つくる人がもっとかがやけば、世界はきっと豊かになる——ファインディ株式会社
ファインディ株式会社は、「挑戦するエンジニアのプラットフォームをつくる。」というビジョンを掲げ、エンジニアの転職、マッチング支援や、開発組織支援などの事業を行っています。事業内容や会社の魅力のほか、若手社員のキャリアや新卒社員に求めることなどを、ヒューマンキャピタル室所属で新卒採用マネージャーの鎌田祐己さんにうかがいました。


——業種・業界や事業内容の簡単なご紹介をお願いします。
当社はエンジニアのキャリア・組織・グローバルな活躍を支援する事業を通じて、産業の興隆とイノベーションの実現を目指しています。展開する全サービスの登録ユーザー数は22万人を超え、クライアント企業も3,500社にのぼります。2025年8月時点での事業数は5つで、1〜2年に1事業のペースで新規事業を創出しています。
——主なサービス・プロダクトについて教えてください。
2016年に創業した当社は「挑戦するエンジニアのプラットフォームをつくる。」というビジョンを掲げ、ITエンジニア領域における個人・組織それぞれの課題解決に取り組んでいます。
人材面では、エンジニアのキャリア支援を行う「Findy」「Findy Freelance」の2つのサービスがあります。「Findy」はIT/Webエンジニアの転職サービス、「Findy Freelance」はハイスキルなフリーランスエンジニアと企業の業務委託案件をマッチングするサービスです。
人材面とは別に、経営と開発現場をつなぐAI戦略支援SaaSプロダクトとして「Findy Team+」、開発ツールのレビューサイト「Findy Tools」、テックカンファレンスのプラットフォーム「Findy Conference」があります。多くの会社では意思決定を行う上層部や役員はビジネスサイドの人間のことが多く、開発の生産性と売り上げの関係は深く考えられてきませんでした。
私たちは「Findy Team+」によって、概念だった「開発の生産性」の部分を可視化しました。コーディングプロセスを見える化することで開発期間が短縮されるなど、実際に効果を感じていただいています。日本では現状競合がないサービスになります。
——貴社の社風や文化、働くうえで大切にしていることは何ですか?
「前向き」「誠実」「チームワーク」「スピード」「No.1」という5つのバリューを掲げています。当社は2016年7月に創業しましたが、このバリューはボードメンバーが初期に考えて決めたものです。日常的に会話の中で使ってもらえるように、シンプルに覚えやすいワードを選んでいます。重要度順に並んでいます。

最も重視する「前向き」については、スタートアップである以上、やることがすべてうまくいくわけではありません。そういう意味でも「意図的に前を向き、変化を恐れるのでなく、変化にワクワクしていこう」という意味が込められています。

象徴的なエピソードが一つあります。当社は創業期に「Findy Score」という求人票採点サービスをリリースしたのですが、なんと2社にしか売れませんでした。そんなうまくいっていない時でも、CTOの佐藤(将高)は仕事をサクッと終わらせて筋トレに行ったんです。それぐらい失敗を引きずらず、切り替えて前を向いていこう、というメッセージにもなっています。
「誠実」は佐藤の原体験から来ています。佐藤がファインディを創業する以前、転職を考えてエージェントに相談に行った際のことです。一言も喋っていないのに、まったくやりたいとも言っていない職種を提案されて、すごく不信感が募ったそうです。
だからこそ我々は、ユーザーに「誠実」に向き合っていきたい。転職支援、フリーランスマッチングの際の面談にも「ユーザーサクセス」と名付けているのもそのためです。
——実際に働いている方々の雰囲気や人柄を一言で表すと、どんな言葉になりますか。
「許可より謝罪」です。バリューの「前向き」や「スピード」にもつながりますが、当社はスタートアップのため、大企業に比べると資金もリソースもありません。何が武器になるかというと、意思決定と行動のスピード感です。何かをするときに、上からの許可を待っているだけでは前に進みません。それよりもまず行動して、それを共有するという姿勢でいてほしいと思っています。
実際、入社2カ月の社員が事業部長に「これをやったらいいと思います」と提案したら、事業部長は「言う前になんでまだやれてないの?」と返した、というエピソードもあります。もちろん、これは「独断で突っ走ってよい」という意味ではなく、動いた結果をきちんと共有したり、必要な場面で相談したりすることも大切です。
——新卒採用について教えてください。
24年入社の方が新卒1期生で、今後も積極的に新卒採用をしていく予定です。新卒採用はサマーインターン経由と秋口以降の本選考経由との2種類があります。
——入社後はどのような仕事を任せられるのか、またその後の育成方針などについても教えてください。
基本的にはメインの事業である「Findy」「Findy Freelance」の2つの人材マッチングサービスか、AI戦略支援SaaS開発組織支援SaaSの「Findy Team+」のいずれかを中心に各事業部のセールス、サービスの契約に至った後のカスタマーサクセスのどちらかの可能性が高いです。まずセールスやカスタマーサクセスで直接クライアントの生の声を聞いて、その後マーケティングやプロダクト開発、新規事業などに携わってもらう形になります。また、今後リリースしたサービスへの配属も考えられます。
当社は「挑戦するエンジニアのプラットフォームをつくる。」のビジョンを実現するために事業を展開しています。ビジョンを実現する以上、今後どのようなプロダクト、事業が出てきたとしても、それを使うユーザーは間違いなくエンジニアの方々です。
そういう意味で、はじめはユーザー理解や課題認識、マーケット構造の理解などを、一番近い距離で理解できる職種、事業部で経験を積んでもらうことは必須だと考えています。
——若手社員に期待することはなんですか。
自主性、オーナーシップを持って行動してほしいと思っています。ただし、オーナーシップとは独断で突き進むことではなく、周囲と適切に相談しながら責任を持って物事を前に進める姿勢だと考えています。オーナーシップを持って進めた例を一つ挙げます。
新規事業「Findy Tools」事業部長に山田郷という者がいるのですが、昨年彼が主導したカンファレンスに、電気自動車や再生可能エネルギー分野における世界的リーダーであるTesla(テスラ社)の共同創設者兼元CTOを呼び、代表の山田裕一朗とトークセッションを行いました。それ自体は非常にビジネスインパクトがあり、会社にとっても良いきっかけとなりました。
テスラ社の元CTOを呼ぶこと自体も、「こういう人を呼びたいと思っている」という相談はなく、カンファレンスの半年前に「テスラ社の元CTOを呼べることになったので、呼んでいいですか」と。さらに代表の山田向けに「彼と話すのに、山田さんは英語をしゃべれるようになってください」と決定事項として伝え、山田はそこからセブ島留学にも行って英会話を身につけ、当日は無事トークセッションを終えることができました。
代表の山田でさえ、そういった下からの突き上げを受ける環境です。自主性を持って動き、会社に刺激を与えるメンバーが今後の新卒社員からも生まれるといいなと思っています。
——働き方についてお伺いします。出社とリモートの割合はどれぐらいでしょうか。
特にビジネスサイドは、ほぼ出社しての業務になります。エンジニアは出社回数の決まりはありませんが、出社割合は高いです。
急激に従業員数も増えている中で、ビジョンを共有し、同じ方向を向いていくという意味でも、直接顔を合わせてコミュニケーションすることの重要性を感じています。
オフラインへの投資は積極的に行なっており、社内に100人ほど収容できるイベントスペースを設けています。そこでほぼ毎晩クライアントも含めた交流会や勉強会が開催されています。社内イベントとしても、立食形式でカジュアルに交流できる「Findy Night」を月1回開催し、毎月80名ほどが参加しています。
——最後に、学生へのメッセージをお願いいたします。
我々の事業領域であるエンジニアに関するところが、現在まさに生成AIの影響を大きく受けて変化していかなければいけないフェーズにあります。スキルの定義も変化する過渡期で、変わっている最中を不安だなと思うよりも、楽しんでいけたら理想なのではないでしょうか。
今後入社していただく方にも、受け身ではなく「自分自身でキャリアを作る」ということを意識して、ファーストキャリア選びをしていただけると、より良いものになるのではないかと思います。新卒の時点では、どの会社に入る意思決定をしたとしてもそこがゴールではないと考えています。入社して3年から5年ぐらいの間で、ちゃんと選んだ道を自分のアクションで正解にすることによって、振り返ってみて「あの時の意思決定は良かった」と思えたらいいですね。
それをしっかりと理解して、深い意思決定のもとに自分自身のキャリアを意志を持って主体的に彩っていく。そういった考え方で頑張れる人材を、当社も歓迎したいです。
■ 鎌田祐己
ヒューマンキャピタル室 採用チーム 新卒採用マネージャー
2019年明治大学卒業後、当時社員数100名前後のマーケティング会社へ新卒で入社。子会社にて事業開発を経験した後、営業企画を経て、新卒・中途メンバーの採用・育成業務を担当。2023年8月ファインディ株式会社へ採用担当として入社。
ファインディでの新卒採用立ち上げ以後より、一貫して新卒採用全般を担当
取材・執筆:藤井みさ(株式会社スリーレター)