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なぜラグビーに挑むのか?限られた時間で”挑戦”し続ける——横浜国立大学ラグビー部

 

1923年に設立された横浜国立大学ラグビー部は、100年以上の歴史を持つ伝統ある部です。

彼らが掲げる目標は、リーグ優勝と昇格です。その実現に向け、日々のトレーニングに情熱を注いでいます。

大切にしている価値観は“ハードワーク”と“挑戦”。

部活動だけに偏らず、学業やアルバイトなど“やりたいこと”にも全力で取り組む学生が多いのが特徴です。

なぜラグビーなのか。──“今しかできない経験”を大切にする彼らは、限られた時間の中で何を学び、何を次の世代へつないでいくのか。

今回は、主将の小森創介さんにお話を伺い、活動内容や大切にしている価値観、これからの目標についてお伝えしていきます。

 

——“文武両道”──やりたいことを諦めない

 

横浜国立大学ラグビー部は、横浜国立大学フットサル場を拠点としています。練習は週5回で、平日は朝6時45分から8時まで、土日は朝9時半から12時まで行っています。現在の部員は1年生から大学院生まで合計24名が在籍しており、文理比は「文系:理系=4:6」です。

午前中に練習を集中させることで、学業やアルバイトと両立しやすい点が魅力です。

チームの目標は、リーグ戦の優勝と昇格を目指しています。そのために6~7月の春シーズン、8月の夏合宿で力を蓄え、9~12月のリーグ戦に臨みます。

 

——“リーグ昇格”への基盤づくり

 

 

2023年度は5部リーグで優勝し、4部へ昇格しました。2025年の目標は、3部リーグへの昇格です。

目標達成に向けたチームの課題は、フィジカル強化です。春シーズンは試合がないため、全体で週2回・個人で週1回の筋力トレーニングに取り組み、基礎体力の向上を徹底しています。

さらに基礎から応用に繋げるため、他チームとの合同練習にも積極的に参加。部員数が少ない分、実践的な場が限られるという課題を、練習試合や合同練習で補いながら経験を積み重ねています。

 

——“ハードワーク”で限られた時間を輝かせる

 

「活動を通して大切にしているのは、スキルの向上だけでなく、努力することや人間性を磨くこと」。そう語る小森さんの言葉には、部の根幹を支える信念が込められています。

現在の監督はラグビー部OBであり、会社員として働きながら指導を続けています。その姿勢に触れ、学生たちは「限られた大学生活をどう有意義に過ごすか」を自問するように。“ハードワーク”と“挑戦”の精神は、こうした姿勢から部全体の文化として根付いたといいます。

実際に部員全員がアルバイトをしており、中にはサークル活動を並行する部員もいます。学業とのバランスを保ちながら卒業まで走り抜く姿勢は、大学生としての大きな強みでもあります。

 

——将来の進路にも繋がる、メンバーの仲の良さ

 

 

ラグビー部というと、上下関係が厳しいイメージを持つ人も多いかもしれません。しかし横浜国立大学ラグビー部は、厳しい上下関係がほとんどなく、仲が良いことが特徴です。

小森さんは入学当時から部員の仲の良さを感じており、その秘密は、人数が少ない分より親密になりやすく、部活動以外の場でも助け合いながら交流を深めていると語ります。

実際に同期は授業を共に受けることも多く、先輩は過去のレポートなどで助けてもらうこともあります。プライベートでもメンバーと交流があり、仲の良さが練習の集中を妨げないよう、互いに意識して取り組んでいます。

卒業が近づく時期には、将来の進路を先輩に相談することも。興味のある企業や同業種にOB・OGがいれば、OB訪問やESの添削などをお願いすることもあるといいます。

 

——「なぜラグビーなのか」その“意味”を探す4年間

 

監督が、学生たちに何度も伝える言葉があります。

「なぜ大学でラグビーをするのか?——その意味を4年間で見つける、そして取り組むことはこれからの社会でも必ず役に立ち、自分の幅を広げることができる」

学業やアルバイトと両立しながら、自分の軸や目標を定め、本気でぶつかり合う仲間と出会うこと——それこそが「自分にとってのラグビーの意味」だと小森さんは語ります。

国立大学で“文武両道”を貫くという選択は、単に技術を磨くだけでなく、人として成長し、そして社会への一歩につながる挑戦でもあります。

 

ーー最後に、横浜国立大学ラグビー部からメッセージ

 

 

横浜国立大学ラグビー部は、部員数も資金も限られた環境の中で、学年を超えて全員が「リーグ昇格」という共通の目標に向かい、情熱を持って日々努力しています。

日々の練習の様子はInstagramにて発信していますので、ぜひ覗いてみてください。

もし私たちの挑戦に共感していただけたなら、温かいご支援をお待ちしています。

 

部活動を通じて、日々人間性を高めている横浜国立大学ラグビー部。4年間で見つける“ラグビーをする意味”は、社会に出てからも彼らの軸となり、人生を支え続けるでしょう。

 

執筆:青木千奈(株式会社Koti)