
業界研究シートの書き方と就職活動に活用するポイントを徹底解説
就職活動ではまず業界を研究した上で、企業研究へと進むのが一般的な流れです。膨大な情報を整理するには、業界研究シートの活用が有効です。業界全体的な特徴から主となる企業の動きなどをまとめておけば、業界を理解しやすくなります。また、シートでまとめることで、複数の業界を比較できるので自分に合った業界であるか判断しやすいのも特徴です。
本記事では、業界研究シートの書き方から就職活動に活用するポイントまで詳しく解説します。
業界研究シートとは
業界研究シートとは、特定の業界全体を客観的に把握するためのシートです。調べたい業界の市場規模や主要となる企業、求められる人材像などを整理します。そのため、具体的に業界を把握するほか、複数の業界を比較したい場合でも有効です。ここでは、業界研究シートを次の項目で詳しく解説します。
・業界研究シートの役割
・業界研究と企業研究の違い
・業界研究シートを活用するメリット
1. 業界研究シートの役割
業界研究ソートの役割は、業界に関連する情報を可視化して整理することです。就職活動は限られた時間の中で、膨大な情報から必要なものを把握しなければいけません。そのため、頭の中だけで整理していると、誤って認識したり、大事な部分を見落としたりする可能性があります。
そこで、業界研究シートで、市場規模や主要となる企業、求められる人材像などの項目をまとめておけば、効率的に業界把握が可能です。また、業界研究シートを使って、自分に合う企業であるのかの判断もしやすくなるでしょう。
2.業界研究と企業研究の違い
業界研究と企業研究は、就職活動においていずれも必要な取り組みです。しかし、それぞれ対象範囲と目的が異なります。業界研究は業界全体的に特徴を把握するために行います。一方で、企業研究は特定の企業に関連する事業内容や社風、採用方法など具体的に情報を収集することが目的です。
まず、業界研究で業界全体の特徴を把握しておいて、次に気になる企業の研究を進めるとよいでしょう。それぞれの研究結果は自己PRや志望動機への反映、面接対策などに活用できます。
3.業界研究シートを活用するメリット
業界研究シートを活用するメリットは、次の2点です。
・必要な情報を可視化しやすい
・複数の業界を比較しやすい
業界研究シートを作成する一番のメリットは、業界の特徴や必要な人材などの情報を一目でわかる点です。効率的に業界を理解できるほか、見落としを防止できます。また、整理された情報によって新たな発見があるかもしれません。
業界研究シートによって情報が整理されたことで、複数の業界比較もしやすくなります。同じ項目で横並びにすると比較ができるため、より業界についての理解を深められるでしょう。
業界研究シートの書き方
業界研究シートはただ情報を並べるだけではありません。効率的に活用できる書き方が重要です。
1. 記載する内容
業界研究シートには、次の内容を記載することが一般的です。
・業界の市場規模
・主要となる企業
・業界における将来の見通し
・魅力や懸念点
・必要とされる人材
上記の情報の他に、自身の経験や仕事に求める内容などを関連づけて記載すると、後から自己PRや志望動機の作成がしやすくなります。また、面接で一貫性のある回答ができるようになるでしょう。
2.複数の業界を比較
業界研究シートをさらに効率的に活用するためには、複数の業界を同じ項目で比較することが重要です。共通の項目を設定しておくと、具体的に違いを理解しやすくなります。1つの業界だけを研究しているとわからない点でも、比較することで新たな発見があるかもしれません。
表面的なイメージだけでなく、より業界を理解できるほか、自分に合った業界を探しやすくなります。そのためにも、自分が特にこだわる点を項目に加えるとよいでしょう。例えば、業界ニュースや説明会などから感じたことをシートに追加しておけば、自分の考えも整理できます。
3.志望動機につなげやすいシートの活用法
業界研究シートは作成しただけでは効果はでません。研究した内容を志望動機につなげることが重要です。例えば、変化の大きい業界であると分析した場合、行動力や分析力などのスキルと連動して志望動機を作成できます。
面接では、「なぜこの業界を選んだのか」といった質問をされるケースが多く見られるため、シートを活用することで、採用担当者が納得する回答ができるでしょう。また、企業を選んだ理由も業界の分析結果から説明すれば、より深みのある志望動機となります。
4.自己分析と連携したシート作成
業界研究シートを、自己分析と連携しておけばESの作成や面接準備に使いやすくなります。例えば、体育会の出身者で食品業界を志望している学生は、「健康に配慮した上で練習を重ねてきました。その時の取り組みを御社でも活かしていきたいと思います。」とエピソードを加えて説明することが可能です。
さらに、業界の求める人材と自身の経験やスキルが一致していることをアピールすれば、自分が入社後に活躍できる説明をしやすくなります。このように、業界研究シートを自己分析と連携しておくと、さらに志望動機をスムーズに作成できるでしょう。
業界研究シートに必要な情報を収集する方法
業界研究シートを効果的なツールにするためには、信頼できる情報源の活用が必要です。また、就活サービスの利用や現場の声を含めると、さらに質の高い業界研究ソートができます。
1. 企業HPやIR資料
業界の基本的な情報を把握する上で、企業HPやIR資料は書かせません。中でも上場企業は、事業戦略や市場環境を公開しているため、必ず確認しましょう。また、同じ業界内でも、企業ごとの特色を比較しやすくなります。
また、企業の採用サイトには、求められる人物像やスキルなどが書かれています。複数社を確認すると、業界全体的な特徴を把握することが可能です。IR資料は難しいと思うかもしれないですが、慣れてくると他の学生と差別化できる情報を入手できます。
2.就活サービスの活用
リクナビやマイナビといった就活サービスは積極的に利用するとよいでしょう。業界ごとの最新情報や実際に勤めている人のインタビュー記事を読める場合があります。また、ES(エントリーシート)や面接対策を業界ごとに説明している場合もあり、効率的に就職活動を進められます。
さらに、学生向けのイベントや説明会などで、Webや雑誌などでは入手できない情報を得られる可能性もあるでしょう。
3.現場の声
業界を理解するために、実際に働いている人の声を収集することも重要です。業界関連の説明会やOB・OG訪問によって、リアルな雰囲気や課題などがわかります。さらに、やりがいや達成感などを聞ける場合もあります。
例えば、人材不足が課題と言われている業界で現場の声を聞くと、「教育体制が十分でない」「研修制度が足りていない」などといった意見を聞ける場合があるでしょう。さらに、自分の感想を盛り込んだ内容にすると、自分に合った企業を探しやすくなります。
業界研究シートを就職活動に活用しよう
業界研究シートは、業界を詳細に理解することを目的としたツールです。また、分析した内容を基に企業研究することで、自分に合った企業を見つけやすくなるほか、自己PRや志望動機の作成につなげられます。
複数の業界を比較したり、セミナーやOB・OG訪問などによる体験を含めたりすることで、さらに業界を理解しやすくなります。業界研究シートの活用で、就職活動を効率的にできるでしょう。