4つのキャンパスに分かれても、目指すのは北信越王者——信州大学体育会準硬式野球部
信州大学体育会準硬式野球部は、松本キャンパス野球場を主な拠点に活動しています。部員は4つのキャンパスに分かれているため、40人全員が集まって練習できる機会は多くありません。そのため、全体練習以外の時間は、それぞれが自分の課題に合わせて練習に取り組んでいます。
現在の目標は、秋季北信越大会での優勝です。直近の春季大会での悔しさを踏まえ、選手層の強化や運営面の課題にも向き合っています。距離や時間に制約があるなかで、どのように活動しているのか。今回は、主務であり選手兼監督も務める森本寛士さんに話を伺いました。

——信州大学体育会準硬式野球部について、概要を教えてください。
私たちは、信州大学松本キャンパス野球場を主な拠点に活動しています。部員は1年生8人、2年生7人、3年生13人の計28人です。文系が約4割、理系が約6割を占めています。2年生以降は学部によって所属キャンパスが分かれるため、部員は複数のキャンパスに分かれて活動しています。
練習は、水曜・木曜の16時30分から18時30分、土曜または日曜の8時30分から12時が基本です。普段はノックや実戦練習、バッティング練習を中心に取り組んでいます。
年間のスケジュールとしては、4〜5月に春季北信越リーグ、6月に北信越交流大会があります。8月には練習試合を目的とした関東遠征、10月には秋季北信越大会、そして11月に引退試合があります。
——チームの目標について教えてください。
私たちの目標は、秋季北信越大会で優勝することです。直近の春季大会も優勝を目指して臨みましたが、予選リーグで敗退しました。特に、負ければ予選敗退が決まる試合は悔しさが残っています。試合終盤まで接戦が続きましたが、あと一歩及ばず敗戦となりました。
春の結果をそのまま終わらせず、秋の大会で結果を出すために、チームとして改善すべき点を見直しています。その一方で、打撃面では手応えもありました。春季リーグ戦では、1試合あたりの安打数が8〜10本ほどに増え、打率4割を超える打者も4〜5人いました。得点につながる形は見えてきた一方で、試合を勝ち切るためには投手層や選手層の強化が必要です。春の大会で見つかった課題を一つずつ改善し、秋季北信越大会での優勝につなげたいと考えています。

——活動するうえで大変なことは何ですか?
最も大変なのは、部員が4つのキャンパスに分かれているため、全員で集まれる機会が限られていることです。
信州大学はキャンパスが4つに分かれており、部員もそれぞれ異なる場所で活動しています。キャンパス間は約50km離れている場合もあり、集合には車で1時間半ほどかかることがあります。そのため、全員で集まれる日や練習時間は限られています。
1年生は松本キャンパスにいますが、2年生からは学部によってキャンパスが分かれます。一部は松本キャンパスに残るものの、約半数の部員は他キャンパスから参加しているため、移動には大きな負担がかかります。
それでも、集まれる時間が貴重だからこそ、一回一回の練習を大切にしようという意識がチームに根付いています。
一人暮らしの部員が多く、授業や練習以外でも集まりやすいため、自然と交流する機会が多くあります。特に1年生の間は全員が松本キャンパスに所属しているため、学年全体で仲を深めやすい環境です。1年生のうちに関係性があるからこそ、2年生以降にキャンパスが分かれても連絡を取り合い、つながりを保てています。こうした点は、このチームらしさの一つだと思います。
——限られた練習時間のなかで、どのような工夫をしていますか?
課題を自分で見つけて改善につなげることを意識しています。平日に松本キャンパスへ行けない部員は、自分のキャンパスのグラウンドで走ったり素振りをしたり、ジムで体を鍛えたりしています。全体練習がない時間をどう使うかが大事だと考えています。
全体練習では、その時々の課題に合わせて練習内容を工夫しています。ノックでは、人数が少ない日でも試合を想定できるように、仮想のランナーを設定しながら練習します。例えば、前の試合でフライアウトが多ければ、低く強い打球を打つ練習を入れます。外野フライへの対応に課題があれば、外野ノックで後ろのフライを捕る練習をします。
個人練習でも、課題からメニューを考えます。私自身、打撃に課題があった時は、冬にスイングやタイミングを見直しました。ジムでは、ただ重いものを上げるのではなく、野球につながる背筋や下半身のトレーニングも意識しました。自分の弱みを見つけ、改善につなげる行動こそが自主性だと思っています。

——チームの強みと課題を教えてください。
私たちの強みは、誰か一人に頼るのではなく、チーム全員でチャンスをつくり、得点につなげられることです。個人の力だけで勝つのではなく、それぞれが自分の役割を理解し、その場面で求められるプレーを徹底することを大切にしています。
春のリーグ戦では、2アウトでランナーがいない場面からでも、長打に頼らずチャンスをつくることができました。誰か一人が試合を決めるというより、打線をつなぎながら得点につなげます。そうした攻撃は、私たちらしい強みだと思います。良いプレーが出た時には、ベンチも含めて全員で盛り上がり、その雰囲気がチーム全体の勢いにつながっています。
一方で、課題は投手層と内野の選手層です。投手については、長いイニングを任せられる選手を増やす必要があります。内野も選手層が薄く、調子が上がらない選手を交代したくても、守備位置の兼ね合いで代えにくい場面がありました。今後は新しく入部した1年生の力も借りながら、代打や守備固めなどの選択肢を増やしていきたいと考えています。
——選手兼監督として、どのような難しさがありますか?
一番の難しさは、自分が選手としてプレーしながら、監督としてチーム全体の判断もしなければならないことです。
私は選手兼監督なので、自分のプレーとチーム全体の状況を同時に考えています。ピッチャー交代のタイミングや選手起用は、最終的に私が決めます。攻撃では、自分が打席やネクストバッターズサークルにいない場面でサインを出します。盗塁やエンドランを使うかどうかも、カウントやアウト数を見ながら判断しています。
自分一人の考えに偏らないように、同級生との対話を増やしています。オーダーを考える時も、グループLINEで意見を聞きます。自分とは違う視点を取り入れたうえで、選手起用を決めるようにしています。
この経験を通して、中学や高校で監督が選手起用や試合中の判断を担ってくれていたことの大きさにも気づきました。学生同士のチームでは、同級生や後輩に対して、伝えるべきことをどう伝えるかという難しさもあります。友人としての関係があるからこそ、チームのために伝えるべきことをどう伝えるかを考えます。
選手としてプレーしながら監督として判断するため、試合中は常に考えることがあります。それでも、自分とチームに向き合う時間が増えたことは、選手兼監督を務めて良かったと思える点です。

——部の雰囲気と大学生活について教えてください。
部の雰囲気は明るく、活気があります。部員は個性豊かで、明るい人が多いです。良いプレーが出たときにはみんなで盛り上がり、お互いを高め合う空気があります。
野球以外では、レクリエーションとして学年間対決をすることがあります。バレーやバスケットボールを通して、学年を越えて関わる機会もあります。教員志望の学生や研究に力を入れている学生、アルバイトに打ち込んでいる学生など、さまざまな人がいますが、それぞれの個性を尊重し合えるところが良さだと思います。
学業については、授業を優先しています。部員の9割ほどがアルバイトをしていて、一人暮らしの学生も多いです。忙しさはありますが、隙間時間を使ってレポートや課題に取り組んでいます。
——いつも応援してくださっている方々へのメッセージをお願いします。
私たちは、4つのキャンパスにいるメンバーが集まって活動しています。距離や時間の制約はありますが、練習できる時間を大切にしながら、互いに声を掛け合って活動しています。学年やキャンパスの垣根を越えたつながりを大切にし、全員で秋季北信越大会優勝を目指しています。
入部を考えている学生には、野球が好きな人はもちろん、自分で課題を見つけて主体的に取り組みたい人にも来てほしいです。全体練習が少ない分、自分自身と向き合いながら課題を改善する時間があります。部活動を通して大切な仲間に出会えたことは、私にとってかけがえのない経験です。これからも変わらぬご声援をよろしくお願いいたします。