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なぜ資金不足の国公立大学が、無敗で2部リーグを制すことができたのか?——新潟大学学友会サッカー部

北信越大学サッカーリーグ2部で「無敗優勝」を果たし、1部昇格を決めた新潟大学学友会サッカー部。潤沢な資金や設備を持つ強豪私立とは対照的な環境で、なぜ彼らは勝ち続けることができたのでしょうか。その背景にあったのは、理系学生が7割を占めるチームならではの「仮説を立て、検証し、改善する探求心」と、運営のすべてを学生自身で担う自律した組織文化でした。本記事では、新潟大学学友会サッカー部の活動内容やチームの特徴、現在直面している課題、そして未来への展望について話を伺いました。

 

 

——活動概要について教えてください。

 

新潟大学学友会サッカー部は、大学外にあるグランセナサッカースタジアムを拠点に活動しています。活動日は火曜日から日曜日までの週6日で、練習時間は朝6時から8時までです。月曜日はオフ日とし、学業や疲労回復に充てています。朝練を中心としている理由は、授業とアルバイトとの両立を考えた結果です。練習後はそのまま大学に向かい、授業を受け、夕方以降はアルバイトするという生活リズムが多くの部員に定着しています。朝早くから練習という厳しいスケジュールではあるものの、サッカーも大学生活もどちらも本気で取り組みたいという思いを実現できる環境です。冬の期間はリーグ戦がないため、基本的にはオフの期間となりますが、大学の体育館でのフットサルや、筋力トレーニングなど、各自が課題を向き合う期間としています。

 

——部員構成やチームの雰囲気について教えてください。

 

現在の部員数は、1年生が25名、2年生15名、3年生13名となっています。マネージャーは2年生までを中心に在籍をしています。部員のほとんどはサッカー経験者ですが、中には高校で別の競技をしていた部員もおり、多様なバックグラウンドとなっています。文理比率は3:7で理系のメンバーが多く、特に工学部の学生が多いのも特徴です。県外出身で一人暮らしをしている部員が多く、練習時間外でも交流を持っています。チームの雰囲気を一言で表すなら「仲の良さ」と「向上心」が共存している点です。練習時間でもそうではなくても、日々コミュニケーションをとっているため、練習や試合でも活発に声が飛び交います。仲がいいということだけではなく、互いに高めあおうとする意識がチーム全体に根付いています。

 

 

——練習内容や工夫している点は何ですか?

 

新潟大学学友会サッカー部では、ゲームキャプテンを中心とした戦術班が練習メニューや戦術方針を考えています。朝早い時間帯での練習ということもあり、いきなりハードなトレーニングを行うのではなく、体を起こすためのメニューからスタートし、基礎練習、戦術練習へと段階を経て練習を進めていきます。また、モチベーション維持のため、週に3回程度ゲーム形式の練習を取り入れています。試合に近い形でプレーすることで、自然と競争意識が生まれるよう工夫しています。

 

——学生主体での運営について教えてください。

 

チーム運営は全て学生主体で行われています。チームキャプテンをはじめ、戦術分析、会計、用具管理、ビデオ担当、広報担当など、役割分担が明確に決められています。今年からは新たにスポンサー係を設置し、1年生を中心に企業へのアプローチにも取り組み始めました。学生だけで組織を動かすことで、「自分たちの判断が結果に直結する」という主体性と責任感が自然と育っています。一方で、意見の衝突や調整が必要な場面もあります。役割と責任、意見を持つことで部員一人ひとりがチームの一員であるという自覚を持つようになっています。

 

 

——現在直面している課題は何ですか?

 

最も大きな課題は、資金面です。年間の活動費は約400万円にのぼり、国公立大学の部活動としては決して小さくない負担です。現在はスポンサーがいないため、部員から毎月約5,000円の部費を徴収して部活動を運営しています。移動費や施設利用料、備品購入など活動を続けるためには安定した資金が欠かせません。今年から大学の制度が変更となり、正式にスポンサー獲得が可能になったことを受け、チームとしても本格的に動き出しました。スポンサー名が入ったユニフォームを着てプレーすることは、部員のモチベーション向上にもつながると考えています。

 

——これまでで印象に残っている出来事はありますか?

 

北信越大学サッカーリーグ2部で無敗優勝を果たしたことは、大きな自信につながりました。勝ち続ける中で、自分たちの積み重ねてきた取り組みが間違っていなかったという確かな手応えを得ることができたと思います。勝利までに苦しい時間も経験してきましたが、その都度声を掛け合い、戦術を修正しながら掴み取ってきた勝利によって、チームの結束力も高まったと感じます。過去に1部リーグで戦った際には、わずかな判断ミスがそのまま失点につながり、勝つことの難しさを痛感しました。強豪校との試合では、わずかな判断ミスや集中力の低下がそのまま失点につながりました。やはり、1部と2部の実力差は大きく、今後は1部で勝利を勝ち取り、リーグに残留していくことを目標にしていきたいです。

 

——今後の目標を教えてください。

 

短期的な目標は、1部残留とスポンサーの獲得です。まずは1部の舞台で戦い抜き、簡単には負けない集団であることを示したいと考えています。そのためにも、日々の練習強度や、試合への準備の質をさらに高めていきます。また、スポンサー獲得については、単なる資金確保にとどまらず、地域や企業とつながりながらチームの活動価値を広げていきたいです。そして長期的には、1部リーグに定着し、国公立大学でありながら強豪の私立大学と互角以上に戦うことのできるチームになることを目指しています。個々の技術だけに頼るのではなく、戦術理解やチームとしての完成度を高め、頭を使ったサッカーで勝負していきたいと考えています。数年後には新潟大学サッカー部が1部リーグで当たり前に名前を挙げられる存在になることが理想です。

 

——最後に、応援してくださる方へメッセージをお願いします。

 

1部リーグでジャイアントキリングを起こします。国公立大学が強豪私立に勝利する姿を是非見てください。頭を使った面白い試合をお届けしたいと思っていますので、今後とも何卒応援のほど、よろしくお願いいたします。

 

 

新潟大学学友会サッカー部は、早朝練習や資金不足といった厳しい条件を前提としながらも、高い目標に挑み続けるチームです。仲の良さと向上心を両立させ、学生主体で組織を動かす姿勢は、競技力だけではなく、人としての成長にもつながっています。早朝から始まる練習や学生主体での運営も簡単ではありませんが、自分たちで考え、選択し、努力することを継続しています。1部リーグの定着、国公立大学が強豪私立に勝利するという目標に向けた挑戦は、これからも多くの人の心を動かしていくことでしょう。

 

 

執筆:ツナカレメディア編集部