世界での経験を持つコーチと、同じ趣味を持つ仲間とともに、全国大会での連覇へ——大同大学レーシングカート部
明るく楽しむ雰囲気と、大会で勝ち続ける実力を両立している大同大学レーシングカート部。プロのレーサーを目指す第一歩とされるカートを舞台に、さまざまなレースに参戦しています。優秀なコーチやOBとのつながりを活かし、学生カート選手権では、先輩たちの代から連覇を重ねてきました。部員の多くは車やカートが好きという共通点を持ち、失敗も前向きに受け止めます。費用も労力もかかる競技だからこそ、一度の活動を大切にする姿勢が根づいています。今回は、部長を務める伊藤海翔さんに、勝ち続けるチームの強みと活動にかける思いを伺いました。
—— 大同大学レーシングカート部について概要を教えてください。
私たちは、スポーツカートの耐久レースやレンタルカートのレースに参戦しています。カートは、多くのレーシングドライバーが競技の入口として経験するモータースポーツで、車の中でも小さく軽量で、構造も比較的シンプルです。
活動は、毎週木曜の昼に行うミーティングと、月に一度の練習が中心です。大会には年に5回ほど出場しています。部員は20人ほどで、車やカートが好きという共通点を持つメンバーが集まっています。
—— チームの目標を教えてください。
学生カート選手権で優勝を続けることが、一番の目標です。この大会では、歴代の先輩から長年の連覇が続いており、夏に行われた大会でも優勝しました。長く積み重ねてきた結果である以上、次の大会でも勝ち切り、連覇をつなげたいと考えています。

—— 勝ち続けられている要因は何だと思いますか?
コーチとOBの存在が大きいと思います。コーチは元レーシングカートのドライバーで、ヨーロッパで活動していた経験があり、現在はプロドライバーを支えるメカニックとして働いています。普段は気さくな雰囲気で私たちの活動に参加してくれますが、レースについて質問すると、実践経験に基づいた具体的なアドバイスをいただけます。プロを間近で見ている方なので、一つひとつの指摘に説得力があります。
印象に残っているのは、ラップタイムを確認しながら、走り方とタイムの変化を結びつけて考えるよう教わったことです。どのような走行をした結果、タイムが上がったのか、あるいは下がったのかを意識し、一周一周を大切にするように言われました。何も考えずに走るのではなく、毎回の走りを振り返るようになったことは、自分にとって大きな変化でした。
また、OBとのつながりが強いことも要因です。実力のあるOBが多く、直接指導を受ける機会が多いため、部員の成長も早いと感じています。
—— レーシングカートを始めたきっかけを教えてください。
もともと車が好きで、父に連れられてレンタルカートに乗ったことがきっかけです。サーキットには、自動車運転免許を持たずに体験できるレンタルカートがあり、中学生の頃から、年に一度ほど乗っていました。自分で乗り物を操る感覚がとても楽しく、そこから興味を持つようになりました。
遊園地のゴーカートとは異なり、スピードやライン取りを自分で考えながら操る奥深さに魅力を感じました。大学では、幼いころからの趣味に関われる部活があると知り、よい機会だと思い入部しました。

—— チーム最大の強みは何ですか?
明るく楽しい雰囲気だと思います。失敗を責めるのではなく、次にどう改善するかを一緒に考える雰囲気があります。
楽しみながら取り組みつつ、結果も残している点が強みです。
たとえば、走行中にクラッシュしてカートを壊してしまうことがありますが、そのような場合でも責めるのではなく、明るく受け止めます。入部して間もない時期に失敗すると、その出来事にちなんだあだ名がつくこともあります。失敗が後に笑い話となり、親しみを込めたあだ名が生まれることもあります。
—— 未経験の部員はどのように成長していくのですか?
先輩の走りを間近で見て覚えられる仕組みがあります。私たちはカートを2台所有しており、大会にも2チームで参戦しています。先輩が前を走り、その後ろを未経験の部員が走ることで、前を走る先輩の動きを参考にしながら感覚的に走り方を身につけることができます。前を走る先輩のブレーキのタイミングや走行ラインを間近で確認できるため、言葉で説明されるよりも早く、体で覚えられます。
同期にも、入部当初はスピンばかりしていた部員がいました。周囲が上達していくことに焦りを感じ、さらにミスを繰り返してしまうタイプでしたが、現在ではチームリーダーを務めるまでに成長しました。

—— 印象に残っているレースを教えてください。
費用をかけて新品タイヤを投入したレースが忘れられません。タイヤの効果もあり入賞の目前だったのですが、さらに順位を上げようと、途中の給油を1回減らす判断をしました。給油に立ち寄る時間を削れば、その分ほかの車より前に出られると考えたためです。しかし、結果的に燃料が最後まで持たず、残り10分でガス欠となりリタイアしました。
ただ、その次のレースでは反省を活かして給油を多めに取り、燃料切れの不安なく走り切って優勝できました。同じ失敗を繰り返さず、すぐ次の結果につなげられたのは、自分たちらしい点だと思います。
—— 活動の課題や改善したい点はありますか?
活動回数を増やすことが、一番の課題です。カートは費用も労力もかかります。サーキットに機材を運んで準備し、1日練習を終えてから片付ける必要があるため、どうしても月に一度ほどの活動になってしまいます。予定が合わない部員は、2か月ほど乗らないこともあります。
費用については、すでにカートを保有しているため一から始めるよりは抑えられますが、練習には走行料や燃料費、タイヤなどの消耗品代がかかり、1回ごとの負担も小さくありません。現在は大学からの活動補助が中心で、スポンサーの獲得には至っていません。ですが、部として補助を受けられる分、個人で続ける場合より費用を抑えられている点はありがたいと感じています。
—— この部活を通して得たものは何ですか?
同じ趣味を持つ仲間に出会えたことが、一番大きいです。高校までは、車が好きな人自体が周りに少なく、カートとなるとさらに珍しい趣味でした。その枠を超えて、同じ専門的な趣味を持つ仲間がたくさんできたので、話していて楽しいです。将来こういう仲間に出会えたらと思っていたことが、そのまま実現しました。また、部長として、新入生の勧誘や、部員・コーチ・OBとの連絡、練習や大会の日程調整も担当しています。立場や予定の異なる人たちの意見をまとめ、一つの活動を成立させる難しさと責任も学びました。

—— いつも応援してくださっている方々へのメッセージをお願いします。
いつも応援してくださり、ありがとうございます。これからもさらに活躍をお見せできるよう努めてまいりますので、引き続き応援をよろしくお願いいたします。
入部を考えている方にもお伝えしたいことがあります。車やカートが好きという気持ちがあれば、経験がなくても問題ありません。先輩の走りを見て学べる環境が整っており、失敗も前向きに受け止められる雰囲気があります。明るく楽しみながら、本気でレースに向き合える場所ですので、少しでも興味があれば、ぜひ一緒に走りましょう。
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