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練習メニュー作成から資金調達まで学生が担う。制約を強みに変えるチームの挑戦——東京理科大学I部体育局サッカー部

東京理科大学I部体育局サッカー部は、専用グラウンドや常駐の監督がいない環境の中で、学生主体の組織運営を続けています。限られた環境の中でも、練習メニューの作成からスポンサー企業とのやり取りまで、学生が主体となってチームを運営しています。

「愛されるチームへ」というスローガンのもと、長期的には関東リーグ昇格を見据えながら、関東大学サッカーリーグ戦 東京・神奈川2部での優勝と1部リーグ昇格を目指しています。

今回は、学業と競技を両立しながら本気で勝利を目指すチームの取り組みについて、マネージャーの皆川佳子さんに話を伺いました。

 

 

——東京理科大学I部体育局サッカー部の概要を教えてください。

 

東京理科大学I部体育局サッカー部は、関東大学サッカーリーグ戦 東京・神奈川2部に所属しています。2026年シーズンは、2部リーグで優勝し、1部リーグに昇格することを目標に活動しています。さらに、5〜10年後には、カテゴリーが2つ上の関東リーグへの昇格を目指しています。

2026年現在の部員数は49名です。スポーツ推薦制度はなく、大学でも本気でサッカーを続けたい学生が集まっています。東京理科大学は理系大学として知られていますが、部員の約4割は経営学部に所属しています。

部員の中には、高校サッカーの強豪校でプレーしていた選手や、過去にプロを目指していた選手もいます。さまざまな経験を持つメンバーが集まり、互いに刺激を受けながら練習に取り組んでいます。

チームのスローガンは「愛されるチームへ」です。保護者の皆様、OB・OGの方々、スポンサー企業など、周りの支えへの感謝を忘れずに活動しています。

 

 

——他大学のサッカー部と比べたとき、どのような特徴がありますか?

 

特徴は大きく分けて2つあります。

1つ目は、学生主体でチームを運営している点です。私たちのチームには、日々の練習を見てくださる専属の監督やコーチが常駐していません。そのため、練習メニューの作成から外部グラウンドの確保、練習試合の調整まで、学生が中心となって行っています。

さらに、東京都大学サッカー連盟やスポンサー企業とのやり取りも学生が担っています。自分たちに何が必要かを考え、その内容を練習やチーム運営に素早く反映できることは、私たちの強みだと感じています。

2つ目は、限られた環境の中でも集中して練習に取り組める点です。東京理科大学には、サッカー部が日常的に自由に使える専用グラウンドがありません。神楽坂キャンパスは都心部に位置しており、葛飾キャンパス周辺のグラウンドも公共施設であるため、利用できる時間に制約があります。

練習時間は1日2時間ほどに限られていますが、その分、グラウンドでの時間を無駄にしない意識がチーム全体にあります。短い時間の中で何を伸ばすか、どうすれば試合で成果につながるかを一人ひとりが考えながら練習しています。この集中力の高さは、私たちの強みの一つです。

 

——専用グラウンドがない中で、練習と学業をどのように両立していますか?

 

平日は週3回、主に上井草スポーツセンターなど、都内の公共施設をお借りして練習しています。夜間は地元の小中学生がグラウンドを使用することが多いため、私たちは朝6時から8時までの早朝練習を基本としています。

部員の多くは、始発の電車に乗って練習に向かいます。私自身も千葉県から約1時間半かけて通っています。朝早く起きる大変さはありますが、8時に練習が終わるため、1日を有効的に使うことが出来ます。東京理科大学はレポート課題も多く、学業面の負担は決して軽くありません。授業の空き時間に課題を進めたり、アルバイトの時間を調整したりしながら、部員それぞれが時間をうまく使っています。

限られた環境の中で活動しているからこそ、練習だけでなく、学業やアルバイトも含めて時間の使い方を考える習慣が身についています。

 

 

——短い練習時間の中で、競技面ではどのような工夫をしていますか?

 

練習時間が限られている分、試合前の準備を大切にしています。その一つとして、対戦相手の分析に力を入れています。2026年シーズンからは、スポーツ用のAIカメラ「Veo」を導入しました。VeoはAIによって試合全体を自動撮影できるスポーツ用カメラです。

現在は、3年生の幹部学年を中心に、毎週末の試合動画を細かく振り返っています。相手チームの戦術や、どのような形で得点・失点しているのかを分析し、その内容を「Notion」という情報共有アプリにまとめています。

例えば、相手の強みや弱み、コーナーキックの守り方などを項目ごとに整理し、LINEグループでチーム全体に共有しています。指導者が常駐していない環境だからこそ、学生自身がデータをもとに戦術を考え、次の試合に向けた具体的な対策を立てています。

 

——チームならではの組織体制はありますか?

 

私たちのチームでは、3年生が幹部学年を務めるという独自の体制をとっています。多くの大学運動部では4年生が主将や幹部を務めますが、東京理科大学I部体育局サッカー部では、2年生の10月に代替わりをします。そこから3年生の10月までの1年間、3年生が中心となってチームを運営します。

この体制にしているのは、部員が自分の進路と向き合う時間を確保するためです。3年生の秋以降は就職活動が本格化し、大学院進学に向けた勉強も忙しくなります。理系学部の学生にとっては、日々の課題や研究の負担も増えていく時期です。

3年生の10月で幹部としての役割を終えることで、その後は学業や就職活動に集中しやすくなります。もちろん、幹部を退いた後も、多くの部員は4年生の10月まで選手として競技を続けています。

 

 

——スポンサー企業とは、どのように関わっていますか?

 

資金面の課題を解決するため、スポンサー企業への営業活動や関係づくりも学生が担当しています。専用グラウンドを持たない私たちは、日々の施設利用料や遠征費など、多くの費用が必要になります。

2026年現在は、OBの方が代表取締役を務めるテラスカイ株式会社様や、株式会社ベネフィット・ワン様、南信重機興業株式会社様の3社の企業に支援していただいています。企業へのアプローチから契約書の締結、シーズン終了後の報告会まで、現在も学生が中心となって進めています。

 

——これまでの活動で、特に印象に残っている出来事はありますか?

 

私自身、特に印象に残っているのは、2025年3月のアミノバイタルカップと、その後のリーグ戦で初勝利を挙げた試合です。

2024年シーズン、チームは2部優勝を果たし、2025年からは1部リーグで戦うことになりました。そのシーズンの目標は「1部定着」でした。1部で自分たちの力がどこまで通用するのか、不安を抱えながらも、日々練習に励んでいました。

そのような思いを抱えて臨んだのが、2025年リーグ戦直前のアミノバイタルカップでした。この大会では、1部リーグの上位校に勝利し、あと一歩で東京都代表というところまで勝ち進むことができました。この経験を通じて、チーム全体として大きな手応えを得ることができました。

その後の2025年リーグ戦で東京大学に1対0で勝利した試合も、深く記憶に残っています。チームを背負っていた主将がゴールを決め、全員で最後まで守り抜いたことで、1部リーグでも戦えるという自信につながった試合でした。

また、今シーズンも選手たちは毎試合熱いプレーを見せてくれています。中でも第7節の芝浦工業大学戦では、後半アディショナルタイムに勝ち越しゴールが生まれ、劇的な勝利を収めました。苦しい戦いが続く中でつかんだこの1勝は、チームに大きな自信を与え、今後に向けた原動力の一つとなりました。

私自身、サッカー部に入るまで、勝敗に強くこだわる環境に身を置いた経験があまりありませんでした。だからこそ、本気で勝利を目指し、プレッシャーの中で結果を出した選手たちの姿を見て、心から誇らしく感じました。

 

 

——いつも応援してくださっている方々へ、メッセージをお願いします。

 

保護者の皆様、スポンサー企業の皆様、OB・OGの皆様、いつも東京理科大学I部体育局サッカー部を支えてくださり、本当にありがとうございます。皆様からの温かい声援やご支援が、チームにとって大きな力になっています。

2026年シーズンは、「愛されるチームへ」というスローガンを掲げています。私たちがサッカーに打ち込めるのは、周りの方々の支えがあるからです。その感謝を忘れず、日々の行動や試合での姿勢、結果を通して応えていきたいと考えています。

将来的な関東リーグ昇格という大きな目標に向けて、これからも部員一丸となって挑み続けます。引き続き、東京理科大学I部体育局サッカー部へのご声援をよろしくお願いいたします。