。

 

 

アイドル時代にゼロからグループを立ち上げ、5年でさいたまスーパーアリーナ単独ライブを実現した経験が「ないものをつくる」「挑戦を形にする」という今の事業にもつながっています。

 

——アイドルから一般企業に就職する際、どのような壁がありますか?

 

エージェントによってはアイドル活動の扱いに迷われることがあり、アイドル活動期間を職歴として記載できないため、履歴書に“空白期間”が生まれてしまいます。

その結果、アイドルとして積み重ねてきた社交性や発信力、コミュニケーション能力といった強みが十分に言語化されず、“経験がない”と見なされてしまうケースもあります。

そのため、職種も絞られてしまい、選択肢が狭く感じられてしまうことも少なくありません。

ツギステでは、こうしたアイドル経験を「スキル」として適切に言語化し、より広いキャリアの可能性につなげるサポートを大切にしています。

 

——実際にセカンドキャリアで活躍されている元アイドルの方はいますか?

 

はい。元アイドルの方がIT系企業の人事としてご入社後、わずか半年で自社採用を9名成功させた事例があります。

また、アイドル時代に培ったSNS発信力を活かし、企業アカウントのフォロワー数を短期間で大幅に拡大させ、採用広報やブランド認知向上に貢献した方もいらっしゃいます。

このように、コミュニケーション力・発信力・ファンづくりの経験は、ジャンルを問わず、多くの企業様に高く評価いただいております。その中でも特にご活躍いただいている職種は、人事・採用広報・営業職など “人と向き合う” ポジションです。アイドルは人前に立ち、相手の感情を読み取りながら場をつくる経験が豊富なため、こうした職種との親和性がとても高いと考えております。

 

 

——貴社の社風や大切にしている価値観について教えてください。

 

当社のビジョンは『全ての挑戦が価値になる社会』です。

挑戦の価値を理解していても、「失敗が怖い」と踏み出せない人は多くいます。

だからこそ、挑戦の先にある不安やリスクを減らすため、「挑戦の先を保証する仕組みづくり」を使命としています。

社内では「まずやってみよう」という文化が根づいており、失敗を恐れず行動することを大切にしています。

また、お客様との関わりでは「安与(あんよ)」=「安心×寄り添い」をキーワードにしています。人生の転機である就職・転職の場面で、安心して一歩を踏み出せるように、これからも支援を続けていきたいです。

 

——現在、インターン生も在籍しているとのことですが、採用基準はありますか?

 

やる気にあふれ、自分の意志や目標を持って挑戦できる方と一緒に働きたいと考えています。言われたことをただこなすだけでなく、「自分は何をしたいのか」という軸を持って行動できる方を歓迎しています。

インターン生には、まず会社理解と先輩のサポート業務から始めてもらいます。その後は、能力に応じて小さなプロジェクトを任せ、卒業時には“自走できる力”を身につけることを目指しています。

 

 

——学生へのメッセージをお願いします。

 

「とりあえずやりきる」ことを大切にしてほしいです。今しかできないことに全力で取り組み、チャレンジし続けてください。大人になると新しいことへ挑戦しづらくなりますが、若いうちの経験は必ず将来の糧になります。

皆さんの可能性は無限大です。学生生活での経験を大切に、自信を持って“なりたい自分”に挑戦してください。

 

桜 のどか

2010年アイドル活動を開始。2013年にアイドルグループ「仮面女子」のリーダーとして活動。2015年にはインディーズ女性グループ初のオリコンウィークリー1位を獲得し、さいたまスーパーアリーナ単独ライブを開催。2018年にアイドルを卒業した後、女優として活動を開始。2023年に「株式会社ツギステ」を設立し、2024年に取締役に就任。

 

執筆:青木千奈(株式会社Koti)