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新歓の工夫で再び活気あるチームへ。風を読み、判断力を磨く——熊本大学ヨット部

熊本大学体育会ヨット部は、宇土マリーナを拠点に、土日を中心に活動しています。大学ヨットでは2人乗りのスナイプ級と470級が主流ですが、同部では1人乗りのレーザー級にも取り組んでいる点が特徴です。部の目標は、インカレで上位入賞することです。近年は部員数の減少や練習環境の制限といった課題もありましたが、新歓活動に力を入れたことで新入部員が増え、新たなチームづくりを進めています。今回は、主将の相澤星空さんに、ヨットの魅力やチームの特徴、今後の目標について伺いました。

 

——熊本大学体育会ヨット部について概要を教えてください。

 

私たちは、宇土マリーナを拠点に、主に土日に活動しています。大学から練習場所まで距離があるため、限られた練習時間を大切にしながら取り組んでいます。

大学ヨットでは、スナイプ級や470級といった2人乗り種目が中心ですが、私たちは少人数で活動しているため、1人乗りのレーザー級にも力を入れています。私自身も、これまでレーザー級に取り組んできました。

部としては、インカレでの上位入賞を目標に日々練習に励んでいます。新入生が増えたことでチームに活気が出てきたので、初心者にも丁寧に教えながら、全体でレベルアップしていきたいです。

 

 

——相澤さんが考える、ヨットの魅力は何ですか?

 

私にとってヨットの魅力は、自然を相手にしながら、自分の知識や技術で艇を動かせることです。

海に出ると、波が高かったり、風向きが読みにくかったりすることがあります。自然の影響を自分たちで変えることはできないため、その場の状況を見極めながら艇を操る必要があります。怖さを感じる場面もありますが、自分の判断で艇を思い通りに進められたときに、大きな面白さを感じます。

また、同じ風が吹く日はなく、ヨットに乗るたびに状況は変わります。セールの調整や艇の傾きのコントロールを考えながら走る必要があり、常に判断が求められます。そうした難しさと奥深さが、ヨットならではの魅力だと思います。

 

——チームの特徴や強みを教えてください。

 

私たちの強みは、少人数だからこそ、一人ひとりに丁寧に向き合えることです。新しく入った部員にも、ほぼマンツーマンに近い形で指導できるため、基礎から着実に学びやすい環境があります。

顧問や専属コーチが常にいるわけではないため、基本的なことは先輩から教わることが中心です。加えて、OBの方々から技術面や艇の整備について教えていただく機会もあり、部内外のつながりを活かしながら成長できることも特徴です。

練習場所が大学から離れているため、練習は主に週末に限られます。その分、一回一回の練習の質を大切にし、限られた時間を有効に使うことを意識しています。

 

 

——初心者はどのように上達していきますか?

 

初心者には、理論だけでなく実践を通して学んでもらうことを大切にしています。

ヨットには専門用語が多く、言葉だけでは伝わりにくいことがあります。特に、セールの状態や風の受け方は、実際にヨットに乗ってみないとイメージしづらい部分です。そのため、動画を見せたり、乗艇中に「今の操作で艇がどう動いているのか」をその場で説明したりしながら、感覚と理論を結びつけながら理解できるようにしています。

また、練習後には一人ずつ感想や疑問点を共有する時間を設けています。良かった点と改善点を確認することで、次の練習で意識すべきことが明確になります。今後は月に1回ほど平日に集まり、動画を見ながら練習を振り返る機会もつくりたいと考えています。実践と振り返りを繰り返しながら、少しずつ上達につなげていきたいです。

 

——新入生を増やすために工夫したことはありますか?

 

新歓活動では、「入部してください」と直接伝えるのではなく、まずは「体験会に来てください」と声をかけることを意識しました。私自身、体験会でヨットに乗ったことが入部のきっかけだったため、新入部員を増やすには、まずヨットの面白さを体験してもらうことが大切だと考えたからです。

新歓時期には体験会を多く開催し、海やヨットに触れる機会を増やしました。

また、Instagramでの発信にも力を入れました。入学前から活動の様子やイベントの写真を投稿し、ハッシュタグなども工夫することで、新入生に見つけてもらいやすくしました。

さらに、大学が開催する合同の新歓イベントにも積極的に参加しました。体験会だけでは接点を持てない学生にも、まずは部の存在を知ってもらえると考えたからです。

運営は大変でしたが、こうした取り組みによって体験会への参加者が増え、最終的に6人が新たに入部してくれました。まずはヨットの面白さを知ってもらうことが、新入生を増やす上で最も大切だったと感じています。

 

 

——どのような部員が多いですか?

 

新しいことに挑戦したいという思いを持つ部員が多いです。ヨット経験者は少なく、多くの部員が大学から競技を始めています。

熊本県内でもヨット部がある高校は限られているため、入部する学生のほとんどが未経験者です。初めて一人で艇に乗るときには不安もありますが、それでも「やってみたい」と挑戦する新入生が多いことは、チームの大きな特徴だと思います。

私たちは安全対策を徹底したうえで、早い段階から実際に艇に乗る機会を設けています。未経験者でも安心して挑戦しやすい雰囲気があることは、今のチームの良さの一つです。

 

——チームが抱える課題はありますか?

 

課題は、部員数の増加にあわせて、組織運営を整えていくことです。

これまでは少人数だったため、個人ごとに練習を進めることが中心でした。しかし、新入生が増えたことで、練習方針や艇の運用、資金面などを、より計画的に考える必要が出てきました。

今後の目標は、部員数を15人程度で安定的に維持することです。部員が増えることで練習の幅が広がり、役割分担もしやすくなります。そのためにも、継続的に新入生を迎え入れながら、無理なく活動を続けられる体制を整えていきたいです。

また、今後は他大学との合同練習や合宿も計画しています。OBの方々にも協力していただきながら、途切れていた交流を少しずつ再開していきたいです。唐津や福岡のハーバーでの練習も検討しており、より多くの経験を積める環境をつくっていきたいと考えています。

 

 

——ヨット部での活動を通して学んだことは何ですか?

 

最も大きな学びは、自分では変えられない状況に向き合う力です。

ヨットは自然を相手にする競技であり、練習の成果が自分たちの努力だけで決まるわけではありません。やる気を持って練習に来ても、風が吹かず思うように練習できない日があります。反対に、風が強く、より集中して取り組まなければならない日もあります。

自然は自分たちの都合に合わせて動いてはくれません。だからこそ、まずはその状況を受け入れたうえで、今できることを考える必要があります。

ヨット部での活動を通して、環境のせいにするのではなく、与えられた条件の中で何ができるかを考え、行動する力が身に付いたと感じています。

 

 

——いつも応援してくださっている方々へのメッセージをお願いします。

 

いつも応援してくださっている皆さまのおかげで、熊本大学ヨット部は新入部員を迎え、再び活気のあるチームへと変わりつつあります。本当にありがとうございます。

私たちは今、インカレでの上位入賞という目標に向かって活動しています。実績だけを見れば、他大学の方に及ばない部分もあるかもしれません。それでも、熊本大学ヨット部には未経験から挑戦する部員が多く、一人ひとりが成長しながら、部をより良くしていこうと努力しています。

主将として、私自身もまだ学ぶことがたくさんあります。これからも積極的に知識や技術を吸収し、その経験を後輩たちに伝えていきたいです。

また、入部を考えている学生には、まず一度、ヨットに乗ってみてほしいと思います。経験がなくても問題ありません。新しいことに挑戦したい人や、大学でしかできない経験をしてみたい人には、ぜひ体験会に来てほしいです。

これからも感謝の気持ちを忘れず、インカレでの上位入賞を目指して活動していきます。今後とも、熊本大学ヨット部への応援をよろしくお願いいたします。