リーグ戦勝利のための関西遠征。限られた環境で勝ちを追う学生たち——鳥取大学アメリカンフットボール
鳥取大学アメリカンフットボール部RAKERSは、鳥取大学のラグビー・サッカー場を拠点に活動しています。関西学生アメリカンフットボール連盟に所属し、試合の際は関西方面へ遠征して他大学と対戦しています。
2025年シーズンはDiv.4に降格する悔しい結果に終わりました。2026年シーズンは、1年でDiv.3に戻ることを目標にしています。指導体制や練習環境に制約があるなか、選手同士で話し合い、戦術や練習の意図を自分たちで整理しながら活動しています。今回は、主将の瀧本一護さんに話を伺いました。
——鳥取大学アメリカンフットボール部について、概要を教えてください。
活動場所は鳥取大学のラグビー・サッカー場で、週4回、全体練習をしています。
関西学生アメリカンフットボール連盟に所属しているため、試合の際は大阪や京都など、関西方面へ遠征します。鳥取から関西へ遠征しながら強豪校と対戦できることは、貴重な経験だと感じています。
アメリカンフットボールはコンタクトの多い競技ですが、身体を強化するだけでは勝てません。戦術の理解やポジションごとの連携も求められる競技です。私たちは限られた環境のなかで、どうすれば勝てるかを自分たちで考えながら活動しています。

——練習スケジュールや年間の活動について教えてください。
全体練習は、月曜・火曜・金曜の18時から21時までと、土曜の9時から12時までです。土日は試合が入ることもあります。
年間の活動としては、まず2月に新チームが始動します。4月の新歓を経て新入生が入部し、5月から7月にかけて春シーズンの試合があります。8月には合宿を行い、9月から12月にかけて秋シーズンの試合に臨みます。秋シーズンはチームにとって最も重要な時期で、シーズンを終えると4年生は引退します。
年間を通してアメリカンフットボールを中心に生活が組み立てられるため、学業やアルバイトとの両立は簡単ではありません。それでも、部員それぞれが時間を調整しながら活動を続けています。
——チームの目標と強みを教えてください。
2026年シーズンの目標は、関西学生アメリカンフットボールリーグでDiv.3に復帰することです。2025年シーズンにDiv.4へ降格したため、私たちの代で必ず昇格したいと考えています。
強みは、組織の規模が大きすぎないから、学年を越えて意見を交わせることです。下級生も役割を持ったり、試合に出たりする機会があります。早い段階から責任ある立場を経験することができるため、成長する機会は多いと思います。
コーチが常駐しているわけではないため、戦術や技術について自分たちで話し合わなければならない場面も多くあります。大変ではありますが、その分、部員一人ひとりがプレーの意味を理解しようとしています。

——未経験者が多いなかで、どのように競技力を高めていますか?
私たちのチームは、ほとんどの部員が大学からアメリカンフットボールを始めています。経験者はごくわずかで、高校までは別の競技に取り組んでいた部員が多いです。
野球経験者は、ボールを投げる動作を活かせます。サッカー経験者はキックに強みがあり、ラグビー経験者はタックルの感覚を活かせます。アメリカンフットボールはポジションによって求められる力が違うため、それぞれの競技経験を活かしやすいスポーツだと思います。
私自身は高校まで野球をしていて、現在はクォーターバックを務めています。ボールを投げたり走ったりする場面が多いため、野球の経験が活きていると感じます。
——戦術理解や練習の質を上げるために、工夫していることはありますか?
練習前後に、ポジションごとにミーティングをしています。練習前には、その日の練習で何を意識するのかを確認します。練習後には反省点を出し、次にどう改善するかを話し合います。
大切にしているのは、一つひとつの練習の目的をはっきりさせることです。ただメニューをこなすのではなく、なぜその練習をするのかを共有してから取り組むようにしています。
方針を上級生だけで決めるのではなく、下級生の意見も聞いています。たとえば、「このプレーは今のチームに本当に必要なのか」「覚えるプレーをもう少し絞った方がいいのではないか」といった声が出ることもあります。そうした意見をポジションリーダーが持ち寄り、プレーの数を整理したり、プレーブックを作ったりしています。

——チームで抱えている課題はありますか?
競技面では、フィジカルが大きな課題です。体重や筋力の面で、他大学に劣っている部分があります。専用のトレーニング施設があるわけではないため、大学の共用スペースを使ったり、自分でジムを契約したりして補っています。
筋力トレーニングは班に分かれ、上級生やリーダーが中心となり進めています。取り組みを見える形にするため、トレーニング後に写真を共有するアルバムを作っています。体重やトレーニング内容を共有しながら、全員が自分の目標とする状態を意識できるようにしています。
運営面では、資金不足が課題です。リーグ戦では関西方面へ遠征するため、1回の遠征で十数万円の交通費がかかります。防具代も学生にとっては大きな負担です。そのなかでも、OB・OGの方々や大学からの補助、地域のお店の広告協賛などに支えていただきながら活動しています。
——印象に残っている試合があれば教えてください。
2025年シーズンの入れ替え戦は、とても印象に残っています。残留が決まる大事な試合でしたが、私は自分自身の体調管理が十分にできず、万全の状態で臨めませんでした。それだけが原因ではありませんが、自分のなかでは、全力を出し切れなかった悔しさが今でも大きく残っています。
この経験から、試合に向けて一人ひとりがどれだけ準備できるかが大切だと改めて感じました。現在、部員は全体で46名います。一人ひとりの役割が大きいチームだからこそ、誰かの準備不足が全体にも影響します。
主将になってからは、競技面だけでなく、チーム全体の向き合い方をそろえる難しさも感じています。大学の部活動には、競技に強く打ち込みたい人もいれば、チームの雰囲気に惹かれて入部する人もいます。気持ちが下がっている部員がいれば、一緒に食事に行くなどして話を聞きます。まずは、その人が部活動にどう向き合いたいのかを知ることから始めています。

——いつも応援してくださっている方々へのメッセージをお願いします。
私たちは、中国地方にいながら、関西学生アメリカンフットボールという高いレベルに触れています。遠征費や練習環境など、学生だけでは解決しづらい部分もありますが、限られた環境だからこそ工夫しながら練習しています。
OB・OGの方々には、試合や合宿での指導だけでなく、差し入れや食事面でも支えていただいており、感謝しています。地域のお店の方々にも、新歓パンフレットの広告などを通じて応援していただいています。いただいた支援に対して、結果で恩返しをしたいです。
入部を考えている人には、アメリカンフットボールは未経験でも同じスタートラインから競い合える魅力あるスポーツだと伝えたいです。高校までの競技経験を活かせるポジションがありますし、下級生のうちから試合に関わる機会もあります。
私たちは、Div.3復帰という目標に向けて、一緒に本気で取り組める仲間を募集しています。