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未経験マネージャーの視点で新歓を改革。指導者不在・部員10人で挑む組織づくり——埼玉大学ラグビー部

関東大学ラグビーリーグ5部に所属する、埼玉大学ラグビー部。一時は部員不足により公式戦への出場が危ぶまれましたが、2024年、他大学との合同チームという形でリーグ戦に復帰しました。現在の部員数は10名で、専任の指導者はいません。工学部の学生が多い理系のチームですが、人数が少ないからこそ「自分たちで工夫して楽しむ」ことを大切にしています。彼らがどのように練習の質を保ち、チームを運営しているのか。主将の佐藤さんと会計の藤田さんに話を聞きました。

 

 

——貴団体について概要を教えてください。

 

現在は、選手・マネージャーを合わせて約10名で活動しています。普段は埼玉大学のグラウンドで週3回練習し、土日は他大学と合同練習を行っています。部員の多くが工学部の学生で、実験や課題で忙しい中でも、ラグビーが好きなメンバーが集まっています。

また、15人制の試合に出るため、現在は東京国際大学、創価大学と合同チームを組んでいます。違う大学の学生約30名でひとつのチームを作っていくのは、単独チームにはない面白さがあります。

 

——少人数の環境でどのように練習の質を確保していますか?

 

部員数が10名のため、自分たちだけでは試合形式の練習ができません。その代わり、場面を区切った練習を中心に行っています。たとえば狭いエリアでの攻防など、人数が少ないからこそ、一人ひとりの動きを細かく確認しながら、イメージを共有しています。平日は各自で走り込みや筋力トレーニングをして基礎体力をつけ、週末の合同練習で動きを合わせる。このサイクルで少人数の課題をカバーしています。

 

 

——これまでで苦労した経験と、その乗り越え方を教えてください。

 

人数不足に加えて、埼玉の夏の暑さには苦労しました。私たち2人は東北出身のため、1年目の夏は暑さに体が慣れず、体調を崩しそうになる日もありました。そこから「前日からしっかり水分をとっておく」といった対策を話し合い、チームで工夫して夏を乗り切りました。

また、テスト期間と重なって練習の人数が揃わない日もあります。そのような日は、集まったメンバーが得意なキックの練習だけを行うなど、その日の状況に合わせて臨機応変にメニューを変えています。

 

——現在抱えている課題と取り組みについて教えてください。

 

部員を増やすことが最大の課題です。今年からSNSを使った新歓活動に力を入れ始めました。

そこで大きな役割を果たしているのが、ラグビー未経験で入部した女性マネージャーの存在です。私たち経験者では気づかない「未経験の人が不安に思うポイント」を彼女の目線で教えてもらうことで、新入生により伝わりやすい発信ができるようになりました。それぞれの強みを活かしながらチーム運営に取り組んでいます。

 

——チームが大切にしている「テンション」とは何ですか?

 

私たちのチームの強みは、練習でも試合でも「ラグビーを楽しむ姿勢」にあります。

とくに試合の終盤、疲労が溜まってくる時間帯にこそ声を出すことを意識しています。誰かが声を出し、みんなでそれに呼応して盛り上げる。普段は合同チームのメンバーとなかなか顔を合わせられないからこそ、グラウンドでの声出しや、良いプレーが出たときにみんなで喜ぶことを大切にしています。

 

 

——指導者がいない中でどのように組織を運営していますか?

 

専任の監督やコーチがいないので、練習メニュー作りから試合の戦術まで、すべて学生主体で決めています。大変ですが「自分たちのラグビーを自分たちで作る」という面白さがあります。

高校までと違って指導者から教わるわけではないので、主将が大きな方針を立てて、みんなで意見を出し合いながらプレーを作っていく。お互いに意見をすり合わせながらチームをまとめていくプロセスに、大きなやりがいを感じています。

 

——学業と部活動を両立する意義についてどう考えていますか?

 

工学部なので実験やレポートとの両立は大変ですが、「忙しい中でもやりくりすれば部活もできる」ことを証明したいと思っています。

短い時間でしっかり集中して練習するためには、自分でスケジュールを管理する必要があります。部活と勉強の両方を頑張るなかで身につく時間の使い方は、将来社会に出ても役に立つと感じています。

 

——このチームでの活動を通して得られた学びは何ですか?

 

「状況に応じて、自分で考え行動する力」です。人数が足りない、天候が厳しい、テストと重なるなど、思い通りにいかない時にただ落ち込むのではなく、「今の状況でどうやって練習を成り立たせるか」を考えるクセがつきました。

自分たちで課題を見つけて解決していくこと自体を楽しめるようになったのが、一番の成長だと思います。

 

 

——最後にメッセージをお願いします。

 

OB・OGや関係者の皆様からのご支援のおかげで、お金の負担を抑えて活動できており、本当に感謝しています。今年は長くできていなかった夏合宿も再開する予定で、チームとしてさらに前に進みたいと思っています。

新入生の皆さん、未経験の方でも大歓迎です。まずはグラウンドに来て、ボールに触ってみませんか。僕たちと一緒に、大学生活をラグビーで充実させましょう。これからも埼玉大学ラグビー部は、自分たちらしくラグビーを楽しみながら、成長を続けていきます。応援よろしくお願いいたします。