
株式会社オープンハウス・ディベロップメント
株式会社オープンハウス・ディベロップメントは、1997年に創業し、土地の仕入れから建築、販売までを一貫して行うオープンハウスグループの傘下にある企業です。土地の仕入れ、企画、開発、マンションや戸建て住宅の販売までを手掛けています。人材開発部係長の吉野愛理さんに、会社の特色や仕事のおもしろさ、若手社員に求めていることなどを聞きました。
――御社の概要を簡単にお願いします。
もともとは1997年に、オープンハウスグループ取締役 Founderの荒井正昭が不動産仲介業から始めた会社です。他社さんの扱う土地や建物をお客様に紹介していく中で、「お客様の本当に求めているものにマッチしきれていないのでは?」という疑問を抱き、真に求めるものを紹介したいと、自社で取り組むことを決断。仕入れから企画、建設、販売までを行う今の形になりました。
オープンハウス・ディベロップメントはその中でも、戸建て・マンションの開発等を担う会社です。
――主なサービス、プロダクトについて教えてください。
当社では戸建て住宅やマンションの開発・分譲を行っています。土地の仕入れから企画、設計、施工、販売まで、グループ内で一貫して手がけることで、高品質でありながらコストを抑えた住宅を提供しています。
――日本にはハウスメーカーが多数ありますが、御社と他社との大きな違いはどこにあるとお考えでしょうか?
当社で働いている一人ひとりが、「お客様が何を求めているか」を常に考え、そのニーズを徹底的に追求しているところです。お客様のために、早く、コストを抑え、最高品質の住宅をお届けするために、全員がコミットし、前向きに取り組んでいます。
――お客様の求めるもの、ニーズを的確に捉えるために、どのような取り組みを行っていますか。
注文住宅を例に挙げて説明します。ほとんどのハウスメーカーは、営業職の人間がお客様と相対し、要望をヒアリングしてそれを設計担当者に伝え、図面を作成していきます。しかし当社は、設計士本人がお客様から要望をしっかり引き出すスタイルをとっています。「どんな家が理想なのか」「どういう動線なら暮らしやすいか」「どのような生活スタイルなのか」を自らヒアリングした上で、設計に落とし込みます。
また、建物を建ててから販売する分譲設計の場合には、設計を始める前に設計士自らが現地の調査に出向きます。そのエリアの人はどんなものを求めているか、どんな街なのか、ということをしっかりと調査して家を作ります。契約前に、お客様への住宅の仕様のご案内も設計士が担当することがあります。
また、施工においても同様です。住宅を建設中に内覧会を行うことがありますが、他社さんですと基本的にはこの案内は営業が窓口として担当することが多いと聞きます。当社では施工監督が「この図面をもとにこのように建築しています」とお客様と直接コミュニケーションを取ります。建築が始まった後に出てきたニーズにもきめ細かく、素早く対応できるのが特徴です。
どんな部署の社員も、「お客様と接点を取らないことがない」と言えるほど、しっかりとお客様と向き合う機会を作っています。お客様の「そんなこともできるんだ!」を叶えるために日々全力で動いています。
――実際に働いている方々の雰囲気や、人柄を言い表すとどんな言葉になりますか?
「矛盾の追求をし続ける熱意ある開拓者」です。一般的にものづくりは、早く、コストを抑えつつ作ろうと思うと品質が下がり、良いものを作ろうと思うと時間がかかり、コストもかさみます。スピードと品質・金額は相反するというのが常識ですが、当社ではその「常識」を疑い、「早く、コストを抑えつつ、品質の良いものは作れないか?」と考え続けています。
「早く、価格を抑えて、品質の良いものを作る」と言うと、根性論だという印象を持たれる方が多いのですが、これは決して根性論ではなく、ロジックとして可能であり、追求すべき命題だと当社では考えています。
――「早く、コストを抑えつつ、品質良く」を実現するためのロジックとはどのようなものでしょうか。
建設業界では、ブランドを作ってそれを気に入った人に買ってもらう、「プロダクトアウト」のモデルが一般的です。しかし当社は仲介から始まっている会社のため、「お客様が何を求めているか」を何よりも先に考える、「マーケットイン」のビジネスモデルをとっています。
求められていればそれに応えて作っていくので、お客様の数を絞ることはしません。幅広い価格帯で年間1万棟の住宅をお届けしています。ここで棟数のメリットが生まれます。例えばトイレ1つにしても、多数の取引があることを約束し価格を抑えた仕入れが可能になります。
スピードについても当社ならではの工夫があります。通常は1つの工程の後にジョイントと呼ばれる空白を設けるのですが、オープンハウスは空白の日程(ジョイントロス)を作らず、次々と工程を進めていきます。工期がかぶらないように、施工監督が細かく工程を追っていきます。
――徹底的に見える化、標準化することがポイントなのですね。
はい。今どうなっているかということを可視化することで、職人の方も「頑張ろう」と思ってくれる方が多いです。お客様に良いものを届けるために、一緒に家づくりをしている仲間という感覚も生まれます。
――御社は新卒ではどのような職種の応募を行っていますか。
「設計」と「施工管理」の2つの職種での応募を行っています。業務の性質上、設計は建築士の資格を必要とするため、建築・土木系の学科の学生の応募がほとんどですが、施工管理は文系出身の学生でも応募可能です。
――新卒で入社した後、業務を任されるまでのイメージを教えてください。
当社の研修・育成制度は、業界内でも特殊です。一般的には新卒から現場同行を1〜2年行うのですが、当社は座学研修とアウトプットを高スパンで行います。早い社員だと、入社後の5月から分譲設計に取り組み始めます。実践も踏まえ、上司や先輩にサポートしてもらいながら多くの設計をこなし、1年目で100棟の設計を担当する者もいます。
施工管理の場合は、6〜7月から先輩の物件に入り、実践で学び、自分の担当物件を持つようになります。こちらも1年目から10〜15棟担当することになります。
研修の内容も毎年事業部を引っ張るグループ長クラスがブラッシュアップし、時代に合わせて次々とアップデートしていきます。座学と実践を織り交ぜて成長し、1年目が終わった頃には1人でお客様の前に立てるようになります。
その後、3年目では現場のプロフェッショナルへ。5年目はマネージャー候補としてチームをけん引し、10年目では会社の未来を創る幹部へと成長していくイメージです。
――御社は大学2年の1月という早期にもインターンを開催していますが、こちらの意図を教えてください。
「学生の選択肢を増やしたい」という思いがあります。どうしても社会人ってつまらない、生きていくために働かないといけない、というイメージがはびこっていて、それは楽しそうじゃなく働く大人が多いから、学生がそう思っているんだろうなと感じています。
私自身は、オープンハウスグループに出会い、「仕事は本気でやれば面白いんだ!」と感じられました。誰かのために涙が出るほど努力すること、普通は無理だと思われることも、仲間と力を合わせればやり切れたこと…大人になっても“青春”できているなと思います。
3年生の後半になると、志望業界を絞る学生も増えるので、私達が出会う学生も建設業界志望の方ばかりになります。そうじゃなくて、「働く」ってどうなんだろう?と漠然と考えている時期に、「仕事を本気でやってみる、誰かのために働くって面白いよ!」と伝えたいと考えて、早期インターンに取り組んでいます。
私もインターンの担当として、「全業種徹底解剖セミナー」といったコンテンツも作りました。もはやオープンハウスとは直接関係がないのですが、今私が仕事を心から楽しめているからこそ、今から進路を決める学生にもそう思ってほしいなと感じています。
――改めて学生に対してのメッセージをお願いします。
学生のうちに、なにか一つのことに夢中になる経験をぜひしてほしいなと思います。なにかに夢中になっていると、自分のできないこと、壁にぶつかる瞬間が必ずあります。それも含めて財産になると思っています。
そして就職活動は、宝探しと一緒です。過去と他人は変えられないけれど、未来は自分で創れます。目指すもの、頑張れる志をなにか一つ見つけて、ワクワクしながら就職活動に取り組んでみてほしいと思っています。
吉野愛理
人材開発部 新卒建築技術採用グループ 係長
2021年4月、株式会社オープンハウスディベロップメント入社。人材開発部 新卒営業企画採用グループへ配属。その後事務総合採用課に異動し、23年8月に新卒建築技術採用グループへ異動。24年4月に主任に昇格。2025年10月係長に昇格。営業職、技術職、事務職すべての採用に関わった経験を活かし、インターンの企画等も手がける。二級施工管理技士の学科試験に通過し、施工管理技士補取得。