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統合から生まれた新チームはどう強くなったのか。自由と自律で挑む日本一に挑む——大阪公立大学ボート部

大阪公立大学ボート部は、大阪市立大学と大阪府立大学の統合によって生まれた新しいチームで、現在日本一を目標に活動しています。個人の裁量を尊重する自由度の高い環境の中で、一人ひとりが自律的に練習へ取り組んでいます。

一方で、全国の強豪校と戦う中では、体格差や部員数の増加に伴う育成体制の課題など、さまざまな壁にも直面してきました。そうした課題に対し、技術と戦術の強化だけでなく、多様な立場の人を巻き込む組織づくりによって乗り越えてきています。

今回は、現在の組織の成り立ちや競技面での工夫、そしてリーダーとしての学びについて、キャプテンの舩本鼓太郎さんに伺いました。

 

 

——大阪公立大学ボート部の概要を教えてください。

 

現在は、2年生が21名、3年生が11名、4年生が9名の計41名で活動しています。学部の構成は理系が6割、文系が4割です。練習場所は、主に大阪府堺市の浜寺水路と、大阪市の桜ノ宮水域を使用しています。

部員は全体としては落ち着いた雰囲気で、真面目に日々の練習へ黙々と取り組む選手が多いです。上下関係も必要以上に厳しくなく、お互いの強みや個性を認め合えるフラットで意見を言いやすいチームだと感じています。

競技成績としては、昨年の全日本大学選手権(インカレ)で、男子の舵手付きフォアが5位、女子のシングルスカルが4位という結果を残しました。

今年はさらに上を目指し、8月末に行われるインカレでの日本一を最大の目標に掲げています。

また、その過程として、6月に開催される神戸大学・大阪大学・一橋大学との定期戦での完全優勝も目標の一つです。

国立大学では東北大学や大阪大学、私立大学では同志社大学や関西学院大学を主なライバルとして意識しながら、日々練習に励んでいます。

 

 

——現在の自由な環境はどのように生まれたのでしょうか?

 

現在の自由度の高い環境は、4年前(取材当時)に大阪市立大学と大阪府立大学が統合し、現在のチーム体制になったことが大きなきっかけです。

統合前は、それぞれの大学で練習メニューやチーム運営の方法が大きく異なっていました。そのため、どちらか一方のやり方に無理に統一すると、一部の部員に大きな負担がかかる懸念がありました。

そこでチームとしては、最終的に同じ目標を目指しながらも、平日の練習時間や練習場所、生活面については個人の裁量に委ねる形を取り、あえて自由度を持たせた運営へと意図的に切り替えました。

一方で、このように個人の裁量に任せる体制では、練習量の確保が課題になりやすい側面もあります。

しかし、私たちが主に使用している桜ノ宮の水域は、日中でも比較的安定したコンディションで練習できる恵まれた環境です。他大学では大型船の影響で早朝や深夜にしか十分な練習ができないケースもありますが、桜ノ宮ではその制約が少なく、各自が生活リズムを大きく崩すことなく練習時間を確保することができます。

そのため、十分な睡眠を確保しながら学業と両立できる環境が整っており、結果として個人の裁量に委ねた自由度の高い運営が成立しています。

 

——全国の強豪校と戦う中で、どのような課題があり、それをどう乗り越えていますか?

 

全国の強豪校と戦ううえでの大きな課題は、チーム全体としてフィジカル面で劣り、体格の小さい選手が多いことです。

そのため、単純なパワー勝負では他大学に差が出やすく、別の強みで勝負する必要があります。

そこで私たちは、技術と戦術の両面を強化することで、この課題を補っています。

技術面では、限られた力をできるだけ無駄なく推進力へ変え、効率よく船を進める技術を徹底的に磨いています。

また、戦術面では、レース後半で追い上げるスタイルがチームの伝統となっています。

その戦い方を実際のレースで発揮できるよう、毎回の練習の最後に、疲労が溜まった状態で1分間全力で漕ぎ切るメニューを取り入れています。

ボートレースは2000メートルと長丁場であり、特に終盤のラストスパートが勝敗を大きく左右します。

その最も苦しい場面で力を出し切るために、日々反復して練習を重ねています。

 

 

——部員数の増加に対して、どのように対応していますか?

 

現在は2年生が21名と大きく増えており、未経験者も多い中で、以前のように一人ひとりへ細やかな指導を行うことが難しくなってきました。特に新入部員が入る時期は、上級生自身も大会前で余裕がなく、十分にサポートしきれない場面があります。

こうした指導面の課題に対応するため、大会に出場しない大学院生のコーチ陣が中心となり、初心者に寄り添って指導する体制を整えています。

それに加えて、中学時代からボート経験のある私自身も全体を巡回しながら、技術的なアドバイスを行っています。

また、マネージャーの役割も見直しました。タイム計測などの事務作業だけでなく、ビデオ撮影を通じたフォームの確認や、選手の細かな動きの変化を見つけるなど、競技力向上の視点を持ってサポートしてもらっています。

さらに、下級生でも先輩に遠慮せず意見を伝えられる風通しの良さがあるため、部員全員で課題を共有し、解決していく仕組みが少しずつ機能し始めています。

 

——組織をまとめる中で、どのような学びがありましたか?

 

最も学んだことは、異なる背景を持つ人たちでも、工夫次第で同じ方向を目指すことができるという点です。

部員一人ひとりはもちろんのこと、大学院生、OB・OG、保護者の方々、さらにスポンサーとして支援してくださる企業の方々など、この活動を通じて本当に多くの立場の方々と関わる機会がありました。

それぞれ育ってきた環境や考え方は異なりますが、目標を共有し、丁寧にコミュニケーションを重ねることで、組織として一つの方向を向くことができると実感しています。

そのために、私が特に大切にしているのは、自分の言葉と行動で熱意を伝え続けることです。

相手の目を見てしっかりと話し、私たちの活動や思いを理解していただくことで、「応援したい」と思ってもらえる関係性を築くことを意識しています。

そして最終的には、いただいた支援や期待に対して、結果で応えることがリーダーとして最も大切な姿勢だと感じています。

 

 

——いつも応援してくださっている方々へメッセージをお願いします。

 

日頃から多大なご支援をいただき、誠にありがとうございます。

私たちは結果で恩返しをすることはもちろん、感謝を直接お伝えする機会も大切にしています。毎年1月に開催している初漕ぎ会には、OB・OGの方々だけでなく、スポンサー企業の皆さまや保護者の方々にもご参加いただいています。

実際にボートに乗っていただける機会ですので、今後も多くの方にご参加いただければ幸いです。

また、これから大学生活を迎える皆さんへお伝えします。

私たちのチームには、個人の裁量を尊重する環境があります。その中で、部員一人ひとりが自ら考えて行動する自律的な姿勢が求められています。全員が日本一を目指し、日々本気で取り組んでいます。

経験の有無は問いません。大学生活で何かに本気で取り組みたい方は、ぜひ私たちのチームに来てください。

皆さんと一緒に挑戦できる日を楽しみにしています。