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文武両道を胸に、“自主・自考・下克上”を貫く——京都大学フットサル部

 

京都大学体育会フットサル部は、2003年に設立され、2015年にサークルから体育会へと昇格した、京都大学で最も新しい体育会です。

「文武両道」と「チームの力で強くなる」という想いのもと、質の高い練習や団結力を高める関わりを大切にしながら、日々主体的にチーム強化に取り組んでいます。

今回は、主務の伊藤雅隆さんにお話を伺い、フットサル部の取り組みや大切にしている価値観、今後の目標をお伝えしていきます。

 

――“新しさ”を武器に日々挑戦

 

日々の練習は、京都大学の総合体育館と農学部のグラウンドにて週4日。チームには1〜3年生がそれぞれ11名、4年生が1名、院生が3名在籍しており、文理比は「文:理=4:6」です。

年間を通して春・夏合宿や新歓、学生リーグなどさまざまな活動がありますが、最大の目標は7〜8月に行われるインカレです。ライバルである同志社大学に勝つために、日々練習を重ねています。

近年の戦績としては、2024年インカレ全国大会出場(関西第2代表)、2025年第6回関西学生フットサル連盟フレッシュマンカップ優勝などが挙げられます。

 

——型にはまらない”フレッシュさ”

 

新歓では、さまざまな手段を使って情報を届けることを意識しています。特に今年注力したのは、InstagramやXを使った部の情報発信。

オフラインで一人ひとりの学生にアプローチするだけでは、地方学生を取りこぼしてしまうかもしれない。実際に地方在住だった伊藤さんは、大学のサークルや体育会情報をSNSで拾っていました。

若者の情報手段を考え、従来のビラ配りに加えて、InstagramのDM機能を活用するなど、必要とする人に確実に情報を届ける工夫をしています。

今後はTikTokなど、常に流行を掴みながら取り入れていきたいと考えています。

 

——自らが考え、動き、勝ち取る

 

 

部のスローガンは「自主・自考・下克上」。

自分たち主体で考え、他大学に負けないよう努力するという意味が込められていると、伊藤さんは語ります。

ただ数をこなすのではなく、2018年からフットサル元日本代表・松宮氏を監督に迎え、週4という限られた活動日数ながらも、質の高い練習を実現しています。

さらに、基本的な練習メニューの作成や指導は、院生が学生監督となって実施。スローガン通り、学生自らが考え、成長し続けています。

 

——何事も全力!”文武両道”の真髄

 

文武両道も、部の価値観のひとつ。

練習のない日は勉強やバイトに励み、日々の学びにも一切手を抜きません。

また、文武両道は部内だけにとどまらず、これからの世代に繋げる関わりも行っています。2025年夏には、京都サンガF.C.のホームゲームイベントにて、地域の子供たちに勉強を教える機会がありました。部にとっては初の試みでしたが、今後も夏休みを利用して別の部活と協力しながら、外部との関わりを増やせたらと意気込みも語ります。

 

——縦の壁をなくす”家族会”

 

 

長年受け継がれる独自の文化に「家族会」があります。家族会とは、各学年2〜3人ずつで構成された少人数グループのこと。

先輩と後輩の縦の繋がりが強化できるため、チームの雰囲気や団結力を育てる一翼を担っています。

実際に1年生の頃の伊藤さんも、家族会をきっかけに先輩と交流を深め、さまざまな相談ができたといいます。

縦の壁をなくす目的がある、家族会。

他大学と異なり、自分たちの部にはスポーツ推薦などはなく個の力だけで見ると劣っているかもしれないけれど、チームの総力を高めて勝利を掴んでいきたいという強い思いが込められています。

 

——相手を”思いやる”ひと手間

 

ありがたいことに体育会の中では珍しく、京都大学体育会フットサル部は現在約10社にご支援いただいています。複数のスポンサー企業様と関わることで、社会人としての学びも培っています。

主務の伊藤さんは、スポンサーとのメール対応を通して、相手の手間を省くための先読み力や、要点を的確に伝える文章力が磨かれたといいます。

「まだまだ拙い部分はありますが、とにかく挨拶や感謝の気持ちを伝えることを大切にしています。スポンサーとの関わりは、一般的なマナーや要件をまとめる力、提案力など、常に学びがあります」と語ります。

 

——最後に、京都大学体育会フットサル部からメッセージ

 

我々京都大学体育会フットサル部は、部活としての歴史も浅く、まだまだ輝かしい功績もありませんが、泥臭くがむしゃらに活動しています。

また、体育会になって10年の節目、これからは地域の人々を巻き込んだイベント開催やクラウドファンディングなど、より外部との関わりを深めていきたいと思っております。

応援してくださる皆様に恩返しができるよう、努力を重ねて必ず結果を残します。これからも温かいご支援をよろしくお願いいたします。

 

「自主・自考・下克上」というスローガンを体現しながら、年を重ねるごとに知識や経験を積み重ねる京都大学体育会フットサル部。

新しい体育会だからこそ、新しいものを柔軟に取り入れ、守られてきた伝統と織り交ぜています。これからも試行錯誤しながら”がむしゃらに”進んでいく姿に、今後も目が離せません。

 

執筆:青木千奈(株式会社Koti)