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考え、動き、つながる——学生主体で挑む横浜国立大学体育会サッカー部の挑戦

 

横浜国立大学体育会サッカー部は、1948年に設立された部です。

”主体性”と”チャレンジ精神”を胸に、学生主体で動かす部の理念は、『世界を楽しくする挑戦』です。A・Bの2チームに分かれ、それぞれの目標や課題に向き合い、試行錯誤しながら練習に取り組んでいます。

現状維持にとどまらず挑戦を続ける彼らには、どのような想いや努力があるのでしょうか。

今回は、主将の鮫島汰希さんにお話を伺い、チームの特徴や練習内容、大切にしている価値観についてお伝えしていきます。

 

——チームに分かれ、目標を追い続ける

 

横浜国立大学体育会サッカー部はAチームとBチームに分かれ、横浜国立大学グラウンドを拠点に活動しています。練習は週3回、原則午前中に実施、土日は試合を行います。現在は1年生から大学院生まで合計57名が在籍しており、文理比は「文系:理系=7:3」です。

年間を通して、県知事杯やアミノバイタルカップ、リーグ戦や春・夏合宿など、さまざまな試合やイベントに参加します。Aチームは4月~10月開催の東京神奈川1部リーグ、Bチームはサタデーリーグ・国公立リーグで結果を残すことを目指します。

「実際に2025年度シーズンでは、Aチームが東京神奈川1部リーグ残留という結果を残し、来季の目標はトップ3入り、関東プレーオフ参入を目標にさらに精進していきます」と鮫島さんは語ります。

 

——学生主体で考え、行動する

 

横浜国立大学体育会サッカー部の強みは、”主体性”と”チャレンジ精神”です。

Aチームは、学生自らが必要とする指導環境を見極め、外部指導者を探し、交渉から導入までを一貫して行いました。神奈川県と東京都のリーグ合併により全体のレベルが上がったことを受け、「学生だけのマネジメントでは限界がある。より高い視点を持つ指導者の力を借りよう」と判断し、候補者のリストアップや打ち合わせ、契約調整までを学生が主体的に進めたといいます。現在はその指導者のもとで、チーム戦術や練習メニューの質が大きく向上しています。

 

一方でBチームは、4年生や幹部部員が学生コーチとして指導を行い、指導する側としての経験を積んでいます。この「指導する立場」への挑戦もまた、部員たちが掲げる“チャレンジ精神”の一つです。

 

また、スポンサー企業とのやりとりや支援を増やすための営業活動も、学生主体で手段やKPIを決めて取り組んでいます。営業活動では、交渉や連絡に苦戦することもありますが、「できないからやらない」ではなく「やったことがないからこそ挑戦する」という姿勢が、組織全体に根付いています。

 

客観的にチームの実力を見極め、必要な行動につなげるスピード感は、学生が主体的に考え行動する横浜国立大学体育会サッカー部ならではの魅力です。

 

——幹部が“頭脳”となりチームを動かす

 

 

部に主体性が生まれるのは、チームの“頭脳”となって動かす人がいるから。

横浜国立大学体育会サッカー部では、『首脳』(主将+副将3名)、『主務』などの役職で運営しています。選手以外には「マネージャー」や「アナリスト」「広報」という役割があり、サッカー未経験でもサポート可能です。

特に「アナリスト」は立ち上げたばかりの役割です。主な業務は、試合の動画撮影・編集、レポート作成。自分のチームと対戦相手を分析した情報は、チームの基盤づくりに貢献しています。

部活動での経験を活かし、直近の学部卒業生は、コンサルやゼネコン、教員など多種多様な道に進みました。サッカーを通して、どんな状況でも常に考えながら行動できる“基盤”を作ったからこそ、どこへ行っても活躍できる可能性を秘めています。

 

——自らをマネジメントできる自由さ

 

 

メンバー同士の仲の良さも、部の魅力のひとつ。同じ学科や出身校など共通点も多く、先輩・後輩関係なく交流があります。厳しい上下関係がなく、オフの時間は和やかに交流しつつ、練習では真剣に取り組む──オンオフの切り替えを大切にしています。

朝練をして、午後はアルバイトや学業に励むメンバーが多く、各自が時間を主体的に管理できる点も魅力です。

 

——世代を超えたつながりを再構築する

 

チームとして切磋琢磨した関係だからこそ、OB・OGとのつながりもあります。特に世代が近い先輩は、卒業後も定期的に試合の応援に足を運び、チームを盛り上げてくれます。さらにOB・OG役員の方々はリーグの運営にも携わり、細やかな連携が取れています。

ただ、コロナ禍をきっかけに他のOB・OGと関わる機会が減ったことも、鮫島さんは指摘しており「世代を超えた先輩方とのつながりをどう再構築するかが、今後の課題です。」と語ります。

 

——最後に、横浜国立大学体育会サッカー部からのメッセージ

 

 

いつも弊部にご支援・ご協力を賜り、本当にありがとうございます。

我々横浜国立大学体育会サッカー部は、『世界を楽しくする挑戦』の理念を掲げており、サッカーを観戦する人や関わるすべての方々を、“サッカーを通して楽しませる”ことを目標に活動しています。

自分たちを応援してくださる企業様を楽しませるだけでなく、一緒にサッカーを楽しむ人を増やしていきたいと考えています。今後とも声援・ご協力をよろしくお願いいたします!

 

 

主体的に行動し続ける──この経験は社会という広い世界に出たあとにも、必ず力になるでしょう。行動の根底に「楽しませたい」という願いがあるからこそ、自ら考え行動する原動力となっています。彼らの卒業後、社会でのチャレンジはどのように花開くのか──今後の活躍が楽しみです。

 

執筆:青木千奈(株式会社Koti)