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異例の1年生副将が挑む、最下位リーグからの組織再建——拓殖大学ゴルフ部

拓殖大学ゴルフ部は現在約25名が所属し、週2〜3回の練習を通じて競技力の向上に取り組んでいます。キャンパス内の無料練習施設や、監督が勤務するゴルフ場を利用できるなど、恵まれた環境の中で活動している一方、かつてはBブロックに所属していたものの、部員数の減少とともに順位を落とし、Fブロックまで降格する苦しい時期を経験しました。

そうした状況の中で、組織運営や練習改革に取り組みながら、再び上位リーグを目指してチームづくりを進めています。

本記事では、組織改革への取り組みや今後の目標について、副主将の稲森颯馬さんに話を聞きました。

 

——拓殖大学ゴルフ部について概要を教えてください。

 

現在は新入部員が多く加入したこともあり、全体で約25名が活動しています。1年生が全体の約半数を占めており、理系の学生も4分の1ほど在籍しています。

練習は週に2〜3回実施しており、火曜日の15時40分から20時までは全員参加の必須練習日としています。練習内容は、まずランニングやストレッチ、、体幹トレーニングなどで基礎体力の向上を図り、その後にショット練習へと移ります。

また、私たちの環境の大きな魅力は、キャンパス内に無料で利用できる練習施設が整っている点です。加えて、監督が勤務されているゴルフ場を無料で利用させていただくこともできます。このように、非常に恵まれた環境の中で競技に打ち込むことができています。

 

 

——どのような経緯で異例の1年生副将に就任されたのか教えていただけますか?

 

私は10歳の頃からゴルフを続けており、高校時代には1年生から部長を務めていました。また、高校1年生の頃から、大学の関係者の方々より「若手層が不足しており、組織の活力が低下しているため、立て直しに力を貸してほしい」といったお話をいただいていました。

そうしたお話を聞く中で、自然と部の状況に問題意識を持つようになりました。実際にスポーツ推薦で入学してみると、停滞している現状を目の当たりにし、「自分が率先して流れを変えなければならない」と強く感じました。

そこで入部当初から、「組織改革を進めてもよいか」と自ら提案し、異例ではありますが、1年生の段階から副将としてチームのマネジメントに携わらせていただいています。

 

——入部当初、組織はどのような壁に直面していたのでしょうか?

 

かつては15年前に上位リーグであるBブロックに所属するなど、一定の競技力を持つチームでしたが、その後徐々に順位を落とし、最下位のFブロックまで降格していました。

その主な要因は、前の代から続く部員数の減少により、1人あたりの業務負担が大きくなっていたことにあります。幹部ごとに業務を抱え込む状況となり、結果として幹部間の連携が機能しづらくなり、組織全体としての一体感が失われていました。

こうした連携の弱体化は練習参加率の低下にもつながり、次第にチーム内の雰囲気にも影響を及ぼし、組織として難しい状況に直面していました。

 

 

——その状況を打破するために、どのような解決策を実行しましたか?

 

大きく分けて、「前向きな環境づくり」「競技力の向上策」「運営体制の整備」の3点に取り組みました。

第一に、部員が競技への意欲を維持できるよう、過度に厳しい雰囲気ではなく、前向きに取り組める環境づくりを意識しました。その一方で、単なる楽しさに偏らないよう、オンとオフの切り替えを明確にするため、練習にはゲーム形式の要素を取り入れています。例えば、練習場のネットの区切りをターゲットとして設定し、「指定の番手で当てる」「次は意図的に弾道を変えて当てる」といった課題を設けることで、楽しみながらもショットの精度を高める実戦的なメニューを導入しました。

第二に、試合を想定したコースマネジメントの強化に取り組みました。遠征先のコースには頻繁に下見に行けないため、ドローン映像やヤーデージブック(コースの距離情報)を活用し、コースの特徴を分析した上で練習に落とし込みます。具体的には、「指定ポイントに打った際の次打の想定」や「ハザードに入った場合のリカバリー」といった状況をキャンパス内の練習場で再現し、実戦を想定した判断力を養うようにしています。

第三に、運営面の仕組み化にも着手しました。毎月提出が必要な施設利用申請などの事務作業については表計算ソフトで管理し、全体で共有・習慣化することで、業務の抜け漏れが発生しない体制を整えました。

 

——大学での組織運営を通じて学んだことや、現在の課題について教えてください。

 

高校時代の部長経験とは異なり、大学の部活動では「競技以外のマネジメント業務」の重要性を強く実感しています。連盟との連絡や大学への書類提出など、選手として競技に取り組む一方で、運営面の業務も自ら担う必要があり、組織を維持・運営することの難しさを学びました。

現在の部の課題は、初心者や競技歴の浅い部員の底上げです。経験者は私を含めてもごく少数で、大半は大学から競技を始めたメンバーで構成されています。そのため、彼らの基礎力をいかに向上させ、一定のレベルまで引き上げるかが重要な課題となっています。

具体的には、平坦なライからのショットの再現性を高めるなど、地道な反復練習を徹底し、致命的なミスを減らす堅実なプレースタイルをチーム全体に浸透させていきたいと考えています。

 

 

——いつも応援してくださっている方々へのメッセージをお願いします。

 

現在の部が成り立っているのは、決して私たちの力だけではなく、皆様からのご支援の積み重ねによるものです。組織の再建にあたり、監督やコーチ、OBの方々、そして大学関係者の皆様には多大なるお力添えをいただいており、感謝申し上げます。

いただいたご恩は、「リーグ昇格」という結果でお返しすることが、私たちにできる最大の恩返しだと考えています。まずはEブロックへの昇格を果たし、さらに上のステージを目指して精一杯努力してまいります。

引き続き、ご指導ご鞭撻のほどよろしくお願いいたします。