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部員6名の危機を越えて50名の大所帯へ。先輩の言葉を結果で証明する——高知大学アメリカンフットボール部

高知大学アメリカンフットボール部 MARINE CORPSは、社会人の指導者が不在の中、学生主体で運営されています。2026年現在は約50名が在籍し、秋の中四国リーグ優勝を目標に、日々の練習に励んでいます。数年前には新型コロナウイルスの影響で部員が6名まで減少し、存続の危機に直面していました。本記事では、廃部の危機からどのようにチームを立て直し、未経験者が多い環境で競技力を高めているのかを探ります。今回は、キャプテンの原田岳久さんに話を聞きました。

 

 

——高知大学体育会アメリカンフットボール部 MARINE CORPSについて概要を教えてください。

 

高知大学体育会アメリカンフットボール部 MARINE CORPSは、高知大学朝倉キャンパスを拠点に活動しています。練習は火曜・木曜の16時30分から19時30分、土曜・日曜の9時から12時まで行っています。

チームは中四国リーグに所属しており、2026年は秋のリーグ戦を大きな目標に掲げています。毎年3月には、中四国リーグ所属のチームが集まる合同合宿や戦略や技術を学ぶ講習会「クリニック」があり、Xリーグ経験者から指導を受ける機会もあります。

部員の多くは、大学からアメリカンフットボールを始めています。2026年の新入生には経験者が1人いますが、それ以外の部員のほとんどは未経験からのスタートです。競技経験に大きな差がないため、基礎から学び、全員で理解をそろえながら成長できることが、このチームの特徴です。

 

 

——2026年のチーム目標を教えてください。

 

2026年シーズンの目標は、中四国リーグ優勝です。中四国リーグは現在6チームで構成されており、9月から始まる秋のリーグ戦に向けて準備を進めています。

6月から8月にかけては、社会人チームやOB、他大学との練習試合を行う予定です。岡山スタンディングベアーズとは以前から交流があり、高知大学のOBが所属していることもあって、毎年のように練習試合を組んでいただいています。

2026年は、ゴールデンウィークに行われる瀬戸大橋ドリームボウルでは、岡山スタンディングベアーズに招待され、試合をさせて頂きました。試合経験を積める機会は限られているため、一つひとつの実戦を、リーグ戦を想定して戦っています。試合を重ねる中で課題を見つけ、秋までにチームとしての完成度を高めていきます。

 

——チームの強みと課題を教えてください。

 

強みは、学生主体でチームを動かしていることです。高知大学アメリカンフットボール部には、日常的に練習を見てくれる顧問やコーチがいません。そのため、練習メニューの作成や試合の準備、チーム運営まで、自分たちで考えて行っています。

指導者が常にいる環境ではないからこそ、一人ひとりが目的意識を持って取り組むことを大切にしています。チームとしての目標を細かく設定し、その時々の状況を見ながら必要な行動を考えています。学年に関係なく意見を言い合える雰囲気があり、キャプテンだけに任せるのではなく、全員でチームを作っていることも強みです。

一方で、課題は競技面での経験不足です。他大学に比べると試合の機会が多いわけではなく、実戦を通じて力を伸ばす場が限られています。競技以外の面では部員同士の仲が良く、楽しく活動できています。ただ、リーグ優勝を目指すには、チームとしての一体感だけでなく、競技力そのものをさらに高める必要があります。

 

 

——部員6名から約50名まで増えた経緯を教えてください。

 

現在の4年生が入部する前、チームは選手5名、マネージャー1名の計6名でした。背景には、新型コロナウイルスの影響があります。2018年には中四国リーグで優勝していましたが、その後は新入部員の数が減少し、部の継続自体が難しい状況になっていました。

当時のキャプテンは、新歓の場で「自分たちの代で優勝するのは難しいかもしれない。けれど、お前らが4年生になった時に優勝してほしい」と話していました。私自身、もともとは大学でも野球を続けるつもりでしたが、その言葉や人柄に惹かれ、「この人がいるチームで戦いたい」と思い、入部を決めました。

そこから少しずつ新入生が入り、試合ができる人数まで増えていきました。最初のリーグ戦では大敗しましたが、試合を通じてアメリカンフットボールの楽しさを知りました。

その後は、自分たちが新入生に競技やチームの魅力を伝える側になり、部員数は少しずつ増えていきました。現在は約50名の組織になっています。2025年は3位に終わり、優勝を狙えたからこその悔しさも残っています。だからこそ、2026年は結果で示したいと考えています。

 

——キャプテンとして大切にしていることを教えてください。

 

キャプテンとして大切にしているのは、一人で抱え込まず、仲間を頼りながらチームを動かすことです。

私が入部するきっかけを与えてくれた先輩は、人間力や存在感で周囲を引っ張るタイプでした。事務的な仕事もこなしながら、練習では厳しく、普段は親しみやすい存在でした。

一方で、自分が目指しているのは、練習で誰よりも全力で取り組み、声を出し続けるキャプテンです。言葉だけで引っ張るのではなく、練習への姿勢で信頼を得たいと考えています。そのうえで、事務作業やチーム運営では、副キャプテンや同級生、後輩を頼るようにしています。

印象に残っているのは、冬の時期にチームのモチベーションが下がった時のことです。後輩の副キャプテンと食事に行き、自分が困っていることや、助けてほしいという思いを率直に伝えました。その後、その副キャプテンが自主練に早く来るようになり、チーム全体にも良い影響が広がりました。自分だけで抱え込まず、仲間に思いを伝えたことで、チームが前に進み始めた経験でした。

 

 

——チームづくりで意識していることを教えてください。

 

意識しているのは、練習中だけでなく、練習外でも互いに支え合えるチームをつくることです。以前は、練習には来ていても、練習外では仲の良い人同士で集まることが多く、学年や役割を越えた関係づくりには課題がありました。

アメリカンフットボールは、選手だけでなくマネージャーを含め、全員が自分の役割を果たして初めて成り立つ競技です。だからこそ、日頃から相手の考えや性格を知り、困った時に声をかけ合える関係をつくることが大切だと考えています。

その一環として、2026年5月には、部員全員で柏島への旅行を計画しました。アメリカンフットボール以外で楽しむ時間を過ごすことで、普段の練習だけでは話す機会が少ない部員同士も関わりやすくなりました。学年を越えた関係が深まり、練習中の声かけや意見交換もしやすくなったと感じています。

高知龍馬マラソンでボランティアに参加したこともあります。競技とは直接関係のない活動ですが、誰かのために動く経験を通じて、チームの中でも自分以外の人に目を向ける意識が生まれました。

 

 

——いつも応援してくださっている方々へのメッセージをお願いします。

 

私たちは、部員6名の状態から再出発したチームです。決して恵まれた環境ばかりではありませんでしたが、自分たちで考え、行動しながら、ここまでチームを大きくしてきました。

その過程で、OBの方々、保護者の皆さま、日頃から応援してくださる方々の支えに、何度も力をいただきました。皆さまの存在は、私たちが挑戦を続ける大きな原動力です。

2026年シーズンは、必ず中四国リーグ制覇を成し遂げたいと考えています。目の前の練習や試合に本気で向き合い、結果で恩返しできるよう全力を尽くします。

これからも変わらぬご支援とご声援のほど、よろしくお願いいたします。