少人数でも日本代表を目指せる秘訣とは——日本大学生物資源科学部ローラーホッケー部
ローラーホッケーと聞いて、すぐに競技のイメージが浮かぶ人は多くないかもしれません。ローラーホッケーとは、アイスホッケーに近いルールで、氷の上ではなく、ローラースケートを履いてリンク上で戦うスピード感のある競技です。この競技には、初心者からでも挑戦でき、努力次第で大きな舞台に届く可能性があります。今回、日本大学生物資源科学部ローラーホッケー部の部員メンバーに、人数が限られる環境の中での工夫や、チームを作り上げてきた背景についてお話を伺いしました。

——部の概要について教えてください。
日本大学生物資源科学部ローラーホッケー部は、現在は上級生7名(2026年2月時点)が中心となって活動しています。(4年生3名、3年生2名、2年生2名)
そこに1年生11名が加わり、計18名体制で新シーズンを迎えています。普段の活動は、学内のリンクをメインに、専修大学や江戸川区のスポーツガーデンなども利用しながら、週に3〜4日練習を行っています。曜日としては、火・木・土が中心に活動し、土日のどちらかの午前には専修大学で合同練習を行うこともあります。。練習は基本的に全員で一緒にやるスタイルをとっており、人数が多い部活のようにポジションごとに完全に分かれて練習するというよりは、全員で声を掛け合いながら練習をしています。他大学との合同練習はそこまで頻繁ではないものの、専修大学とは一緒に練習をすることもあり、OBの方や社会人チームの方に混じって練習させていただく機会もあります。
——チームの特徴について教えてください。
一言で表すのであれば、日本大学生物資源科学部ローラーホッケー部は人数が少ないからこそ、部員同士の距離が近く、とても仲の良いチームです。
普段の練習、試合や合宿も、基本的に全員で一緒に動くことが多いです。部員には明るいメンバーが多く、リンクに集まると空気がパッと明るくなるような雰囲気があります。全体的にフラットな関係性なので、初心者でも入りやすい空気があることは、この部の大きな魅力だと考えています。ローラーホッケー自体が大学ではまだ競技人口が少ないスポーツであるため、みんながほとんど同じスタートラインから始めることができます。実際に、部員の中でも経験者はごく僅かで、ほとんどの部員が大学から競技を始めています。それでも、新人戦で打点賞(得点王)を取る選手が出たり、過去には日本代表選手が在籍していたりと、努力次第で未経験からでも結果を出すことができる環境があることも面白い点だと感じます。

——今年度、新入部員が多く入部してくれた背景は何だと感じますか?
2025年度は、新入部員20名を目標にしていましたが、結果として12名の新入部員が入部してくれました。その後、1名のみ退部となってしまいましたが、11名が残ってくれたことはとても大きかったです。部としては人数が少ない競技だからこそ、まずは仲間を増やしたいという思いが強かったため、これは大きな成果であったと感じています。背景として大きかったのは、声かけやチラシ配布、SNS活用など、新歓の動きをかなり意識的に工夫したことです。特に効果があったのは、チラシでQRコードをつけ、その場で部のInstagramアカウントへ飛べるようにしました。その結果、興味を持った学生が後からInstagramを見返し、気軽に連絡できる導線を作ることができました。また、勧誘活動の中で意識をしていたのは、競技の説明だけで終わらせず、ローラーホッケー部の雰囲気や、初心者でも安心して始めることができる空気感まで伝えることです。実際に、入ってくれた1年生の多くも未経験者で、未経験であっても安心して始めることができるという点に魅力を感じてくれた人が多かった印象です。また、入部後の定着率の高さも今年の新歓がうまくいった理由の一つだと思います。人数が少ない部活だからこそ、一人ひとりの存在が大きいため、入部後のフォローや日々のコミュニケーションまで含めて、全員で意識しています。

——他大学との違いは何ですか?
ローラーホッケーのライバル校は、立教大学、國學院大学、東洋大学、専修大学などです。実はこれらの大学はほとんどが体育会に所属しており、規模も人数も大きく異なります。私たちは体育会には所属しておらず、人数も少ないため、強豪校と戦う上では不利な部分もあります。例えば、立教大学や東洋大学は人数が非常に多く、立教大学の男子チームは新人戦で3チーム出すことができるほどの規模感です。規模感は不利な中でも、スキルを高めて勝利を手にするために、他大学や社会人チームの練習にも参加し、自ら環境を取りに行くことで競技力を伸ばしています。体育会のように整った制度があるわけではないからこそ、受け身ではなく、主体性を持って自ら成長のルートを作っています。
——部として感じている課題はありますか?
ローラーホッケー部が直面している課題の一つが、競技特有の初期費用です。入部時に一式揃える場合、約12万円ほどかかります。これはスティック、防具、ローラースケートを含めた金額です。大学スポーツの中でも比較的コストがかかる競技であるため、やってみたいという気持ちがあっても、費用面で迷ってしまう新入生が存在するのも現実です。そのため部としては、新歓時に競技の魅力を伝えるだけではなく、道具の準備に関する不安をできる限り解消できるよう、相談しやすい雰囲気づくりや情報共有にも力を入れています。また、昨年は学園の記念式典を通じた寄付や学校への申請により、1万円程度の補助を受けることができました。競技を続ける上で必要な環境を整えていくことは、今後の部にとって欠かせないことです。
——新入生に向けて、一言お願いします。
大学生活は、自分次第で挑戦できる時間が大きく広がる期間だと思います。だからこそ、その時間を使って、何かに本気で打ち込む経験をしてほしいです。ローラーホッケーは、多くの部員が未経験からスタートする競技であり、全員が同じスタートラインに立てることが大きな魅力です。努力や取り組み次第では、日本代表を目指せる環境がある点も、他の競技にはなかなかない特徴だと感じています。少しでも興味を持っていただけたら、ぜひ一度リンクへ足を運んでみてください。部員一同、皆さんと一緒に活動できることを楽しみにしています。

日本大学生物資源科学部ローラーホッケー部では、様々な工夫を積み重ね、新入部員を増やし、定着率の高いチームを作り上げてきました。少人数でも仲間との関係性を強化し、主体性を持って競技力を高めている彼らの挑戦は、これまでの常識を塗り替えていく可能性を秘めていると感じました。