自分が全力だから、誰かを元気にできる。——大阪公立大学応援団
「活気ある大阪公立大学をつくる」を理念に掲げる大阪公立大学応援団。リーダー部・吹奏部・バトン・チアリーダー部の3部で構成され、計43名が在籍しています。3部が独立せず、毎回一緒に練習することで生まれる一体感を強みに、体育会の応援や学校行事への出演を通じて大学の魅力を発信しています。キャンパス移転による新入生勧誘の難しさといった課題にも、広報の工夫で向き合ってきました。今回は、団長を務める加藤裕大さんに、応援団の特徴や活動への思い、これまでの取り組みについて話を伺いました。
—— 大阪公立大学応援団について概要を教えてください。
私たちは「活気ある大阪公立大学をつくる」という理念を掲げて活動しています。具体的には、体育会の部活動や学生同士の横のつながりを広げること、地域の方々に大学へ親しみを持ってもらうことを目指しています。体育会の応援や学校行事への出演を通じて、大阪公立大学の活気や魅力を発信し、より多くの方に親しみを持ってもらえる団体になれるよう日々取り組んでいます。
組織はリーダー部、吹奏部、バトン・チアリーダー部の3部構成で、計43名が在籍しています。国公立大学の応援団としても、比較的大きな規模だと感じています。

—— 加藤さんが応援団に入った理由を教えてください。
組織として誰かを応援できる応援団に魅力を感じたからです。私は中学まで野球、高校ではハンドボールをしていて、プレイヤーとしては十分やったという思いがありました。自分がプレーしていたときに、周囲の声かけや雰囲気づくりに何度も力をもらいました。今度は自分が誰かを元気にする、やる気にさせる経験をしてみたいと考えました。
もう一つは、応援団の雰囲気に惹かれたことです。誰かを支える立場の人が集まっているので温かい人が多く、勉強でもアルバイトでも何かに一生懸命な人ばかりでした。そういう環境に自分の身を置けたらいいと思いました。
—— どんな練習をしていますか?
週に3回ほど練習しています。私が所属するリーダー部では、基礎的な体力づくりや発声練習、演武や演奏の練習に取り組んでいます。応援活動以外に自分たちのパフォーマンスを披露するステージもあるので、そこで見せる演目の練習も行います。
体力づくりは応援に直結します。夏場は外で2時間半ほど応援するので、その時間ずっと声を出し、楽器を演奏し続けられる体力が必要です。リーダー部の自主ステージは体を大きく使う演目が多く、本当に体力勝負になるので、最大限のパフォーマンスを出すための土台になっています。

—— 3部が一緒に練習することにこだわる理由は何ですか?
全員が応援団であるという一体感を大事にしているからです。応援団の中では吹奏部やバトンチアが独立して活動するケースが多いのですが、私たちはこの3部を離さず、毎回一緒に練習します。
普段は2時間ほど各部で練習し、最後の30分は全員で合わせます。この時間を必ず取ることを大切にしています。吹奏部は個人の演奏技術を追求するより、応援団として声を出し、応援が華やかになる演奏を意識します。バトン・チアリーダー部も全員が大きな声を出して応援を第一にしつつ、ダンスやバトンの技術も練習します。声を出す応援と各部の技術を両立しているのが特徴です。この一体感は、私たちが自信を持てる強みだと思っています。
—— 部員にはどんな人が多いですか?
何事にも一生懸命なバイタリティの高い人が多いです。応援団の活動はみんな等しくやっているはずなのに、いつの間にか海外旅行に行っていたり、その分アルバイトもしていたりと、良い意味で行動力が抜きん出ている人が多い印象です。学部の勉強が忙しいなかで応援団を続けていること自体、熱量の高さの表れだと思います。
それぞれ個性が強く、応援が好きな人、ステージのパフォーマンスが好きな人、楽器の技術を磨いてより多くの人に音を届けたい人など、モチベーションの方向はさまざまです。それぞれが個性を発揮しながらお互いの魅力を引き出せる、温かい雰囲気があります。
私自身は団長として、応援団のためにどうあるべきかをずっと考えてきました。自分のやりたいこと一つにモチベーションがあるというより、応援団がより円滑に活発に活動できるように貢献したいという気持ちが根本にあります。

—— 応援するうえで大切にしていることは何ですか?
見てくれる人が元気になることを一番に考えています。応援やステージは私たちにとっても大変ですが、試合や本番に臨む相手の方々は、それ以上の緊張や負荷を抱えています。自分たちのしんどさよりも相手の状況を第一に考え、そのうえで自分の全力を出すことを大切にしています。
最終的には、私のパフォーマンスや応援を見てくれた人が笑顔になり、元気になってくれたらいいと思っています。
—— 印象に残っているステージはありますか?
1回生のときに、三商大学の合同ステージで初めて演武をしたことが忘れられません。新入生だけの演目を一つ任され、当時は拙かったと思いますが、自分のなかで精一杯やりました。
そのとき見てくださったOBや他大学の応援団の先輩から、これまでにないほど大きな言葉をかけていただきました。完成度もある程度評価されたようですが、特に評価していただいたのは、最後までやり切る姿勢でした。演武は低い姿勢を保ちながら大きな声を出し続ける体力的にきつい演目で、それを最後まで全力でやり切ったことを見ていただけました。
自分が一生懸命であれば、ちゃんと見てくれている人がいて、その人の心に届くと実感した瞬間でした。これがその後の応援団生活のモチベーションの一部になっています。
—— 活動を通して一番学んだことは何ですか?
誰かを応援し支えるためには、まず自分が一生懸命であることが一番大事だということです。そして自分が全力でやれば、必ず相手に届くものがあると身をもって体感しました。
印象に残っているのは、野球部の1部・2部入れ替え戦での応援です。延長のタイブレイクで無失点に抑えられた場面や、満塁のチャンスで得点が入った場面で、自分たちが会場の雰囲気をつくり選手の後押しになれたのではと感じました。試合の後に「来てくれてありがとう」と言っていただける瞬間は、応援団をやっていて一番やりがいを感じます。

—— 今感じている課題と、その取り組みを教えてください。
大きな課題の一つは、キャンパス移転による新入生の勧誘です。新キャンパスへの移転により、新入生の主な生活拠点が活動拠点から離れ、活動拠点のキャンパスと30分以上離れてしまいました。大学からの交通の援助もなく、これでは部活に入る人がいるのか、という状況でした。団体を継続させるための入部者をどう確保するかが一番頭を悩ませた課題です。
最終的には、大阪城ホールでの入学式で10分ほどステージを披露したり、学園祭でのステージや新しいキャンパスでの勧誘活動、SNSの活用などに取り組みました。その結果、9名が入部し、課題を乗り越えることができました。
もう一つの課題は、応援団らしい力強さの向上です。私たちは個性的で明るい団体ですが、応援のパフォーマンスや一人ひとりの姿勢には、まだ伸ばせる余地があると感じています。そこで、激励会で体育会とのつながりをつくって応援に前向きになってもらったり、ステージを目標に各部の技術を高めたりしています。
—— これから力を入れていきたいことは何ですか?
部活動同士の横のつながりを強めて、試合会場をもっと盛り上げたいです。応援団と各部の個別の関係は最近つくれてきましたが、例えば野球部とサッカー部のように体育会同士が横でつながれば、もっと盛り上がると思います。
そのためには、部活同士が顔を合わせる機会が必要です。春には激励会を開いて体育会のみなさんに目標を発表してもらい、シーズンを頑張ろうという会を開きました。想定以上に多くの方が参加してくださり、顔見知りになれる関係ができてきたと感じています。こうした機会を増やしていきたいです。

—— いつも応援してくださっている方々へのメッセージをお願いします。
いつも私たちの応援を気にかけ、声をかけてくださる体育会のみなさんや、支えてくださる方々に感謝しています。最近は試合会場で「応援ありがとう」と言っていただいたり、広報活動を一緒にやりませんかと声をかけていただいたりと、良い関係を築けていると感じます。これからも見てくださる方が笑顔に、元気になれるような応援を届けていきたいです。
入部を考えている学生のみなさんへ。応援団には、何かに一生懸命になれる温かい人が集まっています。応援が好きな人、ステージや楽器が好きな人など、それぞれの個性を発揮しながらお互いの力を引き出せる場所です。誰かを全力で応援し、その思いが届く瞬間にやりがいを感じられる経験は、応援団ならではだと思います。興味がある方は、一度活動を見に来てください。