“周りに尽くす”チームが日本一をつかむ——東北大学ラクロス部

「本気で日本一を取りにいく」という想いから、全日本大学ラクロス選手権優勝を目標に、日々練習に励む、東北大学男子ラクロス部。
プレイヤーだけでなく、スタッフも主体的に考え、行動する──全員がプロであることを意識して、周りの人に応援され、人々を魅了するチームになることを目指しています。
限られた時間で効率よく練習する方法や、全員が本気で向き合い続けるための仕組みとは一体何なのでしょうか?
今回は、副将の上田祐輝さんにお話を伺い、練習を通したメンバーとの関わり方や工夫、大切にしている想いをお伝えしていきます。
——本気で目指すからこそ、“最前線”で戦う

東北大学男子ラクロス部は東北大学川内キャンパス、青葉山キャンパスを拠点に活動しています。練習は週5回、いずれも朝6:30〜10:00の3時間半です。。午後も多くのメンバーが筋トレや自主練に励み、月1回、関東へ遠征を行っています。
メンバーは1年生39名、2年生23名、3年生24名、4年生17名、そして院生12名の115人が在籍しており、学部比率は文系3割、理系7割の構成です。
年間を通して、つま恋スプリングカップや七帝戦、リーグ戦などさまざまな試合や合宿に参加しますが、最大の目標は全国大学ラクロス選手権の優勝です。2025年の戦績は東北地区リーグ戦11連覇、全国大会ベスト8、つま恋スプリングカップ2025準優勝と、一歩ずつ目標に近づいています。
月1回の遠征を関東で行うのも、強豪が関東に集結しているからです。日本一を本気で狙うからこそ、最前線で戦い続けています。
——妥協しない。精度の高い“PDCAサイクル”

「全員が妥協せず主体的に目標達成へ取り組む姿勢こそ、我が部の強みです」と上田さんは語ります。
プレイヤーが練習に励むのは大前提で、部活は選手だけで成り立つものではない、と考えます。
12名の院生は全員コーチとして部を支え、スタッフは基本的なサポートに加えマーケティング・リハビリ・アナライジングスタッフとしての役割があります。部活時間外には、リハビリスタッフが整骨院でマッサージ講習を受けてスキルを学ぶなど、「専門スキルをさらに磨きチームに還元しよう」とそれぞれが主体的に動いています。
「人によってはダラけてしまうのでは?」と意地悪な質問に、学生たちが真剣に向き合い試行錯誤する姿が垣間見えた答えが出てきます。
自主練の報告習慣をつけて“当たり前”のレベルを上げる、量や質を増やすためのアドバイスをし合う、動画を見て反省・分析するなど、自走できる仕組みを作る工夫をしています。
さらに、モチベーション維持が難しい選手の場合は、アドバイスだけで相手を動かそうとせず、上田さん自らが共に練習し本人の基準を引き上げることもあります。
上田さん以外にも、同期や後輩が気づいて関わることもあり、チーム全体で精度を高めています。
——尽・魅了。周りを“応援団”に変える力
『尽・魅了』は、チーム全体で大切にしている価値観です。
“尽”とは尽くすこと。自分に尽くすだけでなく、他人にも尽くします。自分が練習するのは当然ですが、チーム全体を底上げすることが、未来につながると考えます。
そして“魅了”は、周りを巻き込むこと。
ただラクロスが上手いだけでなく、周りの人に応援されるチームになるために必要なことを考えます。
周りに還元する方法として挙げられるのが、献血活動や地域イベントの開催です。児童館や小学校で参加者の子どもたちにラクロスを教えることで、未来への種まきをしています。
さらに2025年から始めた取り組みは、協賛企業への活動報告ポスターの作成・報告です。日頃の感謝の気持ちを伝えつつ、地域の方との交流の場を増やしラクロスを広げるきっかけになっています。
——最後に、東北大学男子ラクロス部副将からのメッセージ

いつも東北大学男子ラクロス部を応援してくださり、誠にありがとうございます。
皆様からのご寄付やご声援のおかげで、私たちは伸び伸びとラクロスに取り組めています。
これからも皆様のご期待に添えるよう、学生日本一を取るために日々邁進していきますので、今後ともご支援・ご声援の程よろしくお願いいたします。
日本一の目標に向けて、精度の高い“PDCAサイクル”を回し続ける東北大学男子ラクロス部。チーム全体、応援してくれる方々の声があるからこそ前に進める、と自分にも周りにも還元できる学生たちは、社会に出ても妥協せず、目標に向かって成長し続けるでしょう。
執筆:青木千奈(株式会社Koti)